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村娘生活1ヶ月半31







村娘生活1ヶ月半ーーー。




辺境の村ヘーゼル。の外、四季の森ガーデン。



「いでよ!炎!」

大きなサルの形をした魔物3匹に向かい、サクヤは炎の魔法を放った。


1発、見事に魔物に命中し、魔物はその場に倒れた。


「やった!」

1匹仕留められた事に喜ぶが、魔物はまだ2匹いる。

炎の魔法を避けた魔物が、そのままサクヤに向かい突進するーーー前に、イマルの銃剣が、魔物の体を切り刻むと、血を流し、2匹の魔物は、そのまま倒れた。



「サクヤはん、油断したらあきまへんで」

「ご、ごめんね、イマル兄ちゃん」


血を払いながら、イマルはサクヤに注意し、サクヤは素直に謝罪した。



「お疲れ様でした」

戦闘を傍で見ていたリーシャは、2人の手際の良さに、パチパチと拍手した。


ここ数日。

魔法に自信をつけたサクヤの腕前はどんどん上達して、前より魔力の制御が出来、魔法も、スムーズに出せるようになった。



「お姉ちゃん、見ててくれた?」


笑顔で駆け寄るサクヤは、本当にとても可愛い。

初対面の時は警戒されていましたが、今では本当に懐いてくれて、褒めて欲しいとばかりに近寄ってくるその姿に、キュンキュンします。



「はい。本当に上達しましたね」

そう言うと、リーシャはサクヤの頭を撫でた。


「へへ」

照れ臭そうに笑いかけてくれるサクヤに、また胸がキュンキュンする。


(可愛い…!可愛過ぎます!!)



「おーい。用事も終わったし、さっさと帰るで」

魔物そっちのけでイチャイチャする2人に対して、イマルは欠伸をしながら、声をかけた。




本日は、村長のお願いで、魔物の討伐に来た。


聖女により、昔と比べて、世界は平和になったとはいえ、まだ魔物はいる。

その中には、村に被害を加えるものもいて、今回のサルの魔物は、村の畑を荒らす魔物で、その魔物を退治するために、イマル、リーシャ、サクヤに、討伐をお願いした。



「やっぱり、森まで来ると、魔物多いし、強いね」


普段、山菜集めでは、四季の森ガーデンまでは行かない。


「せやな。まー俺は狩りでたまに来るから、珍しないけど」

「これで、畑の被害が無くなるといいですね」


魔物の討伐は、実力が有るのは勿論必要で、さらに一人で行うのでは無く、パーティを組むのが好ましいが、辺境のド田舎では、人手不足が著明で、魔物を討伐するほどの実力者を集める事が難しい。


イマルは一人で気ままに狩りに来るが、本来は危険な行為。

イマル自身は、戦う魔物を見極め、勝てる相手としか戦わないようにしたりと、気をつけており、本人は一人の方が気楽だからと、止める気は無い様子。



と言った理由で、困った魔物が出て来ても、中々退治する事が出来ず、放置している事が多かったのだが、今回、魔法使いとして成長したサクヤに、回復魔法を使えるリーシャが現れたことで、三人に白羽の矢が立った。


「ほんま。あのクズ村長も人使いが荒いで。俺は兎も角、まだ小さいサクヤはんや、戦えへんリーシャはんを巻き込むなんて…」


無事に魔物を退治し、村へ戻る道中、イマルは泣きながら頼み込んで来た村長を思い出しながら、文句を口にした。



「仕方ないよ、本当に困ってたみたいだし…」

「私も問題ありません。お役に立てるのでしたら、満足です。それに、私は昔、冒険をしていた事もありますから」


聖女として魔王を倒す為に旅に出ていたので、ある意味、この村の誰よりも魔物への討伐への参加をしていた自信がある。



「お姉ちゃん、冒険者だったの?!」


以前イマルに伝えた時と同じように、サクヤにも驚かれる。

そんなに私は、冒険者らしく無いでしょうか?


「皆さんのサポートとしてなので、倒したりした事はありませんけどね」

イマルとサクヤが上手に魔物を退治したことも有り、出番は一切無かったが、基本、魔物との対峙時は、補助に周る。

「回復の魔法だもんね…でも、お姉ちゃんが冒険者……僕の中の冒険者のイメージと、なんか違うかも…」

「イメージ?」



魔物と戦う事は勿論、自分達で食料の調達、食事の支度、洗濯、寝床の設置、買い物、お金を稼いだりなど……きつく、大変なイメージで、少なくとも、自分で自分の事はしなくてはならないと思っていたので、リーシャのように、生活能力皆無で冒険をしていた事が、信じられない。



「お姉ちゃんと一緒に冒険してた人って。何でもしてくれてたんだね」

「……そうですね。私は何もしなくても大丈夫でしたね」

「それって冒険っていうのかな…」


リーシャの言う冒険が過保護なもの過ぎて、イメージがつかないが、この村には冒険者は滅多に来ないし、そう言った冒険もあるのかな?と、無理矢理サクヤは納得した。






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