銭湯の夢
実話3割 ガチで見た夢の景色6割 妄想1割
私は裏路地を歩いていた。
裏路地と言っても埃っぽいくらいでゴミなど行く手を阻むものがある訳でもない。あるのは空気口のパイプと外付けの換気扇くらいだろう。
焼肉屋が隣の建物だろうか、焼肉の匂いがしていい匂いがする
私(お腹空いた…)
とある特番でピンクのベストを着た芸人がコメを持って言ったことを思い出す。そして怒られていた
私は懐かしい感覚を思い出しながら路地をひたすら進む
しばらく進むと路地は口を開いて住宅街に出る。
そこは古い田舎の街並みだった。
家の一軒一軒が木造建築で、少し塗装が剥がれている。近くに行くと、ヒノキのいい匂いと、味噌汁の匂いがする。
周りを見ると壁が多く、迷路に入ったかのような錯覚を起こす。
進んでも進んでも家しかない
さんさんと輝く太陽は私の体を照りつけて服が汗で蒸れる
私(暑い…)
暑いのは私は苦手だからもはや苦痛にも感じる。太陽は真上にあるから家の影を使って日向ぼっこも出来ない
しばらく日光による拷問を耐えると家の壁が終わりを迎える。
私が横をむくと銭湯があった。近代的な温泉ではなく、これも古い木造建築でよく見ると少しばかり壁は汚れている
銭湯の上を見ると煙突から煙が出てきており、風邪で煙が揺れている。
私(銭湯に入って少し休憩しよ)
この汗を吸っている服を脱ぎたいので暖簾をくぐって銭湯の中に入る
銭湯は土足禁止なようで私は靴を脱いで、靴箱に靴を入れる
靴箱には私の靴以外はなかった
靴下で銭湯のロビーの絨毯をふむと少しくすぐったくて変な感覚にな。
そしてロビーを見渡すと、木のパイプで作ったであろう、少し空気が通るような椅子、何個かのスイッチが使えなくなってる券売機、上手く首が振ずにガタガタと少し壊れそうで怖い扇風機、コーラやぶどうジュースの瓶が売っている縦に六個スイッチがあって栓抜きがある瓶の自販機、様々な味の牛乳瓶が入っている冷蔵庫があった
まるで懐かしさというか懐古の匂いを感じる
しかし、違和感はある。周りに人が一人もいないのだ
テレビを見る。普通にバラエティーの特番がやっている。2人組の芸能人が無人島に行くという特番だった
テレビを見たいという好奇心に後ろ髪を引かれつつも、汗でベタついた服の気持ち悪さに勝てなかった
浴場と書かれた看板がある通路へ進もうとするが、眼前に黒いもやもやが広がる
一歩下がるとそのモヤは晴れる
私「チケットか…」
ボソッと呟いて券売機に向かう
大人 子供 あかすり サウナ etc…
様々なチケットがある
せっかくならと私は少し高いが全ての施設が使えるフリーチケットを購入する
私
3000円もしたのは想定外だがゆったりするならと割り切って私はチケットを取る
私 (どこに出せば…)
キョロキョロと見渡すとカウンターに木箱が置いてある
木箱には【券はこちらにお入れ下さい】
と書かれており、箱の上は券を入れる隙間があった
チケットを入れると後ろからかたんっと何かが落ちると音がする
後ろを振り向くと桶が落ちていた。
桶の中にはタオルや、髭剃りなど銭湯にいつも持っていくものと紙切れが入っていた。
紙切れを見ると【お客様、ご自由にお使いください】と書かれていた。
私
気にはなりながらもせっかくなら使うかと桶を持ってもう一度浴場への通路へ進む
今度は黒い霧は出てこなかった
私(ゲームみたいな仕組みやな…)
考えるのをやめて男湯に入る
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更衣室の中はこれまた見た事ある風景のままに、棚の中に着替えを入れるプラスチックの籠と木のパイブ椅子、洗面台とある。
籠を見るが、他の人の荷物や着替えは1個も無かった。
私(貸切かな…)
服を脱いで着替えを籠に入れる
半袖は思ったより汗を吸っていたらしく、私の体にじめっとした感覚が強くまとわりつく。
私(少し水飲みたい…)
汗が体から放出されたからか、少し喉の乾きを感じる
上半身裸だが、汗を吸いきった半袖をまた着たくは無い
そのままロビーの水飲み場に行こうか少し考える
私「誰かいますかー?」
脱衣所から大声でロビーに向かって叫ぶが返事はない
私
上半身裸のままロビーに向かう
私(少し恥ずかしいし変な感覚…)
夢の中だからか普段出来ない事も平気でできる。人はいないし自制も効かない
水飲み場で少し水を飲むと思ったより脱水してたからか水を飲むと体に潤いが巡る
私「…がぼっ!!」
水を勢いよく飲んだからか水が入っては行けないところに入った
私「ごほっ!!えほっ!!」
しばらく蒸せて喉の中にある水を出そうとする
私(死ぬかと思った…学校のプールってこんな感じだった…)
口を拭って脱衣所に戻る…
ズボンと下着を脱いでわたしは財布を手に取る
私(財布は…)
見渡すと鍵付きのロッカーがそこにはあった。
私
財布とスマホをしまって鍵を閉める
私(早く入ろ…サッパリしたい…)
浴場への扉を開く
浴場はかなり広く、下手をすれば学校のプールくらいの大きさではないかというほど大きい。
しかし、種類が多い訳ではなく、1つプールくらいの大きさがあって、他はつぼ湯や色がついた湯があるくらいだ。
私(広すぎでしょ…外から見た時こんなにあったっけ…?)
少し疑問に思いながらも掛け湯をしてシャワーの前の椅子に座る
私(よかった…シャンプーとボディーソープはある…)
シャンプーを手につけて泡立てるとお茶のようないい香りが漂う
私(なかなかいい匂い…)
私は髪と体を洗う
ベタついていた汗はすっかりなくなり、体はスッキリとした爽やかさを感じる
私(ここのシャンプーめっちゃいいな…欲しい…)
タオルで股間を隠して、浴槽に向かう
私(にしてもなんでこんなに人いな)
私「あっつ!!」
大浴場に足をつけるが、かなり高めの温度に設定していたらしく、思わず声を出してしまう
私(熱すぎでしょ…私熱いお湯苦手なんだけど…ここはまた別の時にしよ…)
大浴場を去って、色がついている湯に向かう
私(これって日替わりとかそういう奴?)
看板を見るが掠れていて文字がほぼ見えない
お湯は白色に濁っていた
湯に手をつけるが熱すぎず、ぬるすぎないちょうどいい温度だった
私(これくらいがちょうどいい…さっきのは漢とかおじいちゃんが好きな温度な気がする…)
私はなにかわからない湯にゆっくりと浸かる
私「あーーー…」
思わず声が出てくる
私(気持ちいい…)
これがなんの湯かは分からないが、気持ちいい。
私(今思えばなんで人いないんだろ…まあいいか…)
ぼーっと湯に浸かる
私(誰もいないし少し行儀悪いことしちゃおうかな…)
髪を湯につけて顔だけ出すような姿勢をとる
私(あー…悪いことめっちゃしてる…怒られるやつだー…)
にやにやしながら私はしばらく湯に浸かる
…ざばっ!!
勢いよく顔を上げて私は上体を起こす
私(すごいいい湯だった。)
色つきの湯から私は出て、次はどの湯に入ろうか考える
私(…あれ?)
大浴場にさっきまでなかった桶があった
私(いつの間に…?)
桶の中には紙が入っていた
【お客様、湯の温度を調整いたしました。また、本日男湯はお客様しかいないのでお楽しみください。】
紙にはこう書かれていた
大浴場に手をつけると確かに、適温だった。
私「あ、ありがとう…」
私は少し困惑しながらも湯に入る
私
当然かのように髪をつけて私はぷかぷかと浮かぶ
私(誰もいないっていいな…好き勝手できる)
大浴場で背泳ぎをして泳ぐがパチャパチャと音が鳴るだけでほかの音はほぼしない
私(…楽しい)
ひたすら泳いで程よいタイミングで体を起こす
私(誰もいないのは自由やけど寂しいな…まあいいや)
大浴場を出てサウナに向かう
私(サウナってあんま入らないんよね…)
サウナに入ると熱波が私を襲ってくる
私
暑いのが苦手だが、決して嫌な暑さではなく、耐えれるようなものであった。
私「…」
基本的にサウナでは他人とがまんくらべをする入り方だが、今回は人はいない。1人でぼーっと汗をかく。
私「…」
…
…
私
いつの間にかサウナの中で少し眠っていた
私(頭クラクラする…)
ふらついたままサウナから出る
私(一旦水飲みたいし外でよ…)
脱衣所に向かい、私は違和感を覚える
私(浴衣…?)
私の荷物を入れた籠の中には浴衣が畳まれておいてあった
私(なんで…?)
その浴衣は白い生地に水色の縦線が入っており、服のサイズにピッタリだった。
私「…」
疑問に思いながらも脱水を起こしており、まともな思考が働く訳もなく、水が欲しかった。
髪と体を軽く吹いて少し水が垂れてるのを気にしないで浴衣を着る
そして脱衣所に行き、牛乳が売ってるケースの前に立つ
財布から小銭を取り出してコーヒー牛乳を買う
私(ボトル開けがない…)
アイスピックのような先が鋭いボトル開けがいるタイプで、あれがないと蓋があかない
私「開かない…」
カウンターに向かって瓶を差し出すと瞬きをした時に目の前にボトル開けが出現する
私「ありがとう」
この状況に慣れてきたのか私は普通にボトル明けでびんの蓋を開ける
私「美味っ…」
一口飲むとキンキンに冷えたコーヒー牛乳が体に浸透して私の体を癒す
まだ意識ははっきりはしていないのでテレビの特番を見ながらコーヒー牛乳をちびちびと飲む
私「…」
しばらくテレビを見てると私の膝の上に猫が乗っかる
私(…猫?)
猫「ニャー」
猫は私の膝の上で丸くなる
猫は黒猫だが、毛は整っており、清潔で高貴な印象を受ける
私(撫でたい…)
猫「ニャ」
猫は私の手に頬を擦り寄せる
私「撫でていい?」
猫「ニャ」
猫は私の目を見て鳴く
私(言葉が通じるのかな…)
片手で猫の背中を撫でる
毛並みはフサフサとしており、とても撫で心地がいい
私「可愛い…」
猫「ゴロゴロ…」
猫は喉を鳴らして私に身を委ねている
私
急に眠気が襲ってきて、私はコーヒー牛乳を椅子において背もたれに寄りかかり、眠りにつく。
猫「ニャー」
瞼を閉じて意識が落ちる前に急に膝の上の猫が重くなった気がした…
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…
私(涼しい…)
何故か風を感じる
私(なんか柔らかい…というか上向きで寝たっけ…)
感覚的に上向きでいるのが分かる落ちた時は座っていて膝上に猫がいたから体勢が変わっている
私「ん…」
目を開けると天井が見える
「おはよー」
私「おはよう…!?」
天井を見ていたが、視界に女の人の顔が映る
「よく眠れた?」
私「え、えぇ…」
上体を起こそうとするが、肩を掴まれて起き上がることが出来なかった。
「ダメだよー?」
視界の中にいる女性はにやにやしながら私を見る
顔は整っており、黒髪黒目と日本人であることが分かる。
後頭部に伝わる柔らかい感触でその女性の膝に私は頭を乗せていることが分かる
私「えーと…どなた?」
私は上を向いたままその女性に聞く
女性「えー?あんだけ私の体撫で回してたのに忘れたの?」
私「体…?」
思い返すが女性の体を撫で回した記憶はない。
女性「寝る前にあんだけいやらしい手つきで触ってきて…可愛いって言ってくれたし…」
私「…え?」
ありえないと思いながらも聞く
私「あの猫?」
女性「そうだよ」
女性は私の頭を撫でる
私「ん…」
女性「ふふ…お返しだよ」
私「さっき君は自分のことを猫って言ったよね…?」
女性「そうだよ?ほら…」
女性の頭の上に猫耳が生える
私「えー…すご…撫でていい?」
女性「いいよ…」
私は女性の耳を撫でる
女性「ん…気持ちいいねこれ…私はここの従業員だよ?まあお兄さんが初めての客だけど…」
私「へー…」
女性「私は猫又…よろしくね?お兄さん」
私「猫又?妖怪の?」
猫又「そう…あの猫又」
私「猫又ってこんな可愛いんだね…」
猫又「っ…」
猫又はそっぽを向く
猫又「そういうこと急に言うのは卑怯だと思うんだけど?」
私「そう?」
猫又は頬を膨らます
私「もうそろそろ立っていい?気持ちいいけど少し腰が痛い…」
猫又「ああ、いいよー…」
私は起き上がって椅子に座る
猫又は浴衣を着ており、スタイルはとてもいい。妖艶と言うべきか見る人全てを引きつける美貌を持っている。
猫又「なに?私をじーっとみて」
私「いや?とても美人だなーって…」
猫又「ふふ…ありがとう」
猫又は耳をピコピコと動かす
私(耳って感情とリンクしてるのかな…)
猫又「♪〜」
猫又は陽気に鼻歌を歌いながらカウンターに向かう
私「…」
猫又の後ろ姿を見てるとしっぽが2本生えていることがわかる
私(本当に妖怪の猫又なんだ…)
軽く伸びをして私は気分転換に銭湯を少し散策しようと辺りを見回す
私(ここの見取り図…ここゲームコーナーやレストランとか色々あるんだ…風呂はまだいっかな…時間あるし遊ぼ…)
通路を渡これはなかなか…)
ゲームコーナーはクレーンゲームやパズルゲームの筐体、パンチングマシーンなどがあった。全て色褪せており、とても古いものだった。
私
テトリスの筐体の椅子に座り、100円を入れる
私(どこまで行けるか…)
私は無心でテトリスのゲームを進める
私(よし…20レベル…)
早速落ちる速度がMAXの20レベルへと到達する
私(ここからは完全に己との勝負なんよな…)
ひたすらゲームを進める。無心で落ちてくるブロックを操作して列を作っていく
私「あ…」
膝の上に黒猫が乗った
私はそちらに意識を取られてブロックが上に積み上がる。そしてゲームオーバの画面が出てくる
猫又「お兄さんひまー!!」
猫又は猫の姿から人間の姿になって私の膝の上に座る
まるで私を椅子として見てるかのように私に体を預けて私にもたれかかってくる
私「猫又さん…」
猫又「さん付けいらない」
私「あー、猫又…遊んでたのに…」
猫又で前が見えずらいが、体勢をずらしてランキングに名前を打ち込む
猫又「次私やっていい?」
私「いいよ…」
猫又「ん〜♪」
猫又は100円を入れてゲームを始める
私(いいけど膝上でやられると…)
猫又は楽しそうにゲームをやるが、膝上で揺られるとなかなか堪えるものがある…
私
後ろから猫又の腹に手を回し抱きしめる
猫又「ふにゃ!?」
猫又はびっくりしたのか台から手を離して固まる
私(めっちゃいい匂いする…それに暖かい…)
猫又「お、お客さん?何やって…」
私(こんなにスタイルいいのすご…首元とかすごい綺麗…)
猫又「ねぇ?ちょ、だめですよ?」
私
匂いに当てられてか頭がぼーっとしてくる
私(この肌傷付けたい…)
猫又のうなじを噛んで歯型をつける
猫又「…//」
猫又は顔を真っ赤にするが何も言わない
私「ふふ…一旦これでおしまいね…」
猫又の耳元で囁く
猫又「ひゃい…」
猫又は私の膝から降りてぼーっとこっちを見る
私「猫又…どうしたの?」
猫又「お客さんお風呂入る?」
私「入ろっかな…」
椅子から立とうとするが足に力が入らない
猫又「ふふ…」
私はここで目を覚ました
実話 田舎の銭湯、ゲームコーナー ガチで田舎にそういった銭湯がある。入り心地はまじでいい。けど客が居ない。店員のじいちゃんはいる。あとゲームコーナーのクレーンゲームはガチで設定が甘い。100円でほぼ確定で取れる
夢 猫又、先頭に誰もいない、一連の流れ
妄想 猫又はいつの間にか居たけど物語として繋ぐために出会いを少し脚色した