迷い魔術師の行動録(エタ作品供養枠)
第三者視点の立場を主人公に置き、発展技術の異なる旅人を追っていくという物語…がエタった姿。SF世界観出身とか盛り込む予定だったけどどうにも主人公が第三者視点になりきらず、あげく行動原理のわからない人物が出てしまったためここまで消してそのままこうなったという話。
酒場の戸を開けて入る一人の冒険者がいる。姿は革のフード付きローブに布の上下に茶髪、それによくありそうな顔立ちの男だ。分厚い本を腰にぶら下げている。周りの人間を見回してはやや困り顔で戸惑いつつ歩を進める。様々な思いを乗せて彼に向けられる好奇の目に混じり強い興味を示す学者も彼について強く興味を示し、しかし学者は声をかけるタイミングを探していた。以降その学者の心境を吐露した日記より引用する。(補足しておくとこの日記は思ったことを反映し記録する魔法技術を用いている。それを念頭に置いてご覧いただきたい。また勿論ではあるが、稚拙ながら翻訳済みである)
ローブの彼は真っすぐにカウンターへ向かい、マスターに注文をする。が、操る言葉に聞き覚えはない。思えば魔法使いならそれなりの魔力を纏っているのだが彼からは微塵も魔力が感じられない。観察していくうちに、彼が「この世界の」魔法使いではないことが見て取れた。私が知る限り円形の文字と記号の羅列を本から呼び出して使う魔法はこの世界に無い。見たところ持っている貨幣もどの国のものとも違う。よし、話しかけよう。滅多にない機会だ。
・・・話しかけてみれば気さくな人物であり、それでいてどことなく自分に似たにおいを感じる。私も自他共に認める変わり者ではあるが、はっきり言えばそういった自分の勘でしか根拠は無い。それともう一つ、彼は本に書いた文字から魔法を発するようで、「魔術」と呼ばれているようだ。操る言語の違いは魔術で突破したとのこと。より興味深いことは魔力を抱えるものが彼の世界では大地にあるそうだ。生物で実用的な魔力を持つものは珍しいとのこと。今の話が本当ならば我々と違う世界が存在するのか、面白そうだ。ただそうなれば彼はこの世界において素性の知れない者である。取り敢えず身分の保証は優先すべきだろう。
しかし、今すぐ動いて終わらせられる時間ではない。取り敢えず彼の身を預かっておくとしよう。興味もあるが保証のために整理しなければならないこともある。
いや、明日一番に考えよう。出来るなら話をもっと聞いておきたいから下宿先に知らせておくか。
主人に知らせる用もあるので今日はもう出るか。
<メモ>
=登場人物=
主人公〈マルス〉:歴史学者。理由は少年期よりおとぎ話に強い興味を持っていたから。日記は紙日記を以前つけていたが学者就任を期に魔導器タイプに。紙時代から多少体裁を整えてつけるのが癖。各地の遺跡を調べたりして研究をしている。
研究費が足りない時等は傭兵になることも。
ドルドー:自然の力を操る形式の魔法(魔術)を基本とする世界の住人。変人をも時に越える程には技術好き。疎まれがちな身分出身だがその蔑称すらハンドルネーム(ドルドーがそれにあたる)の由来の一部に組み込む位には少なくとも変人。
後に合流するユキの銃に目をつける
(ここから予定)
ユキ:機械化系文明から来た若い女性。争いとは無縁の場所で元々暮らしていたが持っている覚えの無い銃を所有。そこそこのお転婆で謎に雑学程度の知識を持つ。
パーム:所謂サイボーグ、元々人間だったのを誘拐され洗脳されていた。本来は人見知りだが洗脳の影響を受け多少は冷酷な一面が付いた。合流時は殆ど壊れているものの多くの内蔵兵器を持つ