魔法使いヤバイです
く、くるしい・・・・・
「どういうつもりだ!!!!」
頭の血管が切れるのでは・・・・・
と、心配したくなるぐらい真っ赤な顔をして
あとから入ってきたエル王子が怒っています
「そんな大声出さないで下さいエル王子」
気だるそうに私の隣に座るエル王子が言うと薄いモヤみたいなのに包まれ姿を変える
そこには勇者一行の中にいた魔法使いが現れた
「サラサに協力するよう頼まれたのですよぉ」
黒いローブを頭からすっぽり被っていて表情はよくわからないが・・・・・
口元は笑っています
反省している風にはこれっぽっちも見えないな
「ゼロ・・・・・貴様、俺に化けて」
「可愛い村娘に尋問ですよ、エル王子はルックスがいいから喜んでコロッと吐いてくれると思って」
・・・・・
逆に怖かったです
「その娘を連れて来るなんて・・・・・これ以上アキラとの関係が悪くなる事をするなんて・・・・・」
エル王子は私を睨み、苦しそうな顔をした
ん?もしかして、私が前の世界で勇者さんの妻って事知らないの?!
この二人、勇者さんと仲良かったのかな
2年も一緒に旅をしていたから当然か
「・・・・・アキラさんは俺達の事が嫌いなんですよ」
魔法使いゼロはどこか悲しそうに言った
勇者さんが彼らを嫌っている・・・・・
おそらく勇者さんは彼らが私の存在を知らない事を知らないから、そんな態度をとったのだろう
「そうですよ」
部屋の入口に人影
「アキラ?!」
「アキラさん・・・・・」
私とエル王子と魔法使いゼロは驚き入口を見る
「だから、もう俺に構わないでくれ。カリン迎えに来た。さあ帰ろう」
無表情のまま、スタスタとソファに歩いてきて
ぐいっと私の腕を掴み立たせた
「ま、待って!ちゃんと話をした方が・・・・・」
私の言葉を無視して、そのまま立ち去ろうとする
このままじゃダメだ
「アキラ!」
私は思わず呼び捨てで呼んだ
勇者さんは私を見て少し驚いた顔をした
そして、寂しそうな瞳に戻って足を止めた
「はぁー。何を話せば?」
ため息を付き面倒くさいといった態度
「エル王子達は私の存在を知らないみたいよ?」
「・・・・・?まさか。だって今だって誘拐してきてるし」
「んー、勇者さんが私と出会ってから態度が変わったから私が何かしたんじゃないかって・・・・・」
「それは・・・・・」
「そうよねー仲良かった仲間がいきなり態度変わったら心配するわよねー」
私は白々しく言った
「・・・・・」
「本当の事、聞いてみたら?」
「なんだ?本当の事って・・・・・」
エル王子が不思議がって聞いてきた
勇者さんはエル王子をまっすぐ見つめ
「・・・・・カリンは俺の妻だ」
「??」
エル王子と魔法使いゼロは何を言ってるんだ?という表情だ
「正確に言うと、この世界に召喚される前の世界で俺とカリンは夫婦で二人とも召喚されたんだ。そこで俺に勇者を真っ当してもらうため妻は人質となる所だった。まあ、ある方に助けてもらったから良かったけど」
私の腕を掴む手に力がこもったのがわかった
「俺には過去記憶はあるが、妻にはない・・・・・」
「そんな事・・・・・初耳だ。召喚されたのはアキラだけだと・・・・・」
エル王子は愕然としていた
本当に知らなかったのだろう
魔法使いゼロも俯き何かブツブツ言いながら考えている
「エルもゼロも知らなかったのか?てっきり、知ってて俺に隠しているのかと」
勇者さんは不思議そうに尋ねた
エル王子は知っていたら黙っていないっと言った
勇者さんは少し嬉しそうな顔をした
「召喚したのは魔術師グラディウスです。奥さんを人質・・・・・・あの方ならやりかねないですね。おそらく、記憶もグラディウスが奪ったのでしょう」
「!!」
「記憶・・・・・取り戻せるの?」
私は魔法使いゼロに詰め寄る
「ええ、奪った本人にならできると思いますよ」
パソコンの方が入力はやいっす