後悔の夢
今回なかなか死にまつわる話が出るので気をつけてください。今回は1年前に見た夢です。一生忘れられません。
私は道を歩いていた。
どこに行こうかとかは考えないでただひたすら歩いていた。
前に「懐古の夢」を読んでくれたことがある人は風景はほぼ一緒だ。
田舎の道で周りはカエルとカラスが鳴いている。
見渡すと田んぼと遠くの方に山が見えるくらい。強いて言うならば「懐古の夢」とは違い、道は舗装されてなく、コンクリートではなく、土の道だ。田んぼで使う重機が通ったのか、道は固く、歩くのに何ら不備はない。
私は記憶にないのに土の道の質感がはっきりとわかる。夢の中だから記憶に対して補足がされてるのだろうか。
私は歩いている中で後ろを向くがその先にも道しかない。前を向いても後ろを向いても景色は変わらない。
しばらく歩いていると誰も通らないであろう道にパイロンと車両通行禁止標識など、私の行く手を阻むかのように通行止めの標識や看板がいくつもあった。
私は後ろをむくが何故か霧がたちこめていて戻れそうにはない。
私は看板を飛び越えてまた道を進む。
看板を飛び越えた後に後ろをむくがもう看板や標識はなかった。
しばらくすると私は自転車に乗っていた。
経緯はない。夢を見る時場面や状況が変わることはよくある事だ。
感覚としてはテレビのチャンネルを切り替えた時のように一瞬で状況が変わる。
しかし私は疑問には思わない。夢で違和感は感じないから。それが当然であるというように行動をする。
変わったのは自転車に乗っているという状況だけで道や景色は何ら変わりがない。
ただ、服装は制服から私服に切り替わっていた。
私は黒のダボッとしたパーカーでフードが着いている。パーカーにしては珍しい半袖のタイプでズボンはジーパンでこれもぴっちりしてると言うよりかは少しぶかぶかなタイプだ。
コンクリートで舗装されていないから私の荷物が入ったリュックサックは自転車のカゴの中でガタガタ揺れて悲鳴をあげている
私の尻にもダメージが入っている。正直痛い。それにパーカーのフードがめちゃくちゃ揺れてるからうなじの所が少しくすぐったい。
しばらく自転車を走らせると一人向かい側からこちらに歩いてくる。
私は自転車の速度を遅くするとその人は私の中学の時のクラスメイトだった。
女性に少し背が高く、成績は良く、人の心配をする世話焼きでまさしく委員長と言えるような正義感を持っていた女性だった。私は小学校の頃から彼女には世話になっていた。
この女性を便宜的にuとしよう。
uは制服を着ていた。
私はuに話しかける。
私「uさん」
u「あら、hitoo(私の苗字)どうしたの?」
彼女は私の名前をさん付けもせずに苗字で呼ぶ。ここは昔と変わらない。
私「なんでuさんはここにいるの?」
u「そりゃあ死んだaに会いに行くからよ」
私「何言ってるの?aは昔死んだし会えるわけが無い。」
aは私が高校の時に事故で死んだ中学の時のクラスメイトだ。高校の前で車に轢かれて当たりどころが悪かった。轢かれた次の日に亡くなってしまっている。
私は昔いじめられていてクラスメイトに嫌われていたしいい印象を持っていなかったが、aとは番号順の時に席が近かったから関わりは持っていた。
aは毎回最初は席が隣同士だった。だから班の作業でも固定メンツでいつもやっていた。友好的ではないが、見知らぬ仲ではない。
u「何言ってるの?会えるわよ。ここにいるもの。」
uが目線を私から外して横をむく。
私もそちらの方を見ると一軒家がたっていた。周りが田んぼだらけで田舎の風景なのにありえない状況だった。
私「なんで?」
私はこの時夢であることを認識していながら違和感を感じていた。死んだはずのaがいるわけが無い。
そして、この時点で明晰夢というかいつもみたいに違和感なく映像を見る感覚ではなく、自分の意思で行動ができる感覚がした。選択ができるかのように思った。
u「なんでって…ほら、来なさい。」
uは私の手を掴み、家の中に連れていこうとする。
私「待って…会いたくない。」
私は夢であろうがaに会うのは抵抗があった。aに対して負い目があったからだ。
私が抵抗していると一人道の向こうからやってくる。
k「何やっているの?」
私「k…」
kは中学の時のクラスメイトだ。見かけは小柄だが性格は明るく、人と波長を合わせるのが得意な陽キャという分類の人だ。
私はかれこれ4年間くらいあっていないが何故かここにいた。
u「hitooが家に入りたがらないのよ…」
k「まーたあんた何か悩んでるの?」
私「なんで君らは平然としてるの?怖くないの?」
私が2人に問いかけると二人は顔を見合わせて笑う
u「怖いけど行くしかないのよ。あなたは逃げたんだからここで会わないと贖罪にならないわよ?」
k「葬式にも来ないでよくそんなこと言えたね。」
私「…」
私は抵抗をやめてその場に立ち止まる。
その通りだった。私はaの葬式に行けなかった。行かなかった訳ではなく、行けなかった。
少し長くなるが私が後悔をしているaが死んだ時の事件を話そう。
aが事故にあって死亡するまでに少し複雑な出来事があった。その時は高校二年生だったが、中学のクラスメイトが千羽鶴を折って渡そうと言い出したのだ。
私は反対だった。aは轢かれた時に頭蓋骨が損傷しており、集中治療室に運ばれていたのを知っていた。そして私は実際に過去に集中治療室に運ばれており、その実態を知っている。
あまりに凄惨だから省くが、千羽鶴などの無菌室で作った訳でもない、人の手が触れた物はあまり宜しくないのだ。
だが、正義とは恐ろしいものだ。正義は自分たちが悪くないと感情を助長させてしまい、倫理に則っていなくても感情が正しいと、私たちが正しいと誤解を生んでしまう。
もちろん女子の3分の1は反対意見を出したが、言い出した人間は正義感が強く、運動神経抜群、成績も良く、委員長だった人格者のような男だった。
だから誰も疑わなかった。高校生の知力なら妥当だしドラマの見すぎだと考えてしまう。私も骨折した人間ならば寧ろ賛同するが今回は自体が自体だ。さすがに頭がおかしいとしかいいようがない。
言い出しっぺの男は人格者だが、正義を盾に自身が正しいと思い込む節が昔からあった。周りが見えずに熟考することが出来なかった。
もちろん悪いとは言わないし使い方が正しければその才能は素晴らしいものだが今回に関しては完全な悪手であった。
しかし、私が言っても何も出来ない。正論よりも正義の方が強いからだ。つくづく腹が立つが、それは覆せない。
だから私は人を頼った。事件が起きる偶然にも二ヶ月前に私はkという中学のクラスメイトと出会っていた。
私とkは中学の時は同じ図書委員会でかなり関わりがあった。kは文武両道で見かけも可憐という言葉が似合う美貌を持っていた。聖人とも言える人間だった。
しかし、注意力散漫の傾向があり、会った時に信号無視をするというなかなか怖いことをやってのけていた。なんなら車来てたから本当に血の気が引いた。
まあ、kと私は事件の二ヶ月前にあっていた。共通の友人がいて、その友人は高校の演劇部で県大会まで登るというなかなかな快挙をやってのけた。
そして、一般解禁はされていないが、関係者は招待されたら入っていいということで、招待されていたのだ。
正直、演劇などの娯楽はyoutubeで見ればいいという考え方だったのだが、圧巻された。高校生の演劇と言えどさすがは県大会。演劇に私は飲まれた。
その時にkに声をかけられたのだ。
その演劇は数日間やるのだが、私はほぼ全て見た。kは少しだけ見ていたが、その時に私たちは話していて、LINEを交換していた。
そしてその二ヶ月後に事件は起こったわけだ。
私は人を使うことを決めて、kに連絡をした。
幸いkも千羽鶴に関しては反対意見だったようで、中止はきついけどとりあえず遅らせることは出来るんじゃない?と二人で意見を交換しあった。
kはクラスの中で聖人君子のような立ち位置で信用されていたから私の言葉はあしらわれてもkhの言葉ならある程度の信用があるのではないかと考えた。
私はkに入院生活や集中治療室の情報を渡し、kが信憑性の高い文を考えてグループLINEに意見をする。
そして、誰も反論を述べないままaは亡くなった。
その後グループLINEから徐々にクラスメイトは抜けていった。熱が冷めたのか死んだショックなのかは知らないのか誰もkの意見の後にメッセージを残すことは無かった。
そして、クラスメイトの親たちにも千羽鶴の話は耳に届いたらしい。どうせあいつらは狡猾だから上手く口を回して逃げただろうが問題は私の親にも届いたことだ。
元々aの親は家族葬で内々で済ます予定だったらしいが、aの高校が亡くなったことを伝えて葬儀の予定の日を言ってしまったらしい。私もそこは詳しくは知らないのだが、aの葬式は家族葬から大々的なものになってしまった。
当然私も顔を出しに行こうと考えていたのだが、
何故か私の母は千羽鶴の話を聞いていたらしく、aの親にこれ以上迷惑をかけるなと私を行かせなかった。
多分私が本当に怒り狂ったのは初めてだろう。母はaの死で少し疲れていたのか正常な思考ではなかった。
とにかく、私はaの葬式には行けなかった。
これはれっきとした事実だ。
あとから私は母にこのことは納得してるし腑にも落ちているが許してないと言っている。
母もhitooの意見もわかるし私も今回は何も言えないけど間違ったことはしていないと言っている。
どちらも悪くないと納得はしている。
だが私が行けなかったのは事実である。
私は後悔をしていた。無理をしてでも行けばよかったとたまに思う。
夢の話に戻る。
u「早く行くよ」
私は腹を括ってuとkと3人で家の中に入る。
家の中はなにかお香だろうか花の香りがする。
構造は魔界とかダンジョンなんてことも無く、普通の一軒家だった。
私はuに連れられて2階に行く
そしてaともう一人女の子がいた。知らない女の子だった。
a「久しぶりね。」
私「お前は私にそんなにラフに話す人間じゃないだろ。」
a「もう覚えてないわ。なんせあなたとは三年くらい会ってないから…」
私「こんな形で会いたくはなかったな。」
私は夢であるにもかかわらず会話ができていた。この感覚を言葉にするのは難しいが、現実とリンクしている感覚があった。
u「a、何して遊ぶ?」
a「wiiのゲームしましょう?」
私「この子は誰?」
私は部屋に入った時に居たもう一人の女の子を指さす
a「妹よ」
私「お前に妹がいた記憶はないが?」
私の記憶が正しければaは妹は居なかった。
a「なんででしょうね?」
私は妹と思わしき女の子に話しかける
私「初めまして?」
妹?「…」
私「おまえは誰?」
妹?「…」
妹?はただ私をじっと見てくる。
私はため息をついてその子から目を逸らしてテレビに向かう。
画面にはマリオカートWiiのキャラ選択画面が映し出されている。
k「はい、コントローラー」
私「このゲームはまた私好みだな」
u「確かにhitooこのゲーム好きよね」
私「やり方わかるのか?」
u「何となくね」
uは手馴れた感じでキャラクターを選択する
私はaともkともuともゲームをしたことがない。三人がゲームができるが分からない。
私「君ら上手いな」
a「まあね」
3人はとてもレベルが高く、上手だった。
k「ほい、1位」
私「強すぎるだろ…」
私はため息をついてコントローラーを置く
私「a」
a「何?」
私はaの名を呼ぶ
私「すまんかったな、行けなくて」
a「あなたは来る理由はないでしょう?なんで謝るの?」
私「…」
私は黙る。その通りだからだ。
仲がいいわけでもなければ同じ部活でもない。ただ、席が近いクラスメイトだった。
私「行かないことに後悔してるんじゃなくて行けなかったのに後悔してるんだよ。」
a「あっそ」
私「謝ったからな」
a「…」
私はベットにもたれかかってお菓子を食べる。
ほかの三人もゲームをしたり本を読んでたりする
妹?はただひたすら私を見てるがそれ以外は何もしてこない。
コンコン
扉の方からノックが鳴り、扉が開く
男「楽しんでるかい?」
とてもイケメンな大人がいた。
男「hitoo君少し話があるけどいいかい?」
私「えぇ…大丈夫です」
私は直感的にaの父親と認識していた。1回もあったことは無いけど何となく理解をしていた。
私は部屋から出て男と1階へ向かう
私「話は?」
a父「君は何を後悔している?」
私「…」
私はa父をじっと見つめる
a父「…」
相手もこちらを見透かすようにじっと見てくる。
私は居心地が悪くなって逃げるように家を出ていくところで
目を覚ました。
今回の話は夢の話ですが、
aeが死亡したこと、千羽鶴の事件、家族葬の話、私が葬式に行けなくて母におこったこと、khと事件の二ヶ月前に出会ったこと、私がいじめられていたことは事実です。
なんというか起きた時にガチで吐きました。
なんというかグロい夢よりもタチが悪いです。
以下ノートの夢日記
次に私がいたのは田舎の道だった
周りを見渡すと田んぼが広がっており所々でカラスとかカエルが鳴いていた
前に道が一本あって後ろは田んぼだった
しばらく進むと道路通行止め標識、パイロンがあって超えた。
私は一本道を進むといつの間にか自転車に乗っていた
そして中学の時の同級生がいた
私は彼女になんでここにいるのと尋ねる
そして目の前に家が現れた
私が家の中に入るとそこにはその同級生とほかに数人同級生がいた
全員女性だったから私は緊張をしたが考えがまとまらなかった
ゲームをして父親と話をしていた。