登場人物
・エフェメロプテラ(リュラー)
意味:蜉蝣(楽器の名前)
亡国の末姫。当時は13歳、没は18歳。
子供の頃はお転婆であったが、あの日以降、元からのカリスマ性と勤勉さが相まって現性格が出来上がった。過去は両親と兄姉が家族と思っていたが、異母兄が居ると知ってからは彼も家族と思っていた。昔は世間知らずのお姫様だった為、下々の事等良くも悪くも気にしていなかった。あの日負った火傷や自身の見た目を特に気にしていないが、周りが気にすると思い、隠していた。痛み止めの飲み薬、塗り薬が必要不可欠。恨みや怒りも十分に持っていて、その過程でどれだけの人間が死のうが、苦しもうが、それさえ自身が飲み込んで復讐にぶつける残忍且つ残酷さを持つ。しかし最終的に自分が死ぬ事で、苦労した異母兄が幸せになれるよう隣国の王に取り計らう程身内贔屓だったが、それに気付いたのは任された王と剣を託された異母兄のみ。
・クレプテース(ラウト)
意味:盗む(楽器の名前)
孤児且つ義賊。当時は15歳、現在20歳。
裕福な貴族から盗みを働き、自身や貧しい人々にそれを分け生活していたが、あの日火事場泥棒で入った城で瀕死の姫を助けた事で、復讐に参加する事になった。飄々として誰にも敬語を使わない唯一の存在。母が過去高貴な人間に捨てられたと知っていた為、貴族が嫌いだった。復讐の手伝いの代わりに全てを上げると言ったエフェに期待をせずにいたが、それにより本当に全てを貰う事となった。復讐は主に情報収集を担当。エフェの死後受け取った彼女からの手紙で、彼女が異母妹と知る。他、自分の知らなった情報が齎され、自身の異母妹の力を認識した。そして最後まで自分を信頼していたと知った。なのでそれに見合う勝ちを、異母妹に残す様に最後まで動き続けた。
・イロアス(ラケス)
意味:英雄(楽器の名前)
元傭兵の英雄。当時20歳、現在25歳。
剣の腕が確かで、彼に勝てる人間はそうそう居ないと言わしめる程の実力を持つ。傭兵として生計を立てていたが、戦いで戦果を挙げ英雄となり、その国の姫の婚約者となった。その姫とは良い関係を築いており、二人の仲は公認だった。その反面、出自から周りから疎まれても居たが、向けられた悪意には容赦なく反撃してもいた。しかし、本来の身分は侵略国の先行部隊だった。元戦闘奴隷であり、それを助けられた恩から、侵略国の当時王子に仕え、姫に対しても主の女という認識だった。エフェについて自身の正体を正式に理解しているとは思っておらず、その認識の甘さから足元を掬われた形となった。最終的には隣国の侵攻により、命を落とす。
・アスピダ(ネストル)
意味:盾(楽器の名前)
元第三隊長。当時20歳、現在25歳。
騎士団の第三隊と指揮していた隊長であり、それなりの実力を持っていた。矜持が高く、自分より下位の人間を無意識に見下し、ロアスが現れなければもしかしたら自分が姫の婚約者になっていたかもしれないという過去を引きずる。その思考を捨てきれず、復讐仲間の中でも浮いていた事を本人は気付いていなかった。最終的にクレプテに事実を突き付けれれ、その鼻をへし折られ、如何する事も出来ず国を出た。気付けば隣国の戦いが起きていたが、参加する事も出来ず、ただ成り行きを見ていた。その後、野盗に襲われ、死ぬ事になった。
・フィラフト(ハグノン)
意味:お守り(楽器の名前)
移民で医者。当時40歳、現在45歳。
亡国で虐げられていた移民でありつつ、医学の知識を持った無認可で闇医者となっていた。医者としての実力は確かだったが、虐げられた過去から、身分の高い存在が嫌いだった。しかし、目の前の患者を捨て置けないという意識から、瀕死で担ぎ込まれたエフェを助けた。その後ロアスにより勧誘され、迫害してきた国では無く侵略国側の人間となるも、自分の手で殺そうと報告をせずこっそりと薬に毒を混ぜていた。しかしいざ殺すとなると中々出来ず、悪あがき程度の遅効性且つ一定量越えでなければ発揮しない毒しか手出しできなかった。結果それによりエフェが死んだ事で、ショックを受ける。
・シュリンクス
意味:楽器の名前
亡国の姫であり侵略国の王妃。当時18歳、没23歳。
他国にも名を轟かす程の美姫であり、それに驕らず謙虚で優しいという事でも評判だった。しかしあの日、妹を盾にされ、侵略国の王子の元へ嫁いだ。その時、せめて妹の命だけは助けて欲しいと懇願し、逃がしてもらっていたと信じていた。それにより恨まれても仕方が無いとも覚悟もしていた。しかし現実を突き付けられた日、心が耐え切れず壊れ幼稚返りし、一瞬元に戻た際に自分の使命と思って、恨み、愛した男を殺し、自分も死んだ。自身が生んだ子供達の事も心から愛していたが、死に際は自分が居ない方が幸せではと、本当の幸せを見失っていた。
・マヌエル
意味:楽器の名前
侵略国の王。当時23歳、没28歳。
王子時代、自身が王太子、行く行くは王に成る為、近隣諸国を戦火の渦に巻き込んでいた。その最後に美姫で有名だったシュリンクスの国を滅ぼし、彼女を手に入れた。その際、懇願された末姫を逃がす約束をし、部下に指示した。しかしそれが叶えられておらず腹心に裏切られていた事、それにより愛した女が壊れた事で、自身が過去してきた事を改めて後悔した。元は残虐性の強い性格であり、シュリンクスを本気で愛する前は、容赦という言葉を知らなかった。シュリンクスのお陰で感情を得、人間味を帯びたが、その時は既に遅く、しかし最終的に愛する女の手に掛かり、本望と思って死んでいった。
・クレオン
意味:楽器の名前
侵略国の近衛。当時22歳、没27歳。
子供の頃からずっとマヌエルと共に育って来た、腹心中の腹心。右腕。マヌエルと共に近隣を攻めた中心人物であり、非常に残忍かつ残虐的な性格。丁寧な物言いだが、基本的に容赦なく敵は切り捨てる。その為、シュリンクスを得て人間味を帯びたマヌエル以上に恐れられていた。あの日指示された事を無視し、リュラーを凌辱の末嬲り、城に火を放った。また、マヌエルを腑抜けにしたシュリンクスを良く思っていない為、常に辛辣だった。最終的に屋敷を燃やされ、政略結婚していた妻子も死に、屋敷から国の機密事項を持ち出された。自身もマヌエルにより殺される。
※名前は全て、ギリシャ語からになります。登場人物全員を屑にする計画で出来上がった作品になります。なので、題名通り、全員嘘吐きです。最後までエフェも嘘と言うか、本当の事を話さなかったので。大国の王は過去、マヌエル達以前の代でエフェ達の国に救われており、その恩を返す形で協力してました。勿論、地を得ると言う打算ありで。それを含め、エフェは依頼していました。