表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界を救いし聖女は、聖女を止め、普通の村娘になり、普通の生活をし、普通の恋愛をし、普通に生きていく事を望みます!  作者: 光子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/82

39








森を進んで行くと、順当に食べれる魔物が現れ、手際良く、ノルゼスが一太刀で仕留めた。


聖女と共に魔王を倒したパーティの1人であるノルゼスに、ただの魔物が勝てるはずも無く、あっという間に終わる。



「うわぁ……す、凄いんだね、冒険者って」

圧倒的な力量を見せられ、感激するサクヤ。



ただの冒険者では無いですからね。強いのは当然です。


お願いですから、次、村に来た無関係の冒険者を、同じ土台に並べないであげて下さいね。と、心の中で思った。



「何、対した事は無いさ」


魔王を対したパーティの騎士が対した事無ければ、他の冒険者はどうなってしまうのでしょうか???




「いやーほんま凄いなぁ、リーシャはんの元・お仲間はん」

「……そうですね」


手際良く魔物の解体作業に入るノルゼスを横目に、リーシャは頷いた。


「今日は解体作業手伝いたいって言わへんねんな」


普段のリーシャなら、率先して手伝いを申し出る。

何故か全身が血塗れになるのを危惧して、手伝いを断っていたが、肉屋マルシェでの修行の甲斐あって、全身血塗れになる事は無くなった為、少し前から、許可が出た。

嬉しそうに、手際はまだまだ悪いが、一生懸命、作業する。




「……させてくれると思いますか?」


ノルゼスに教わる形で、サクヤがお手伝いしている様子を見ながら、リーシャは尋ねた。


「まー無理やろな」

まだ出会って少ししか経っていないが、その間にも伺えた超絶過保護な様子からは、全力で拒否されるのが目に見えている。



リーシャは大人しくその場に座り込み、イマルもまた、隣に腰掛けた。


「イマルは行かないんですか?」

「してくれるゆーなら、俺は甘えるわ」

「そうですか…」

「元気無いなー」

「…そう、ですか?」

「そらな。いつもより全然、口数少ないし」



そう言えば、聖女の時は、あまり口を開かなかった気がする。

必要な事だけしか話さなかったから、ノルゼスとも殆ど会話した事は無かったし……


ノルゼスと会ったから、聖女の時の感覚が戻ってしまったのかもしれない。



「元気に見えないのは、駄目ですね」

そう見えてしまっては、国民が不安になる。

聖女は、国民の希望だから、常に気高く、強くいなくてはならないーーー。




「何で?えーやん。元気無い。で」

「えーー」


「誰かていつも元気な訳ないやろ。俺かて元気無い時もあれば、機嫌悪い時もあるで」

「元気が……無くても……良い……」



当然の事のように言うイマルの言葉は、リーシャには衝撃的なもので、目をパチパチさせながら、言葉を噛み締めた。



「元気無いんやろ?」

「……はい。元気……無いのかも、しれません」


少し考え込みながらも、今度は、リーシャは頷いた。


ノルゼスが村に来てから、何となく落ち着かなくなって、一緒に狩りに行く事になって、急に、聖女に戻された感覚になって、胸の奥に、重みが落ちたような、暗い気持ちに、なった。



「そか。ほな、終わったら気分転換に、サクヤはんも誘って一緒に美味しいもんでも食べに行きましょか」


「……美味しい、もの」

一緒に、食べに、行く?



「落ち込んだ時は、美味しいもん食べたり、友達と話したり、酒飲んだり、楽しい事せなな」


「ーーそれはーーとても、嬉しい申し出ですね!」


イマルの誘いを受け、リーシャは村を出てから初めて、微笑んだ。







ギューーーーっと、森から戻った後、サクヤはリーシャの腕に抱きつき、離れないまま、歩いた。


「サクヤ?どうされたのですか?」

「お姉ちゃん、落ち込んでたでしょ?ノルゼスって人が来てから、お姉ちゃんちょっと調子おかしいし……」



イマルだけで無く、サクヤにも気付かれてしまっていたようで、心配をかけてしまっていたのだと認識する。


「ごめんなさい。心配をおかけして……」

「違うよ!謝って欲しいんじゃなくて!元気出して欲しくて!僕、何か出来る事あったら、するから!あのノルゼスって人からお姉ちゃんを守るから!」



完全に敵認定されたらしく、サクヤは周りを見渡しながら、ノルゼスの姿が見えないかを確認した。

森から戻った後(結局念入りのエスコートを受けた)、丁度、村長から呼び出しがかかったノルゼスは、3人から離れ、寝床を提供してくれている村長の家に戻った。



「大丈夫ですよ。私に害を与える事はしないと思いますし」

「そらせんやろな。過保護なくらい守っとったからな」


目の前に8歳の男の子がいれば、リーシャよりサクヤを優先しそうなものだが、サクヤには目もくれず、最後までリーシャ優先。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ