連打連打
昨日街で少女を助けてそのまま
宿に直行したんだったか?
記憶があやふやだな…………
まぁ、いい今日も一仕事するかな?
俺はベッドを出てズボンを履く。
特別製のズボンでな
最初は交戦の時は服をダメにすることが多発し
上を着ることは無くなったんだがズボンはどうしてもって
なってな。
その月の金を切り詰めて切り詰めて
強靭のスキル付与されたズボンを買えたんだ。
あの時涙ながらにお金を貯めれた事を褒めて
サービスで耐久のスキル付与もしてくれた服屋には感謝している。
俺は空になった背嚢をポーチに入れ
ポーチの中の装備を確認する。
持ち物は少ない地図と火打ち石
着火物に水に入った鉄の水筒そして予備のズボン
金の入った袋だけだ。
どれにも異常は無いことを確認すると手早く収納し
宿を出た。
飯を先に食おうか先に依頼所に行くか迷ってると
鼻をくすぐる匂いがして先に腹ごしらえをすることにした。
「らっしゃい!何か食うかい!!
赤牛の炙り焼きにスモールラビットの丸揚げ
普通の物からゲテ物まで色々そろえてるぜ!」
「そうだな、赤牛の炙り焼きを貰おうかな」
「まいどあり!
お供にポタトをいらんか!?」
「それも貰おう」
「はいはい!もうできてるから持っていきな!
いいタイミングで来たな兄ちゃん!」
「そうみたいだな」
俺は500Gを払い
木のコップに入っているポタトと木の皿にのっている
赤牛の炙り焼きを手に取り近くの椅子に腰かける所を探す。
看板に書いてあったが木の皿とコップは返却してくださいと
あったので食べ終わったら帰ってこなければいけないと思い
近くで食べることにしたんだ。
俺は炙り焼きを手に取り口に運ぶと
口に広がるのは甘辛のタレに噛み応えのある肉
うん、だけだな味音痴の俺からしたらそれぐらいの感情しか言い表せん
強いて言うと金があるなら二日に一回のペースで食べたい美味さだ。
そしてポタトが良いお供として肉を引きだたせている。
なんだろう、ポタトのおかげで美味さが5割増しになった感じだ。
俺は交互に口に放り込み味わって食べたため、まだ半分ほど残っている。
俺は綺麗な街の風景を見渡すと
一人ガリガリに細っていて今にも倒れそうな少年を見つける
どうやら裏路地に入ったところを見るとゴミ漁りか…………
俺は気まぐれに席を立ち
ポタトと赤牛を持って裏路地に入っていった。
裏路地は意外と明るく太陽の光がしっかりと届く
俺は少年の後を追って来たんだが
どうやら入り組んでいてどこに行ったかわからんな。
俺は戻ろうとしたところスラム時代で聞きなれた音が聞こえる
誰かが殴られる音だ…………
俺は気になり音のなる方に行くとさっきの少年が数人の武装集団に
囲まれているのを発見する。
その中でリーダーと思われる黒服の男が少年を殴りつける
「お前さ、俺らの命令無視したのか?」
その少年は歯を食いしばり必死にその場に立ち上がる
がまた殴りつける
「おいおい!誰が立っていいって言ったんだ?!
ずっと座ってろ雑魚が!
お前が俺らの団に入りたいって言ったんだろ?
だったら冒険者に喧嘩売るぐらいどうだってこと無いだろ!」
少年は地面に伏せたまま小さい声で「すみません」と呟く
だが黒服は地面にうつぶせの少年を蹴り上げる
「いつまで地面に横たわってんだ!
内の団に入りたいんだったら根性見せろや!!」
そしてその少年はまた立ち上がろうとするが
黒服は何度も少年を足蹴にする。
「だから立ち上がんなって言っただろ!
頭が高いんだよ!頭がよ!
俺とお前が対等の立場と思うなよ!愚図が!」
俺はその言葉を最後に立ち去る。
スラムの暴力団とは係わらない方が良い
俺は暴力団には何にも口は言わない
いくら潰そうが何度も湧いてくるゴキブリの様なやつらだ。
だが必要悪と言う事は分かっている奴らが居ないと
もっとスラムが酷くなるし最悪普通の市民区域までに被害が出て
スラムの人間を雇う所も少なくなっているのが現状だ。
俺は残りのポタトと赤牛を完食しそこを離れようとすると
後ろから声がかけられる。
「おい、そこのおっさん!いい所に来たな
ちょっと来いや!」
俺はため息をつき振り返る
「見つかったか…………」
「そうだよ!丁度いい所に来たな!
少しばかりあいつの相手をしてくれないか?」
「断るのが出来ないと分かってるくせに…………」
「良く分かってんじゃん!
じゃあ、戦ってくれない?」
周りの取り巻き達を数えると
この黒スーツを入れて5人俺の実力じゃ確実に勝てる保証は無い
かと言ってこの少年をボコボコにする気も無いししたところで
こいつらが無事に帰してくれる保証はどこにもない。
「穏便に事を済ませようか」
「おう!穏便にな!」
「穏便に…………なぁ!!」
俺は黒スーツの頭を左手で抑え込み
すでに発動している鉄拳を顔面に叩き込む黒スーツの顔面はひしゃげ
歯が何本か折れて鼻の骨が折れて滝のように鼻血が流れる。
「なんだと!リーダーになにしやがる!」
「ぶっ殺せ!俺らに手を出した事を後悔さしてやる!」
「生意気な野郎だぜ!」
黒スーツは再起不能だろう
念のため逃げられたら面倒だから足の骨を砕いておく
黒スーツは何やら悲鳴を上げて叫んでいるがどうでもいい
今は残りの四人に意識を向ける。
四人は同じ短剣を取り出し俺に刃を向けてくる
一人だけ用心棒の用にムキムキの男がいるが他三人は一般人に少し
筋肉が付いた程度の人間だ。
ムキムキ男だけ飛び出さずに
その場で構えて動かないが他の三人は一斉攻撃を仕掛けてきた。
俺は短剣を避けるが運悪く最後の短剣だけ脇腹に深々と刺さる。
「ひゃひゃひゃひゃ!ざまあねえな!!
その筋肉は見掛け倒しか!」
俺は刺した奴が油断して剣を俺の脇腹から引き抜く途中で
正拳を顔面に叩き込む
俺は正拳をできる限り弱い威力で放ったがどうやら
加減が出来たようだ頭がザクロのように吹き飛ばず原型を留めているいるからな。
俺は脇腹に刺さった短剣を引き抜き再生スキルを発動させる。
十秒も立てば傷も完治できるだろう。
「でもすごいな、この短剣俺の体にやすやすと
刺さったぞ
まぁ、どうでも良い事だがな」
俺は短剣を放り投げ肉塊となった元の持ち主に放り投げる。
「くそ!よくもやってくれたな!リーダーだけじゃなく
ジュッジュまで!」
ムキムキ男はまだ動かないようだ
そしてもう一人の男は腰が抜けて立てないようだ
さっき叫んでいた奴が無謀にも俺に策も無しに突っ込んでくる
俺は殴りつける致命傷は回避し殴り続ける。
連撃スキルのお陰で殴るたびに一発が重く早くなるのが肌で分かる。
後処理が面倒なため最後に強めに一発殴るとそこでそいつの
命がこと切れた事が分かる。
ムキムキ男は逃げることはせず佇むままだが
一人逃げようとしている奴がいる。
俺は全身ミンチ状態にした奴の足を掴み放り投げる
見事にヒットし涙目になっていたが
俺はそいつに近づき頭を踏みにじる
「止めろ!踏むな!踏むんじゃねえ!や、やめべぎゃぁ…………!!」
俺はそいつの頭を踏み抜き
死んだ事を確認する。
俺は筋肉ムキムキ男に向き直り言葉をつげる。
「起きろ!ずっと観戦してるつもりか?」