電装戦隊ライデンジャー X話「真紅の戦慄 逆襲の麺類!」②
※※※※※
「なぜなにライデンジャー!」
「栃木県にお住いのにーぬまけんじくん5才からのお便りです。『どうして秘密結社レヴォルトは地球征服を狙っているのですか?もしかして税金対策ですか?』とのお便りですが悪の組織が税金対策を目的とした世界征服を企むなんて、最近の子供は夢がないんだね……スマホの予測変換がそうさせたのかな?まあ私情はこの辺にしておいて、秘密結社レヴォルトは地球征服をしたいから地球征服を企んでいるんだよ……決して税金対策なんかではないよ。けんじくん、少し賢くなったかな」
「以上、なぜなにライデンジャーのコーナーでした」
※※※※※
翌日、採石場にはメキシコの荒野じみた風景が広がっていた。吹きすさぶ風がこれから起こる激闘を予感させる。
そして今、秘密結社レヴォルトと電装戦隊ライデンジャーが集合していた!
「ククク……ライデンジャーよ、よく敗北を恐れずに採石場にやって来たな……流石は秘密結社レヴォルトと敵対する者ではあるな」
マジェスティ大佐はライデンジャーに向かって不敵な表情を浮かべる。
「麺類の地球侵略なんて断じてさせない! 覚悟しろ!」
竜牙はマジェスティ大佐に対決姿勢を見せた。
「ほう、その心意気は立派だ……褒めてやろう。しかしこいつを見てからそれを言えるかな!?」
マジェスティ大佐の言葉を受けて採石場の物陰から、ゆらりと今週の怪人が現れた!
「ハロー、ライデンジャーの皆さん……私はレヴォルト怪人、ヌードルレヴォルトです」
ヌードルレヴォルトはヌードルの怪人化じみた姿をしていた。この姿は正しく人類に対する冒涜だ!
「お前が今回の犯人か!お前のせいで麺類がトラウマになった子供が出てきたらどうしてくれる!」
怒りに燃えるライデンジャー!
「最近の奴らは食事のありがたみで感謝しないどころか訳知り顔で文句をつけるような人間ばかりです。それ故に私が麺類を代表して人類を粛清するのです。これは聖戦です」
「それは傲慢よ! 家庭の食卓を恐怖のどん底に突き落とすことは許さない!」
夏凛は中華料理屋の娘として怒りに燃え上がった!
「全ては麺類の栄光の為に……ライデンジャーよ、いつでもかかってこい!」
「来るぞ! みんなライデンチェンジだ!」
ライデンジャーのメンバーはヌードルレヴォルトの声に危機感を感じライデンブレスを構えた!
「「「「「「ライデンチェンジ!」」」」」
ライデンジャーのメンバーは雷鳴とともに光に包まれる! そして光がやんだ時そこには五色の戦士の姿があった!
「真紅の稲妻!ライデンレッド!」
「蒼き稲妻! ライデンブルー!」
「黄色い稲妻! ライデンイエロー!」
「深緑の稲妻! ライデングリーン!」
「桃色の稲妻! ライデンピンク!」
「きらめく正義の稲妻! ライデンジャー!」
爆発音!
「ライデンジャーに変身したか! ヌードルレヴォルトよ! ライデンジャーを倒すんだ!」
「マジェスティ大佐、了解しました!」
マジェスティ大佐の言葉を受けたヌードルレヴォルトはどこからともなく取り出した鞭でライデンジャーを狙う!
ビュゥン! 恐ろしい風切り音だ!
ライデンジャーは跳躍回避した!
「ほう、簡単にやられはしませんか! 禁断の秘技ヌードル乱射!」
ヌードル弾丸を連続乱射するヌードルレヴォルト! ライデンジャーはこれにはたまらず食らってしまう!
「ウワーッ!」
ヌードル弾丸を受けたライデンジャーの姿を見てヌードルレヴォルトは思わず嗜虐的な声を上げる!
「私のヌードル弾の味はどうですか? このヌードル弾はライデンジャー用に特別なヌードルを使っているのですよ……そう、沖縄は南大東島発祥の、大東そばをね!」
「クソッ! まさかの沖縄そばか!」
ライデンジャーは大東そばのしめつけに苦悶する! しかしヌードルレヴォルトは決して油断せず鞭でライデンジャーをいたぶる!
ビュゥン! ビュゥン!
「ウワーッ!」
このままでは負けてしまうぞ! どうするライデンジャー!
「このままでは麺類に負けてしまうわ……どうすれば……この状況を打開できるのかしら!」
ライデンピンクは大東そばの締め付けに体力を奪われながら打開策を考える!だが体力がいつまでもつだろうか! そう考えたとき突如、電撃的な天啓が降りてきた!
(そうか……そういうことだったのね!?)
「ウフフ……」
不敵に笑うライデンピンク!
「何がおかしいのですか! ライデンジャーはもう終わりです!」
「たとえ動く麺類だとしても……所詮は食物、食べてしまえば問題ないわ!」
そう言ってライデンピンクはメットオフした! そしておもむろに大東そばを食した !
ズルズルーッ! 大東そばをすする音が採石場に響き渡る!
「バカな! あの大東そばをわざわざメットオフして食すとは! ライデンジャー、恐ろしいやつ!」
マジェスティ大佐は思わず驚嘆した!
「そうか……その手があったか! 麺が締め付けるという異常事態に目を奪われていてその発想に気づかなかった!」
ほかのライデンジャーのメンバーもメットオフして大東そばをすすった!
「これで形勢逆転だな!替え玉をもらおうか!」
「よくも私の大東そばを!ライデンジャー、許しませんよ!」
怒りに燃えるヌードルレヴォルト!荒ぶるヌードル弾を乱射する!
「ここはワシに任せろ! ヌードル捕獲装置作動!」
そこに久宝寺博士が躍り出て謎の装置が作動するボタンを押した! ポチッとな!
するとヌードル弾が巣こいまれるようにかごの中に入ってくる!
「久宝寺博士! さすがは孤高の天才科学者、ヌードル弾の対策が速い!」
「ぐぬぬ……ヌードル弾が封じられましたか! しかし、私には鞭があります!」
「みんなプラズマライデンバズーカの用意だ!」
「OK!」
そう言うとライデンジャーのメンバーはプラズマライデンバズーカを組み立てる!あっという間に組み立てて砲撃準備が整った!
「食らえ! プラズマライデンバズーカ!」
プラズマライデンバズーカから飛び出したプラズマ弾丸はまっすぐヌードルレヴォルトに向かって飛んでいき、ヌードルレヴォルトに直撃!
「これで勝ったと思わないことですね……いずれ第二、第三のヌードルレヴォルトが現れるでしょう!その時まで首を洗って待っていなさい! サヨナラ!」
そしてヌードルレヴォルトは爆発した! ライデンジャーの勝利だ!
「おのれライデンジャーめ! 次は必ず勝ってやる!」
捨て台詞をはいてマジェスティ大佐は逃亡した!
「地球は麺類の侵略から救われた……」
ライデンジャーは安どの表情を浮かべるのであった。
※※※※※
数日後、久宝寺研究所。ヌードルレヴォルトの置き土産の麺を一生懸命すするライデンジャーのメンバーがいた。
「この麺類だけでわんこそばができるわい!」
久宝寺博士はご満悦だ!
そして調理場には夏凛の姿があった。元気いっぱいに麺類をゆでる姿はあまりにも可憐だった。
「いっぱい食べてってね!」
なんて平和な日常だろうか!
ライデンジャーは何とか麺類の侵略を撃退することができた。しかし、ご飯を大事にしない人類がいる限り麺類は再び反逆を企てるだろう……戦え! ライデンジャー!