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祭 1

からんからんころんころん

私はこの乾いた音を鳴らしながら神社の中を散策する。

ここはどこなのか、私はなんでここにいるかは覚えていない。

考えても無駄だろう。

私は今神社の中にいる。神社と言っても学校のグラウンド半分くらいの大きさだ。そこまで大きくない。

今ここには屋台が並んでいる。

そして私は浴衣を着て下駄を履いている。さっきから少し蒸し暑く、中のシャツが少し汗ばんでいる。

これはもうお祭りとしか言いようがないだろう。

いつの間にこの格好になったのかは知らない。

ここには人がいない。他の人を探したのだが人はいなかった。

それに神社の鳥居をくぐって外に出ようとしても出れなかった。

何なら鳥居の先は真っ黒だった。ただの闇が写っていた。


ここにはいろいろな屋台がある。チョコバナナに綿あめ、射的に輪投げ。本当に様々だ。

店の人はいないが電気は通っていたり、焼きそばの焼けるジューという音、どこからか盆踊りの曲や太鼓や笛の音が聞こえてくる。おかしなものだ。人はいないのにたこ焼きは回って、かき氷の氷は削られ、イカはその身を焼いていく。屋台の中はせわしなく動いているのだ。何より怖いのは冷静にこの状況を分析して、受け入れ、ワクワクしている。そんな自分がいるということだろう。

そして驚いたことだが、がここはほぼすべての屋台がある。くじやクレープ、サメつりなど思いつく限りの屋台がある。本当に人がおらず、それで稼働していること以外は神社内で行われているただのお祭り。それに何ら謙遜はなかった。


「のど渇いた,,,」

幸い屋台があるからある程度はあるだろうが、何を飲もうか考える。未成年だからお酒は飲めないがスポーツドリンクやフォンタなどはあるだろう。そう思い、屋台をめぐるとラムネが売っていた。喉がゴクリと音を鳴らす。

「これにしよ」

今喉をラムネの強い炭酸が通ったら間違いなく最高だろう。私はラムネをクーラーボックスの中から取り出し、屋台のカウンタ^に置く...が思い出す。どうやって払うのか。それに私はそもそもお金を持っていない。


...いや、お金を持ってないかを確認していない。いつの間にか浴衣を着ていたが、もしかしたらと思い服を弄る。するとしたから何かが落ちた音がなる。下を見ると私の財布が落ちていた。拾って中を見るとおおよそ5万円が入っている。なんで浴衣の中から財布がとかは面倒だから考えない。しかしもう一つの問題、どうやってお金を支払うかを考える。

「ラムネを頂戴」

とりあえず一万円を屋台のカウンターの前に置く。すると驚いたことに一万円が消え、千円札が九枚、五百円玉と百円玉が二枚。きちんと支払えたのだろう。とりあえず支払えたこと、そしてラムネが飲めることに私は喜びを感じた。


私は屋台の前の硬い地面に瓶を置き、キャップを押し込んでビー玉を落とす。その瞬間瓶から炭酸の泡が少し吹き出る。手がベタベタになったが気にっせずに瓶を手に取り、ラムネを飲む。

「あー!!美味しい!!」

思わず叫んでしまった。散策していたのと少し蒸し暑かったから冷たいラムネが体中に染み渡る。

甘ったるいがそれが今はちょうどよく、とても美味しい。


私はラムネを飲んでいる中で、串焼きが目についた。

「...」

ラムネを飲んで胃が刺激されたのかお腹が空いてきた。

ラムネを飲んで問題がないから平気だろう。

私は串焼きのお店へ足を運んだ。


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