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環境づくり その3

==========<ももちゃん視点>===========


 朝が来た!この家で2度目の朝だ!

 昼間に比べればいくぶん低く感じるが、気温は朝から高い。

 4人は朝食を食べながら、もう一度今日の作業内容と分担を話し合う。


 まず、今日またはそれ以降にやり遂げなければならない作業を列挙してみた。


1) キャンプ地の作業小屋を作る。

 建材をある程度昨日の内に集めて保管してあるが、ジャングルの中で物を放置していれば、すぐに周辺の植物や動物に取り込まれたり、動物などに壊されたりする可能性があるので、できるだけ早く作らなければならない。


2) 靴の製作

 今履いてる靴は応急処置的なもので、外側の葉は毎日やり替えているが、中の綿の入った生地がかなりボロくなってきている。

 靴を縫うために革に針穴をつけるための生の鳥の骨もあり、なめした革もあるので、作業はすぐ出来る状態だ。足を覆う部分に使う予定の比較的丈夫な布も人数分は交換してある。


3) 村の家のトイレを作る

 これも、急務だ。建材、工法も昨日の内に話し合ってる。

 壁となる竹もどきは昨日大量に切り出し済で、家の横に保管している。

 穴を掘り、穴の補強をした後、穴に被せる様に作るトイレ本体とするための板材になるものが必要だ。

 屋根はヤシの葉もどきで葺くことになる。ヤシの葉もどきはキャンプ地担当のみんなで、キャンプ地からの帰りに収集してくることになった。


4) シャワールームを建てる

 こちらもできるだけ早く作りたいが、トイレほど急務ではない。

 必要な竹もどきはトイレや塀の分と合わせて十分な数、家の横に持ってきている。

 建物の土台となる様な平たい大き目な石を集めなければならない。

 排水をどの様に流すかを考えないといけない。

 排水溝を利用するにしても、シャワーの排水を集めるために床材は石にするか、竹もどきにするのか決める必要があり、どの様に既存の側溝へ接続するかを考える必要がある。

 例えば床は斜めにして、一か所に排水が集まる様にするとか・・・・。

 また、床とは別にすのこを作る必要もある。

 同時に、雨水を溜める部分、シャワーとして放水する部分をどの様な設計にするか考える必要がある。


5) ごみ捨て場との間に植木を植える

 トイレをごみ捨て場と家の間に作ることにしたので、ちょうどトイレと家の間に植木を植えたい。

 まずは、トイレの穴を掘って、トイレを作ってからその周りに木を植えることにした。


6) 言語を学ぶ

 なんとかして村人から言葉を習得しなければ、なにかと不便である。

 これはモリンタに相談しようということになったが、どうやって相談するかは悩ましい。

 なぜなら言葉を習いたいと伝えるべき言葉そのものが分からないからだ。

 しかし、言葉を覚えるのは急務だ。一人が覚えたら、夜にみんなに伝え、全員で言語をマスターする必要がある。


7) ラードや砂糖シロップ、石鹸、その他の交換可能な工芸品の作成

 これをしないと村人と物々交換ができず、必要な物を手に入れることが困難だ。


8) 日常生活に必要な採集作業

 果物や芋など、そしてごんさんの罠でとれる獣や鳥など、更には川にしかけている罠で取れる魚などは日々手に入れないと食べる物がなくなる。


9) この村に貨幣制度があるかどうかの確認

 これは、モリンタに聞くか、村にある鍛冶屋か酒場で村人が何かを購入している時、観察するしかないという意見で固まった。


「これがやらなければならない事かぁ。結構いっぱいあるねぇ。この中で、今日絶対やらなければならない事と、今日やった方がいい事をまずピックアップして、誰がやるかをもう一度決めよう!」といつもの様に仕切らせてもらった。


 結局、キャンプ地の小屋作りは、3人がキャンプ地へ行って作業すれば今日中にある程度形になりそうなので、今日やることにした。もともとがバラックみたいなものだったしね。

 この3名は、今日の食糧の調達も行う。


 残り一人が村に残ってトイレの穴掘りをし、補強をすることにした。

 今回の穴は広く掘るのではなく、深く掘ることが必要なので、とりあえず一人で掘れるところまで掘り、その後は、残りの3人が帰宅するまで食糧庫の出口に竹もどきの塀を作ることにした。


 残りの穴掘り作業は、今日の作業がどれくらい進むかと、残り三人が何時頃に村に帰ってこられるかで決めようということになった。


 昨日と同じで村に残るのはみぃ君で、キャンプ地の小屋づくりは私達3人が担当することになった。


「みぃ君、穴掘りっていう一番大変な作業を二日も続けてみぃ君だけに任せちゃってごめんね」とめりるどんがみぃ君を労う。

 みんなもそれぞれ手を抜かずにやらなければならない作業を行っているので、みぃ君も文句を言うつもりはないみたいが、それでも高い気温の中で随分と体力を持っていかれる穴掘作業はさぞかし大変だろう。皆から労ってもらうと、気分だけでもかなり気分が違ってくるのではないか。


「うん。暑い時は無理をせず、日陰での作業を優先して、時には家で昼寝をしつつやるといいと思う。無理するな」とごんさんも根を詰めなくていいと声を掛けてくれる。


「そやな。体調崩さんよう、調整しながらさせてもらうわぁ」とにっこり笑うみぃ君。


「んだんだ!みぃ君だけじゃなく、みんなも自分の体調に合わせて作業を進めようね~。んでもって、矛盾してることを言う様だけど、小屋作り班も早く作業を終えて、みぃ君の作業を手伝う様にしよう~」と締めくくり、「じゃあ、それぞれの仕事、やろうかぁ」と言うと、4人はそれぞれ自分のやらなければならないことに着手した。

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