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ネットアイドルミーヤ爆誕 and 初めての異世界訪問 side ミーヤ その2

 私は今、口の中に広がるその甘味に、幸せが止まらなかった。

 本番の撮影というのもあっというまに終わってしまい、やることがなくなってしまった私にタナカさんがくれたプリンと言うこのお菓子は、一口食べると甘くて口の中でとろけた。

 もう一口、もう一口と口に運ぶ。こんなに甘くておいしいお菓子、生まれて初めて食べた。



「おいしいです! タナカさん、このお菓子すごくおいしいです! こんなお菓子食べた事ありません!」



 思わず興奮してしまう私。だけれどもタナカさんは黒い魔道具をじっと見つめながら、それはよかったです、とだけ言った。



 いけない、タナカさんはまだ仕事中だった。タナカさんが何をしているのかはよく分からないけれど、邪魔だけはしないようにしないと。

 私はスプーンでもう一口プリンを食べ、そのおいしさに無言で震えた。



 あっという間に最後の一口まで食べ終えてしまった私は、その後はてもちぶさたになり、魔道具を両手に真剣な表情のタナカさんを見ていた。

 タナカさんの手の魔道具からは、小さいけれど私の声が聞こえる。つまりあの魔道具は、絵だけでなく声もとれるのだろう、とてもすごい魔道具である。

 私はじっとタナカさんの顔を見つめた。あまり見ない顔だけれど、優しそうな顔だなと改めて思う。



 やがてタナカさんは確認が終わったのか、魔道具を机に置いた。机に頬杖をつき、なにやら思案顔である。



(なにか手伝えることはないかな……)

「あの……」



 私はタナカさんに声をかけていた。



「あの、他に手伝えることってないですか?」

「いえ、もう大丈夫です。本日の動画の撮影は終わりです。また後日よろしくおねがいします」

「い、いえ、こちらこそよろしくおねがいします」



 やんわりと断られてしまった。

 タナカさんが頭を下げたので、私もあわてて下げた。



「あ、そうだ、もうその服は着替えてもらってもいいですよ。私はまたトイレにこもっているんで」

「分かりました」



それから私はかりていた服を脱ぎ、自分の服に着替えた。なんだか少しほっとする。タナカに貸してもらった服はすごくきれいで着心地は良かったけれど、やっぱり下がないのはおちつかなかった。



「さて、では一つ目の仕事も終わったので、次はミーヤさんに街の案内をお願いしたいと思います」



 トイレからでてきたタナカさんは、着替えた私を見てそうきり出した。頷く私。



「はい、まかせてください」



 今度こそタナカさんの役にたってみせよう。私はひそかに闘志に燃えていた。



「あの、その前に、何か注意事項はありますか?」



 タナカさんがそう尋ねてきた。



「注意事項ですか?」

「そう、例えば、こういうことをすると、この街では危ないよとか」



 タナカさんに言われて、少し考えてみる。基本的には他の街と変わらないと思う。ただ、タナカさんのきている服は……少しめだちすぎるとは思う。



「特には……、他の街と大して変わらないと思います。スラムや細い路地には入らないこと。あとなるべく金目のものは他の人に見せないこととか……」

「なるほど」

「……ただ、タナカさんのその格好は、少しめだつと思います」



 私の言葉に驚いたような顔をするタナカさん。



「えっと……、その上の服にはみたこともない絵がかかれているので」

「なるほど」



 少し待って下さい、とタナカさんは言い、ベッドの横の引き出しを開けてあさり始めた。そして中から無造作に何枚もの服を取り出し始めた。



(すごい……)



 あの透明な引き出しが、どれほどの価値があるものなのか私にはまったく分からない。けれども、こんなにたくさんのきれない服が、どれほどの価値を持っているかは私にもわかった。

 やっぱりものすごいお金持ちなんだな、と私はあらためてしみじみと思った。



 タナカさんも服を着替え、いよいよ二人で街に出ることになった。

 タナカさんは案内は任せてくれるようで、外に出る際は先を私に譲ってくれた。



「それでは、案内をお願いします」

「はい、任せてください」



 私は意気揚々と、扉を開いた。



「えっと、タナカさん。どこか行きたい場所はありますか?」



 タナカさんが戸締りを終えるのを待って、私は尋ねた。 



「そうですね……とりあえず、商売をするにあたって、なにか事前に知っておくべきところを」



 事前に知っておくべきところといえば……、ぱっと思いつくのは商人ギルドくらいだった。



「えっと、タナカさんは、もうこの街の商人ギルドには行きましたか?」

「いえ、行ってません」



 本当にタナカさんはこの街にやってきて間もないようである。



「そこに行くと何ができるんですか?」



 まるで商人ギルドのことを何も知らないような質問に、少し疑問を感じた。



「えっと……、これはご存じだと思いますが、何かお店を出したりする場合には、商人ギルドの登録が事前に必要になります。あと、他にも色々と商売のお手伝いをしてもらえると思うんですけれど……ごめんなさい、詳しいことは分からないです」



 この街の商人ギルド特有のことなどは、ちょっと流石に分からない。



「なるほど、ではそこにむかいましょう」

「了解しました」



 私はタナカさんと一緒に商人ギルドのほうに向かって歩き出した。



「ちなみに、その商人ギルドって何時までやっているんですか?」



 途中、まだ住宅街も抜けきらない頃、タナカさんが尋ねてきた。



「えっと……日の入りまでだと思います」



 私は答えながらも、やっぱり商人のタナカさんは、時間に正確なんだなと思った。



「なるほど……ここら辺に、お店はないんですか?」

「えっと……、ここはどちらかというと裕福な人の住宅街です。お店とかは別の区画になります」

「へー」



 そう言って、タナカさんはあたりを見渡している。すれ違う人の顔をちらりとみて、なにやら頷いていた。ちょっと失礼だけれど、そんなタナカさんの様子が、農村から初めて街にきたおのぼりさんのようだと思った。なんだかタナカさんの部屋にいるときと違って、親しみを感じた。



「タナカさんって、この街に来る前は何をしていたのですか?」



 私はせっかくなので気になっていたことをここで聞いてみた。



「えっと、適当に行商人的な何かをちらほらと……」



 タナカさんは目をそらしたまま答えた。

 なるほど、それであんなに珍しいものをたくさん持っていたのであろう。私は非常に納得した。



「そうなんですか、それで最近この街にこしてきたんですね」

「はい、そうなです」

「でも、他の街の商人ギルドには行ったことはないんですか」

「あーっと、えーっと、その……商人ギルドのないような小さな村々を回っていまして……」

「そうなんですか」



 それで商人ギルドの事もよく知らないのだろう。



「ずっとお一人で旅をされているんですか?」

「ええ、まあ、両親と妹が遠い所に住んでいますけれど、一人ですね」



 そんなこんなで会話しながら歩いていると、目的の商人ギルドについた。



「ここが商人ギルドです」



 私が紹介すると、タナカさんは珍しそうにギルドの建物を眺めていた。



「今登録しますか?」

「そうですね……でも、登録に住所とか本人確認とかいらないんですか?」

「いえ、特に何も要りません……あ、でも、銀貨一枚かかります」

「え、マジですか」



 少し顔をしかめるタナカさん。どうしたのだろうか。



「あの、金貨って使われてます?」



 タナカさんが不思議なことを尋ねてきた。



「え、はい、もちろん使われてますけれど……」



 どういう意味なのだろう。



「ええっと、では、登録はまた後日でいいです。他のところを回りましょう」

「はい。どこか行きたいところはありますか?」



 少し考え込むタナカさん。



「では、何か食材とか、そういうものを売っている市場のようなところはありますか?」

「市場ですか、分かりました」



 私はタナカさんをつれて、市場にむかった。

 買い物は家族の中で私の役目だったので、市場には魔王が討伐される前も、後も毎日のように訪れていた。ただ、今は少し懐かしいような気がした。

 目的の市場にはすぐについた。



「だいたい、このあたりから市場です」



 そのように説明して、タナカさんと一緒に市場を歩き始めた。

 魔王が討伐される前は和気あいあいとした雰囲気だった市場の空気は、今はぴんと張り詰めていた。食べ物を売る人も、買う人も、守る人も、誰しも自分の生活を守ることに必死なのである。



(私もお父さんやお母さんがいるときは、必死になって交渉したな……)



 魔王討伐後、死ぬ思いで働く両親に少しでもたくさん食べてほしくて一つでも多くの野菜を、ひとかけらでも多くのパンを手に入れようと必死だった。



 そのとき向こう側から、腕に果物を抱えた男の子が、こちらにむかって走ってきた。そしてその後ろを、鬼のような形相をした男がおいかけている。



「待てや、糞がき!」



 男の子は必死になって逃げていたが、大人の脚力にはかなわないらしく、ついに捕まってしまった。私の位置から、ほんの数メートル先で倒れこむ男の子。男の子はそれでも落とした果物を拾おうと必死だった。しかし、そんな男の子に対して馬乗りになる男。そして、



「この泥棒が、死ね! 死ね!」



 大男が男の子の頭を、思いっきり殴っていた。必死になって、手で頭をかばう男の子。

 これも魔王が討伐された後は、毎日見る光景だった。全員が食べ物を買えるわけではない、買えない人も必死に自分の生活を守っている。



 何度も目にしたことある光景のはずなのに、男の子が一発殴られるたび、私の胸は痛み、手が震えた。私もあの男の子と同じ、ひとかけらのパンすら買うことができない人間なのである。あの男の子と私の違いなんて、たった一つの幸運をのぞいて他には何もない。

 私は、タナカさんの服の裾をつかんでいた。



 やがて少年は、気を失ったのか動かなくなり、男も満足したのかおちた果物を拾って去って行った。

そして何事もなかったかのように、周りの人は男の子を無視して通り過ぎてゆく。

 横を見上げると、タナカさんは放心したように男の子を見ていた。

 私はこれ以上、あの男の子のことを見ていられなかった。



「あ、あの、タナカさん。行きましょう」

「あ、ああ」



 私はタナカさんをせかした。

 私は卑怯だった。たった一つの幸運を逃したくなくて、私は男の子の横を素通りした。それからやっと、タナカさんの服の裾をはなした。



 それから私とタナカさんは、無言で市場を歩いた。険悪というわけではないのだけれど、先ほどの出来事が尾を引いていた。

 そのときひときわ大きな怒号が、前の店から聞こえてきた。



「おい、てめぇ。なんだこの値段は! ぼったくりじゃねぇか、ふざけんじゃねぇぞ!」

「はっ。いくらの値段をつけようがそれは私の自由だろう! 嫌なら買わなくて結構だよ、こっちだってね、金よりまだ物のほうが信じられるってもんだ!」



 恰幅のいい女性の店主が、客の男性と言い争いをしている。



「このブラックオーガの肉はね、うちの旦那のパーティーが死ぬ思いして狩ってきたものなんだよ、これ以上はびた一文まけられないね!」



 店の商品を守っていた男が二人、客の前に立ちはだかる。客の男は舌打ちをして去っていった。

 私は特段気にすることもなく、その店の前を通り過ぎようとした。

 しかし、



「待ちな、そこの亜人間の女の子を連れた兄ちゃん」



 そこの店主に声をかけられてしまった。正確には私がではなく、タナカさんがだけれども。

 私は立ち止り、タナカさんのほうを見上げた。タナカさんはゆっくりと、その店主のほうを向いた。



「えっと、私のことでしょうか?」

「そうだよ、あんたのことだ。こっちきな」



 店主に呼ばれたタナカさんは、なぜか私を見た。私はタナカさんに従うだけである。

 タナカさんは結局、その店の前に立った。私はその少し後ろで控える。



「なんでしょうか」

「ふむ……」



 タナカさんをじろじろと見る店主。ちょっとぶしつけすぎないだろうか。私は少し嫌な気分になった。



「……あんたのその服、中々にいいもんだね。とくにそのズボン」

「え? あ、そうですか?」



 どうやら、店主はタナカさんのきている服にめをつけたらしい。たしかにタナカさんのきているものは最高級品だと思う。



「どうだい、あんたのその上下の服と、ブラックオーガの肉で物々交換しないかい?」

「物々交換ですか?」

「そうさ、私達が狩ってきたブラックオーガ全部とさ。今着替えが今ないって言うんだったら、ぼろを一枚やるからさ、帰りはそれを着て変えればいい」

「いや、その、ブラックオーガの肉を食べたことがなくて……」

「なんだって、そりゃもったいない。ブラックオーガの肉は脂が多くておいしいんだよ。それに日持ちの魔法もかけてあるから、食べない分は売ればいい。こんな時代だから食べ物はいくらでも高く売れるさね」

「は、はぁ……」



 タナカさんはにえきらず、断ろうとしない。

 ブラックオーガの肉。たしかに柔らかくておいしいお肉である。でも、魔王討伐前ではお肉と衣服なんて単価が全然違うものだった。それを交換だなんて……



「待って下さい、ブラックオーガの肉、いくらとですか?」



 私は思わず口を挟んでいた。商人であるタナカさんにとってはいらぬ手伝いかもしれない。でも店主に一方的に押されているタナカさんを見ていると、思わず口が出てしまった。



「なんだい、あんたは。私は今、この兄ちゃんと取引をしているんだ。関係がないなら引っ込んどいておくれ」

「関係は、あります。私はタナカさんに雇われているんです」



 そう、私はタナカさんに雇われているのである。これも仕事だと、私は思うことにした。

 舌打ちする店主。

 するとタナカさんが私に耳打ちをした。



「あ、あの、ミーヤさん」

「はい、何でしょうか、タナカさん」

「私、ブラックオーガの肉よりお金のほうがいいかなって……」



 物々交換より金貨のほうがタナカさんはいいらしい。

 私は了解して、タナカさんの言葉を店主に告げた。



「タナカさんは、ブラックオーガの肉より金貨のほうがいいそうです」

「金貨だって?」



 店主さんが露骨に嫌な顔をした。



「あんまり手持ちの金貨が多くなくてね。どうしても金貨がいいのかい?」

「ええ、できれば……」

「そうかい。じゃあ、金貨三枚でどうだい?」



 金貨三枚。そんなの魔王討伐前の値段、いやそれにしたって安すぎる。



「待って下さい。そんなの話になりません。タナカさんの服はおかみさんも見てわかるとおり、とてもいいものです。それを今の時代に金貨三に枚なんて、ありえません。せめて十枚はもらわないと」



 私は異を唱えた。



「はっ、十枚だって! そっちこそふっかけすぎもいいところだよ。物の相場ってもんを学んできなお嬢ちゃん、どんなにだせても五枚だね!」



 店主は言い返してくる。ここで負けては足元を見られる。



「そちらこそ! 今の……」



 私がさらに言い返そうとした時、タナカさんが私の肩をたたいた。そして首を振るタナカさん。



「あ、じゃあ五枚でいいです」



 タナカさんは、店主に対してそう言ってしまった。



「タナカさん!」



 これではタナカさんがものすごく損をしている。私の必死の訴えにも、タナカさんは、大丈夫だから、と繰り返すだけだった。



「……ふん、なら交渉成立だね。金と着替えの布を一枚持ってきてやる。そしたら着替えるんだよ」

「え、ここでですか?」

「ああ」



 男性二人が、お金と布をとりに走ってゆく。



「……それとね、あんた。大きなお世話だろうけれど、そんな小さな女の子に交渉を任せるって、男としてどうなんだい」



 店主がタナカさんにそう言った。その瞬間、自分でも信じられないくらいに、頭がかっとなった。



「はい、おっしゃる通りです」

「タ、タナカさんはすばらしい男性です!」



 タナカさんは、すごく優しい人なんだ。何にも知らないくせに、勝手なことを言わないでほしい!

 私が睨むと、店主は私に眼を据えた。



「あんたがそうやって甘やかすから、その男は駄目なんじゃないのかい?」

「そ、そんなことありません。タナカさんは私を助けれくれました! 今回の交渉だって、私が勝手にやっただけです!」

「何言ってんだい、その男はまともに交渉すらできてなかったじゃないかい」

「ち、違います。タナカさんはすごい商人さんなんです。ただ……すごく優しくて、ちょっとずれているので、ただで色々あげちゃう人なんです!」

「……それ、商人として駄目じゃないの」



 私と店主が言い争いをしていると、少しして男がお金と着替えの布を持ってきた。



「ほら、これに着替えな」

「えっと、着替える場所とかは……」

「あ?」

「いえ、すみません」



 タナカさんは上と下を脱ぎ、受け取った布に着替えた。



「それとほら、金だ」



 タナカさんは金貨を受け取り、それを財布の中に閉まった。

 それから私とタナカさんは、その店を後にした。タナカさんが今日はもう帰りたいと言ったので、タナカさんの家にむかって歩きだした。

 私は帰り道の間、不機嫌だった。あの店主にタナカさんを馬鹿にされたことが、悔しくて悔しくて、許せなかった。タナカさんもなぜあの時、もっと私に交渉を任せてくれなかったのだろう。



 やがてタナカさんの家についた。

 タナカさんに勧められて、私は部屋に上がらせてもらった。



「えっと、ミーヤさん。明日は休みにしたいと思います」



 服を着替えたタナカさんは、椅子に座った私に対してそう言った。

 それはつまり、明日は仕事を貰えないということ。

 私の燃えていた胸中が、すっと冷たくなった。



(ということは、明日は何も食べられないな……)



 私は内心でおちこみながらも、頷いた。

 そんな私に対して、タナカさんが手を差し出してきた。



「ああ、あとこれ」



 差し出されたタナカさんの掌には、金貨が二枚のっていた。



「え?」



 思わずタナカさんのほうを見上げてしまう。



「いや、自分だったら金貨三枚で売ってたので、残りの二枚はミーヤさんに差し上げます。それに今日はすごく助かりました」



 タナカさんは、本当に何でもない風に、そう言った。



「あと、明日も日が暮れる前にきてくれれば、食べ物はあるので」



 胸の内で今まで残っていたタナカさんに対する違和感のようなものが、とけて消えた。



(……ああ、そうか)



 なんとなく、分かってしまった。



(この人は、どこまでもお人好しなんだ……)



 こんな殺伐とした世の中にはまるでそぐわないほどに。だからこそ、私はタナカさんを見て、ずっと不思議だと感じていたのだろう。

 私は出された金貨を受け取り、握りしめた。



「……タナカさんは少し、人が良すぎると思います」



 あついものがたくさんこみあげてきて、私はそう呟いた。



 その日、私はタナカさんから頂いた金貨のおかげで、かつて両親と一緒に暮らした家を再び借りることができた。

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