「そいつは四天王の中でも最……、さいじゃ、さいじゃぐふぅううう!!」
「勝った……」
勇者は剣を構えたまま呟くように言う。
魔王城の中、激闘の跡、勇者と四人の仲間たちは既に満身創痍という有り様。しかしその目は強く輝く。
目前には血溜まりに倒れ伏す一人の魔族の男。
魔王軍四天王の一人、『空気のソーディ』はもうピクリとも動かない。改めてその死を確認し、勇者は吠える。
「俺たちの、勝ちだ!」
魔王城に乗り込んだ勇者の一行は、ついに魔王の近衛にして将軍たる四天王の一角『空気のソーディ』を打ち倒した。
勇者の仲間、女剣士が剣を下ろし勇者を見る。
「やったな勇者!」
「あぁ、無敵と呼ばれた魔軍将を倒した。俺たちの力で」
勇者は聖剣を握りしめ決意を新たにする。
「勝てる。俺たちで魔王を倒す、人と魔族の争いに終止符を打つ!」
「「おお!!」」
勝利の喜びに湧く勇者とその仲間たち。
だがそのとき、広間の大扉が音を立てて割れ、暗闇から一人の巨漢が現れる。
「あれは!?」
「「怒龍のガオン!!」」
現れたのはドラゴンの頭を持つ巨漢の魔族。四天王の一人『怒龍のガオン』はズシンと割れた扉を踏みしめて勇者たちに近づく。
勇者たちは激戦の直後。もはや体力も魔力も限界に近い。武器を構え戦闘態勢を取るが、この状態で戦えば敗北は必至。
『怒龍のガオン』は床を見る。倒れたまま動かない『空気のソーディ』を一瞥すると勇者に視線を移す。ドラゴンの口が言葉を紡ぐ。
「ふん、『空気のソーディ』を倒したか。だが図に乗るなよ人間ども! そいつは四天王の中でもさい……、」
そこまで口にすると『怒龍のガオン』は目を瞑り顔を上げ天を仰ぐ。その目から涙が一粒落ちる。『怒龍のガオン』は胸から込み上げる熱いものが喉をふさぎ、声を詰まらせる。
『怒龍のガオン』は思い出す。かつてのことを、遠き日の約束を。
◇◇◇◇◇
魔族中学校、2年A組。放課後の教室。
「こんなん、なに書けっつーんだよ」
中学生のガオンは机にだらしなく寝そべり、手に持つプリント用紙をヒラヒラさせる。その紙には進路希望調査と書かれている。
「先のことなんてわっかんねーよ」
「ダメだよガオン。自分の将来のことはちゃんと考えないと」
「はん、ソーディはいい子ちゃんだよなあ」
「えー? ガオンがいい加減なだけじゃない?」
ガオンの側に立つのはソーディ。二人は幼い頃から家が隣同士で、家族ぐるみで付き合いのある幼なじみだった。この日も居残りのガオンに付き合ってまだ教室に残っていた。
ソーディは小首を傾げて言う。
「ガオンは前にサッカー選手になりたいって言ってなかった?」
「サッカー選手かあ。なれたらいいなとは思うけど、それ目指すかって言われると、なーんかな」
「そっか、ガオンはスポーツならなんでも得意だから、バスケとかラグビーとかもいいのかもね」
「いや職業としてスポーツ選手になりたいのかっていうのが、なーんかピンとこねえんだよなあ。で、ソーディはなんて書いた?」
「あ、」
ガオンはソーディの持つプリント用紙をさっと奪う。そして書かれているものを見て目を丸くする。
「は? 魔王軍四天王? マジか?」
「なんだよう、僕が四天王になっちゃダメなの?」
「いや、ダメとは言わんけど、なーんかソーディのイメージと違うんじゃね?」
「僕のイメージってなに?」
「んー、ソーディなら学校の先生とか、幼稚園の園長とか、言いそうだから」
ガオンは椅子に座ったまま隣に立つソーディを見上げる。争うことは苦手でケンカも弱い。線が細い容姿で女の子に間違われるのがイヤだ、と言っているソーディ。それが、
「なんで四天王?」
「それはー、この前、1日ボランティアで魔族老人ホームに行ったじゃない?」
「あんなかったるいのよくマジメにやれるよな、ソーディは」
「とか言ってガオンもちゃんと車椅子押してたじゃない」
「うっせ。で? それが四天王とどう関係あるんだよ?」
「うん、僕たちお手伝いってことだけどあんまりたいしたことできなかったじゃない?」
「そりゃ、介護の専門家じゃねーからよ」
「でもおじいさんもおばあさんも喜んでて、中学生が遊びに来るのが嬉しいって」
「まあ、あーいう施設には家族のいないお年寄りが多くて、寂しい思いをしてるってのは聞いてたけどよ」
「それで僕、考えたんだ」
ソーディはいつものように優しく微笑む。
「もっとたくさんの魔族を笑顔にできる仕事がしたいって」
「それで、四天王か」
ガオンは納得する。四天王ともなれば魔王の側近。様々な魔族の政策に関わることになる。
「となると、魔王軍幹部となれば公務員か。大学出ないとなれないか?」
「うん。よっぽどの特技とか無いと、魔王軍公務員総合職採用試験を合格してキャリア組になるのがいいみたい」
「はー、しっかり調べてんのな」
ガオンは幼馴染みを見上げて感心する。
(ソーディが四天王、ね。意外と合ってんのかもな)
ガオンの知るソーディとは、引っ込み思案で前に出る性格では無い。だが気がつけばソーディの周囲には、いつの間にかクラスメイトが集まっていることが多い
(ソーディはお節介というか、乗せるのが上手いというか、妙に居心地のいい雰囲気を自然に作るんだよな)
まじまじと見つめるガオンに、ソーディは、
「ガオンも将来のこととか、この機会に考えてみたら?」
「おう、考えた。今、決まった」
「え?」
ソーディの目の前でガオンは進路希望調査のプリントをスラスラと書く。魔王軍四天王、と。
「え? ガオンも四天王?」
「おう、なんかおもしろそうだしな」
「そんな理由?」
「ソーディ、お前がフラフラと揉め事に突っ込む度に代わりにケンカしてんの、俺なんだが」
「フラフラとじゃ無いよ。なんか困ってるみたいで気になって、それで」
「だから俺も四天王になるんだよ。で、武力担当が俺で、頭使う仕事はソーディな。ほらいい感じになりそうじゃねえか?」
ガオンの言葉にソーディは、うーん、と少し考えて、ひとつ頷きニコリと笑う。
「うん、じゃガオン、二人で一緒に四天王になろっ」
それを聞いてガオンは意地悪そうにニヤリと笑う。
「一緒に? なに言ってんだソーディ?」
「え?」
「どっちが先に四天王になるか、競争な!」
「えぇー!?」
夕日の差し込む教室で、二人は未来に向かって一歩、歩きはじめた。
あのとき、ソーディと四天王になるという約束を果たすために、ガオンは苦手な学問に取り組むようになる。成績も上がり高校、大学もソーディと同じ学校で共に過ごす。
のちにガオンは先に四天王になり、ソーディが四天王になってからは一年分の先輩風を吹かすようになる。
中学生の頃の夢を、二人は努力で現実にした。
◇◇◇◇◇
四天王、『怒龍のガオン』はその瞳からボタボタと涙を溢す。脳裏にはソーディとの思い出が巡る。いつも邪気の無い笑顔で微笑み、側にいたソーディ。
「ぐ、うぅ……」
だが、『怒龍のガオン』は四天王、魔王の近衛。四天王の1人が勇者に倒されたならば、言わねばならないセリフがある。いにしえからのお約束がある。
『怒龍のガオン』は嗚咽に喉を詰まらせながら叫ぶように言う。
「いい気になるなよ! 人間ども! く、『空気のソーディ』は四天王の中でも、さい、さいじゃ、さいじゃぐふうぅううう!! そ、その程度で貴様らがこの、『怒龍のガオン』にいいい!」
『怒龍のガオン』の発する異様な気配に勇者一行は硬直する。『怒龍のガオン』の嘆きの声は止まらない。
「ソーディは四天王の中でも最弱! だがソーディは誰よりも魔族の未来を真剣に考えていた! 魔族の皆が幸せになるようにと! そのために不断の努力を続ける不屈の魔族! 四天王の中で最も優しく、そして誰よりも気高い魂を持つ男! それが『空気のソーディ』だ!!」
『怒龍のガオン』は叫ぶように言い放つとその場にドシャリと両膝をつく。床に拳を打ちつける。
「なにやられてんだソーディ! お前はこんなところで死んでいい男じゃねえだろうが! おおおおおお!!」
『怒龍のガオン』の、聞く者の胸を引き裂くような慟哭が魔王城を震わせる。
勇者一行は予想外の四天王の友情に動揺を隠せない。
女剣士は勇者に近づき小声でコソコソと。
「な、なあ、勇者。なんだかあたしらが、スゴイ悪いことしたみたいな、気がしてきたんだけど」
「そ、そんな筈は無い。俺たちは人の未来と平和のために戦っていて、だから俺たちが正義で、」
勇者一行は戸惑っている。撤退すべきか、今が『怒龍のガオン』を討つ好機か、判断がつかない。
■■■■■
フィールド効果発動!
『気まずい空気』
この場にいる者は全員、敏捷と器用にマイナス補正。
また、冷静な判断を必要とする行為の判定にペナルティ発生。
■■■■■
『怒龍のガオン』の嗚咽が響く広間に新たな魔族が現れる。勇者一行はローブ姿の魔族に驚く。
「あれは!?」
「「策謀のデイスノー!!」」
皺深い高齢の魔族。四つの目を持つ魔王軍の知将。四天王の一人『策謀のデイスノー』はローブの奥の四眼を妖しく輝かせる。
「……勇者よ、『空気のソーディ』を倒したか……、だがソーディは四天王の中でも最弱。これで我ら四天王を倒せるなどと勘違いしてもらっては困る」
勇者一行が身構えたまま見つめる先で、『策謀のデイスノー』はしわがれた声で言葉を続ける。
「……ソーディは四天王の中でも最弱。しかしソーディの魔法の素質には見所があった。ワシの開発した禁呪、殺戮言語永久機関を操れるようになるのは、ソーディしかおらんだろう。……ワシは、ソーディのことは弟子とも、孫のようにも思っておった……」
『策謀のデイスノー』はうつむき目頭を抑える。苦渋の滲む声で呟くように。
「……ソーディ、この老いぼれより先に逝くとは……、バカもんが……」
嘆くデイスノーとガオンを見て、勇者は困惑する。
「あれ? 魔族って、意外と仲良し?」
勇者一行が戸惑っている間に広間に三人目の魔族が現れる。肌を見せつけるような露出度の高い服を着た、美しい女の魔族。
「あれは!?」
「「無尽のクラディア!!」」
膨大な魔力を持ち、尽きること無く立て続けに高度な魔法を操る四天王の一人、『無尽のクラディア』は広間に入ると、
「ソーディ……」
血溜まりに倒れ伏す『空気のソーディ』を見て顔を青ざめさせる。肩を震わせながら勇者一行をキッと睨む。
「よくぞこの魔王城まで来たわね、勇者ども。『空気のソーディ』を倒したようだけど、ソーディは四天王の中でも最弱。その程度でこの『無尽のクラディア』に勝てるつもり?」
余裕のあるポーズで勇者一行を見下ろすクラディア。しかし、ここまでが限界だった。
「ソーディは四天王の中でも最弱。だけどね、事務とか書類仕事はメッチャ丁寧で速いのよ!」
その目からポロポロと涙を溢し、『無尽のクラディア』は震えながら叫ぶように言う。
「あたしが書類仕事を苦手で溜め込んで、魔王様に怒られて今日中に終わらせろって言われて、こんなの無理ようって泣きながら残業してたとき、黙って手伝ってくれたのがソーディなのよ! あたしの顔見て、『肌が荒れてるよ? ちゃんとビタミン取ってる?』って、あたしのこと心配して、ついでだからってお弁当作ってくれたのもソーディよ。ソーディはね、四天王の中で一番弱いけど、だけど四天王の中で女子力最強なのがソーディなのよ!」
『無尽のクラディア』は言い放つと、虚ろな瞳でフラフラと床に倒れ伏すソーディに近づいていく。
「……ソーディ、もう、あんたのお弁当、食べられなくなっちゃったの?」
広間には四天王の残り三人が集い、ガオンは男泣きに泣き、デイスノーは片手を顔に当てたまま無言で俯き、クラディアはペタンと床に膝をつき、しくしくと泣きながら呟いている。
『空気のソーディ』を失った嘆きは重く広間を埋めつくし、誰もが押し潰されそうな悲哀に耐えている。
勇者一行は混乱している。
「え? あの、なんだこの空気? 相手が魔族で、俺達の敵で、だから戦っていて、でも魔族にも友達とか仲間とかいるんだな。いやそれでも人と魔族は闘っていて、だから俺達の敵で、なんでこっちが悪者みたいになってる?」
■■■■■
フィールド効果発動!
『痛ましい空気』
場にいる者全てに毎ターン、メンタルダメージ発生。
また、場の空気を読めない発言をした者は全ての能力値にマイナス補正。
■■■■■
勇者一行が戸惑いを隠せずオロオロする前で、『怒龍のガオン』はフラリと立ち上がる。
「悪いなデイスノー、クラディア。魔王様にすまねえって伝えておいてくれ」
「おい、ガオン?」
「俺は、ソーディのいない魔王軍にも、四天王にも、何の未練も無いからよ」
立ち上がったガオンの身体の奥から、プツン、ブツン、と何かが千切れる音がする。『策謀のデイスノー』の顔が青ざめる。
「まさか? やめろガオン! おいクラディア、お主もガオンを止めろ!」
「……そうねえ」
デイスノーに呼ばれた『無尽のクラディア』はユラリと立ち上がる。その目には妖しい危険な輝きがある。
「人間とはまだ交渉の余地がある、とか言ってあたしを止めてたのがソーディだもんね。そのソーディがいなくなったら、あたしを止めるの、いないじゃない?」
「おい、クラディア? お前まで!?」
両手を開き立つ『無尽のクラディア』
その手に魔力が集まり空間に印を描き始める。赤く空間に浮かぶ高度な広範囲高威力の攻撃魔法陣。
「あたしを縛る唯一の鎖を奪ったことを、後悔するがいい。――死刻を告げよ忌獄の従者、精霊の中の精霊、月の精霊の名のもとに、苦界を狂月の白光で満たせ。シャドウ・バルシュモス・ハシャール・ササン……」
「やめんかバカモン! 止まれクラディア! ガオン!」
『策謀のデイスノー』は叫ぶが、その声はもはや聞こえぬように『無尽のクラディア』は呪文を歌い魔法を紡ぐ。『怒龍のガオン』の身体からは鎖が引きちぎられるような異様な音が弾け、その身体は常軌を逸した暴力の気配と共に膨れ上がる。
「封印解除、怒龍解放」
圧倒的なまでの暴龍の気配に危険を感じた勇者は正気を取り戻す。
「うわわ、て、撤退! 帰還魔法!!」
間一髪、勇者一行は帰還魔法で魔王城を脱出した。
直後、怒龍の暴力と無尽の魔法が魔王城を揺るがす。
◇◇◇◇◇
魔王城、作戦会議室。
「はい、反省会を始めまーす」
不機嫌な顔で魔王は円卓に座る四天王を見ながら話す。
「先ずは報告。四天王の一人『空気のソーディ』だが、蘇生は間に合わなかったもののアンデッドとして復活に成功した」
円卓に座るソーディは申し訳なさそうに肩をすくませている。魔王はソーディを見て、
「ソーディはアンデッドになってしまったので日光に弱くなった。今後はなるべく外に出ないようにソーディの職務を見直すとして」
次に魔王はガオンとクラディアをジロリと見る。
「俺の到着を待たずに先走ってブチ切れて暴れ狂ったそこのバカ二人、三ヶ月減給」
「「えぇー!?」」
「えぇー!? じゃねえよ。ああ? ガオン、クラディア、お前らがぶっ壊した城を建て直すのにいくらかかるか分かってんのか?」
魔王城は半壊している。堅牢な城壁は怒龍の力を解放して暴れるガオンと、クラディアの攻撃魔法の連続発射に耐えられなかった。
この作戦会議室も天井に穴が開き青空が見える。暖かな日差しが差し込んでいる。
日光に弱いアンデッドになってしまったソーディは、日傘の下で申し訳なさそうに小さくなっている。
「あの、ごめんなさい、僕の為に」
「ソーディは悪くないぞ。謝らなくていい。ソーディはちゃんと務めを果たしたんだから」
魔王はソーディを労るように優しく言い、直後にガオンとクラディアを冷たい視線で射抜く。
「悪いのはそこのバカ二人だ」
「あのー、魔王様、俺も四天王として務めをしたわけで」
「そうです魔王様。これは勇者と戦った余波で、その、不可抗力というものよ」
「あぁ? 不可抗力だ? だったら勇者がいなくなったあと、復活したソーディが止めるまでボカンボカンと景気よくぶっ壊してたのはなんなんだ?」
魔王の追及にガオンとクラディアは返す言葉が無い。魔王はやれやれと。
「代わりに城を直してくれんなら減給はかんべんしてやるが? できんのかお前ら?」
「「しょぼーん」」
「ちゃんと反省しろ。まったく。それと魔王城に来た勇者と戦う順番だが、今後はソーディを一番最後にする」
魔王の言うことに『策謀のデイスノー』は口を挟む。
「ですが魔王様。勇者と戦う順については、四天王の中で序列が下の者から一人ずつというのが、いにしえからの慣例ですが?」
「その慣例を律儀に守って、また俺の城を壊されても困るんだよ。ソーディが一番最後、これは決定だ。先鋒がガオン、次鋒がクラディア、中堅がデイスノー。おい、聞いてるのか?」
魔王が見る先、ガオンとクラディアはブツブツと呟いている。
「あー、減給か、キッツいなあ……」
「どーしよ、赤純魔石のローンまだ残ってるのに……」
「車検の前に新車買うつもりだったんだがなあ……」
「来週はミキの結婚祝いもあって、なんであたしが結婚する予定は無いのに、結婚祝いを払う予定だけは続くのよ、理不尽だわ……」
減給にショックを受けた二人は己の金策に頭がいっぱいだった。見かねたソーディが日傘の下から声をかける。
「あの、ガオンもクラディアも、ゴメンね、僕の為に。それで、あの二人とも僕んちにご飯食べに来る? 食費、ちょっとは浮かせるよ?」
「お、助かる!」
「いいの? あたしがソーディんちに行っても?」
「おいソーディ、あんまり二人を甘やかすな」
「でも魔王様、生活苦で二人がコンディションを崩したら、四天王の戦力が大幅に下がりますよ?」
「むうぅ、」
「それに、僕は四天王の中では一番弱いけど」
四天王の一人『空気のソーディ』は日傘の下で柔らかく微笑む。いつものように。
「料理の腕なら四天王の中で最強だから」
魔王と四天王の残りの三人は、ソーディの笑顔を見守り、ほっこりとする。
■■■■■
フィールド効果発動!
『平穏な空気』
魔王軍全軍は体力、魔力が毎ターン微量回復。
また、戦闘に関わらない全ての行為の判定にボーナス発生。
■■■■■