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国立図書館デート?

イズミはカリンの男バージョンです

次の日私は熱が出た

38.8℃

侍女の仕事を急きょ休みにしてもらい、噂を聞いてか巫女様がお見舞いに来てくれた

この世界で風邪を引いたことがなかったので少し驚いたが、流石魔法の世界

巫女様がベットに横たわる私の額に手をあて、なにか呪文を唱えると熱と身体のだるさが引いてきた


「ありがとうー巫女様」


「・・・・・只の風邪じゃないはね。なにか魔法の副作用って所かしら?」


「え?」


私は変身魔法の薬の飲み過ぎしか思い当たらなかった

その事を巫女様に話すと可能性大との事

あまり魔法慣れしてない人が多量接種すると副作用がある事もあるらしい

となると、次アキラに会う時を最後にした方が良さそうだな・・・・・

巫女様は私がアキラと会っている事を聞いて少し嬉しそうにしていたがBL疑惑を話すと顔を引き攣られ


「もし本当にそうだったら、かかと落としを食らわせて差し上げますわ」


「かかと落とし・・・・・」


たまに巫女様は冗談か本当か過激な事を言うので、正直面白い・・・・・

ぜひ、お願いします!


次の日、アキラと13時に城下町中央公園噴水前で待ち合わせ

昨日休んだので今日侍女の仕事に出た方がいいのではと思ったが、やはりアキラとのケリを今日つけたいと思い、まだ体調が少し悪いと言ってお休みを頂いた

巫女様のおかげでもうピンピンしてますが・・・・アンさんごめんなさい


天気が良く、きらきらと輝く噴水の水しぶきと水に映る美男子イズミ(自分)の姿を眺めアキラを待っていた

デートのワクワクよりも、どうやってアキラBLの証拠を掴んで、罵倒してやろうかと考える

待ち合わせ時間丁度にアキラがやってきた

今日は飲みの時と違い少しキチンとした格好で、少し大きめなカバンを持っている


「すみません。お待たせして」


「いえ・・・・・あの、どこに行きます?」


「今日は国立図書館に行きませんか?」


図書館?

私はデートにしては意外な所だなっと思った

学生なら一緒にお勉強とかで図書館はあり得るが・・・・・

しかし、断る理由も思いつかず「はい」と答えるしかなかった


国立図書館は大きく分けて二つのエリアに分かれる

一つは一般閲覧エリア、ふつうの書物なのは全部こちらで閲覧でき一階フロアにある

もう一つは特別閲覧エリア、こちらは特殊な書物ばかり置いてあり、許可書がないと入る事が出来ない2階フロアである

アキラは迷うことなく2階の特別閲覧エリアに向かった

私は許可書なんてないので入れないが、アキラが大丈夫と言ってとりあえず付いて行く

入り口に立っている警備の人がアキラに気が付き軽く手をあげる


「おや?アキラ様、今日は助手付ですか?」


「ああ、デートだよ」


「へ?」


ニヤニヤしているアキラに対し、警備の人は少し間抜けな表情になる

私は目を細めアキラを軽く睨むがアキラは気が付かない


「冗談。こいつ許可書忘れたんだ、今日だけ許してくれないかな?」


「はは、ですよねーアキラ様ならいいですよ!どぞ」


警備の人が鍵のかかった厳重な入り口を開け、中に通す

いいのか警備!それで仕事になるのか!?

私は心の中で突っ込みを入れながら中に入ると一階フロアとは全く違う空気が漂っている空間が広がっていた

天井まである棚に大小色とりどりの本がぎっしりと詰まっている

小さな窓しかないせいか古い本独特の匂いと凛とした静けさを感じる

灯りが暗く文字がみにくいと思っていたが、専用のライトが所々にあった


「イズミさんこっち」


本棚の迷路のように進み、奥の一角にテーブルとイスとライトがある

そこに腰をかけ、アキラはカバンの中から資料を出した

私はその資料に目をやると異世界の本や勇者の歴史、魔法の本などなど


「ちょっと調べ事でね。」


私はノートにぎっしりと書かれているアキラの文字をみて

あーアキラって前の世界でもこういう所あったなーっと思い出していた

研究熱心というか、気になった事はとことん調べる、情報収集が得意なタイプだった

私は逆で気になったことは自分の身体で調べるってタイプだったけど

アキラが本を読み出し、私も向かい側に座り一時勇者の歴史っていう本を読んでいたが、眠たくなってきたのでその辺を歩くことにした


「あ、あまり適当に本開くと呪われているのもあるから気を付けてね」


さらっと恐ろしい事をいうアキラに少し青ざめ頷きフラフラと歩き出した

呪われるのはもう懲り懲りです

字が読める本と読めない本があり、古い本に新しい本、触っても良さそうな本に何故か鍵付きのヤバめな本

触ってはイケナイと言われると触りたくなるんだよね・・・・・

人差し指でちょんっと鍵のついた本を触ると何故か本が勝手に動き出し棚の奥に一冊分引っ込んだ

私は慌てて元に戻そうとするがバサっと一冊の本が落ちる音がした

本棚の後ろに回り見ると、ヤバそうな本に押され一冊の本が普通に落ちていた

そりゃそうだ・・・・あの本が勝手に動く以外は普通だ

そのくすんだ緑色の本を拾い棚に返そうと思ったが、ひとつの文章が目に留まる


『勇者召喚魔術師 グエン・アイダ』


グエン・アイダ?


「どうしたの?」


私の左耳から突然アキラの声が聞こえ驚き振り向く

すぐ後ろに立っていたアキラとの距離が近すぎて思わず後ずさりをしてしまった

右手に本を持って首を傾げるアキラはニコリと微笑み距離をつめてくる


「あ、いや本が落ちて、その」


「なんで逃げるの?」


そりゃ距離をつめてくるからです

顔を赤くして後ずさりしていると本棚の壁に背中があたり逃げ場がなくなる

アキラは微笑んでいるがその瞳は情熱的な色変わっていた

イズミに・・・・・そんな顔・・・・・

沸々と怒りが込み上がってくる

まて、押さえろ私、これは徹底的証拠にはならない

私は感情を押し殺し、演技をする事にした

悩ましげな目でアキラの瞳を見つめ


「アキラさん・・・・・」


ふたりの間になんとも言えない甘い空気が漂いアキラは私を囲うように壁に手を着け顔を近づけ呟く


「キス・・・・・してもいい?」





アキラは勇者何代目なのだろうか・・・・・この設定いるかな?

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