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電装戦隊ライデンジャー X話「真紅の戦慄 逆襲の麺類!」①

地球の平和を守るために戦う電装戦隊ライデンジャーと地球征服を企む悪の秘密結社レヴォルト。地球の運命をかけて激しい死闘を繰り広げていた。

 しかし、今回はどこか様子が違っていた。


「クソッなぜ忌々しいライデンジャーに勝てぬのだ!」

 開幕から怒り心頭に達しているレヴォルト大幹部マジェスティ大佐!腹立ちを部下にぶつける!

「まぁまぁ、マジェスティ様、落ち着いてください」

 怒れるパラスティクールを嗜める一般部下たち!

「そうですぞ、我が秘密結社レヴォルトのスーパーAIのシミュレーションでは百戦百勝……どこかでおかしいことになっているのです」

 マジェスティにスーパーAIのシミュレーションの戦果を語り慰めるゲタレード博士! 正直、その慰め方はおかしい!

「このバカが! 実戦に勝てなければ意味がないわ!そんな戯言をわめいてるんだったら次の作戦を考えろ!」

 パラスティにお叱りの言葉を受けるゲタレード博士!しかし、博士は不敵な笑顔を浮かべた。

「マジェスティ様、実はすでに次の作戦を実行中です……近日中にいい結果が出ると思われていますぞ。スーパーAIの評価値も高い……レヴォルトの勝利が期待できますぞ」

「もう、作戦を実行中か……ゲタレード博士、作戦内容を教えろ」


 ライデンジャーに危機が迫りつつあった!危うし!


※※※※※


 一方、レヴォルトの陰謀を知らない電装戦隊ライデンジャーは平和な日常を過ごしていた。

「出前、出前、楽しいな~♪」

 家業の中華料理屋「宝来軒」の手伝いに勤しむライデンピンクこと本条夏凛は元気に出前用の自転車を走らせている。

 出前先は、3丁目の小池さんのお家だ。小池さんは味噌ラーメンを出前に頼んだのだ。小池さんは宝来軒の常連なので夏凛も張り切って自転車をこいでいる。

 小池さんの住むアパートがたどり着き、小池さんの部屋に味噌ラーメンを届ける段階に入りチャイムを鳴らした。

 ピンポーン!

「ギャーッ!」

 その時、小池さんの隣の部屋から悲鳴が上がった!一体何があったんだ!

 小池さんが慌てて部屋から飛び出てくる!

「この悲鳴はお隣の真田さんだ!一体何が起きたのだろう!」

とりあえず小池さんと夏凛は真田さんの部屋の様子を見ることにした。するとそこには驚愕の光景が広がっていた。

「真田さんが……パスタに縛られている!?」

 あまりにも異常な事態だった。さすがの夏凛もあまりの事態に混乱を隠せないでいた。

 すると、突然、岡持ちの中から味噌ラーメンの麺がまろびでてきたではないか!

「ウワーッ!味噌ラーメンが襲ってきた!」

 小池さんは脳が混乱した!とっさに夏凛は小池さんに当て身を当てて気絶させた。あまりにも冒涜的な風景で小池さんの精神状態に悪影響を及ぼしかねないからだ!

 しかし味噌ラーメンの麺はジリジリと夏凛に迫りつつあった!これは危険だ!

そこに光線銃が飛んできて味噌ラーメンの麺は倒れた!そこにいたのはライデンレッドこと神崎竜牙だった!

「夏凛、大丈夫か!? 今から久宝寺研究所に向かうぞ!」

「うん……」


※※※※※

 久宝寺研究所、それは工学博士、久宝寺光文博士が設立した研究所であった。そして、久宝寺研究所の地下には秘密結社レヴォルトに対抗するために作り上げたライデンジャーの秘密基地が存在するのだ! そこはかとなく建設法に違反しているような気がするので久宝寺博士は気が気でない思いをしている。

久宝寺研究所地下、ライデンジャーベース。緊急招集を受けたライデンジャーが集合していた。

 普段は久宝寺博士の助手を務めているライデングリーン、洞口慎二がホワイトボードで麺類の人類への襲撃事件の記録報告を書きこんでいた。正直、あまりの事態に事実を受け止めていないような表情であった。

「ついにレヴォルトが壊れてしまったか」

 ライデンイエローこと園城寺巌はどこか遠い目をしていた。

「でもなんで麺類が人類を襲わせるようにしたのだろう……ボクにはわからないよ」

 ライデンブルーこと、大崎要は必死に笑いをこらえていた。

「ワシも目的がわからない……レヴォルトの奴らめ自らの科学力を悪用して何を企んでおるのじゃ」

 久宝寺博士も頭を抱えていた。レヴォルトの作戦があまりにも突飛かつ冒涜的で意図が不明だからだ。

 ライデンジャーのメンバーが頭を抱えている中、突如モニターがハッキングされた!

「また秘密基地のモニターがハッキングされたぞ!」

 モニターが一瞬ノイズまみれになった後、モニターにはマジェスティ大佐が映し出された。先ほどまでのぶち切れ金剛とは打って変わって大幹部らしい毅然とした表情である!

『ライデンジャーの諸君、我々秘密結社レヴォルトのプレゼントを喜んでくれたかな?』

「頭を抱えさせてもらったわい!」

「ほう、それは良かった……さて明日の正午きっかりに麺類の人類総攻撃を仕掛ける……それを止めてほしかったら採石場に来い……たっぷり可愛がってやるからな」

「くっ、宣戦布告か!ワシらをナメよって!」

「それでは失礼するよ……採石場で吠え面をかくライデンジャーを楽しみにしている」

そう言うとモニターはノイズまみれになり元に戻った。

「ライデンジャーが戦わなければ人類は麺類に制圧されてしまう!絶対に勝たなければ!」

 竜牙は悲痛な表情で戦う意思を誓った。

 人類と麺類の命運をかけた戦いが始まろうとしていた!

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