小瓶げっと
魔法使いゼロ久々登場
ゼロは辺りを見回し、ここがサラサ姫の部屋だとすぐに解り、機嫌の悪いサラサ姫と申し訳なさそうにしている私をみてキョトンっとした
「ゼロ、カリンがあなたに頼みたい事があるらしいの」
サラサ姫の身に何か危険な事が起きたと思って慌ててやってきたゼロは腰に手を当てて仁王立ちしているいつものサラサ姫にホッと力が抜ける
ぼさぼさになっているスカイブルーの髪を手串で軽く整えて小さくため息をつき
「サラサ姫、チャームの呼び出しは緊急時だけにして下さい。僕の寿命が縮みます」
「あら?私にとっては緊急事態よ?それにゼロは魔法使いなんだから寿命ぐらいいくらでも伸ばせるでしょ?」
「伸ばせませんよ・・・・・僕は」
苦い顔をしたゼロは視線を私の方に移し数歩歩み寄り
「すみません。アキラさん、まだ見つからなくって・・・・・」
あ、ゼロもアキラを探してくれていたのか・・・・・
少し申し訳なさそうにしているゼロに私は手をぶんぶんと振って
「あ、いいのいいの!それより、頼みたい事があって・・・・・その」
私はチラッとサラサ姫を見るとゼロはすぐにサラサ姫に聞かれたくない事だと判断して手に持っていた杖の先で床を軽く突き私とゼロを包む結界を張る
サラサ姫は自分がのけ者になって更に腹を立てて結界の外でキーキー喚いていた
「あーいいの?サラサ姫」
「チャームで呼び出した罰ですよ。後が怖いけど・・・・・」
私とゼロはサラサ姫を見て苦笑いをした
「あ、そうそう。変身できる魔法の小瓶を作って欲しいの!ほら、アメリア様が持っていた物で」
「え?あれですか?どうして?」
「やっぱり・・・・・理由言わなきゃダメ?」
「作る僕には知る権利はあると思いますが?」
「ですよねー絶対誰にも言わないって約束で!」
私は両手を合わせてお願いすると困った顔のゼロは
「内容にもよります・・・・・」
私は超美肌の温泉での事を正直に話した
嘘を話すって選択肢もあったが、基本嘘をつくのが苦手ですぐバレるる様な気がしたのだ
私の話を一通り聞いたゼロは顔を引き攣らせて笑いを堪えている
ですよねーっと私はしらっとした顔で遠くを見ていた
「ぷっ・・・いいですよ。何個作りましょうか?」
「うーん、予備が欲しいから5個で!」
笑いを堪えながら杖を数回まわし呪文を唱えると何もなかった空間に紫色の液体が入った小瓶が5個現れる
ゼロはそれを片手ですくい取り私に差し出す
「ありがとう・・・・・あの。内緒で・・・・・」
「わ、わかりました。ぷっ・・・・機会があったらアキラさんに僕にも連絡を寄こすように言って下さいね」
まだ笑いを堪えながらゼロは小瓶を私に渡した
少し情けない気持ちにながら受け取りポケットにしまう
ほんと、いい笑い話になりそうだ・・・・・
ゼロ、頼むから誰にも言わないでー泣
結界を解くとサラサ姫のキーキー声が部屋中に鳴り響き侍女のアンさんも心配になって駆けつけていた
ゼロはサラサ姫を宥めながら、星のチャームをまた作りサラサ姫の首にそっとかける
サラサ姫は少し頬を赤くして口を尖らせブツブツ言いながらもちゃんと受け取っていた
お?もしかして・・・・・この二人いい感じなのか?
その後、ゼロは転移魔法で帰ると私は予想通り?サラサ姫の嫌がらせ的な量の仕事を押し付けられ寮に帰るのは夜中になった
話を進めたい!!進めたいのに進まない(笑)




