お姫様王子様怖いです
バンッ!!
「ちょっと!!聞いてるの?」
目の前でお姫様がもの凄い剣幕で怒っています
王家の馬車なので立派な方だと思うのですが、やはり狭い空間
向い側に座るお姫様に睨まれタジタジです
私の隣には、姫様付きの侍女が座っています
「だから、何度も言うように私と勇者さんはそういう関係ではなくて・・・・・」
「嘘おっしゃい!!じゃなんで、アキラさまは私と結婚して下さらないの?おかしいじゃない!!」
そんなこと言われても・・・・・
「エルお兄様がアナタと出会ってから、アキラさまが変わったって言ってたわ!」
エルエル・・・・・あーあの偉そうな戦士か
「何がしたのでしょう?呪いでもかけたの?白状しなさい!!」
呪って・・・・・私何者??
はぁーため息が出た
なんだかんだしていると、大きな屋敷の前で馬車が止まった
屋敷から数人迎えにくる
私は騎士の様な人達に連れて行かれた
ガチャ
「此処で大人しくしていろ」
屋敷の中の普通?の部屋に入れられた
ガチャリ!!
ん?
鍵が締まる音
良く見るとこの部屋の窓には格子
扉の鍵は外鍵
ちょっとした監禁部屋ではないか・・・・・
私は仕方無く、ソファに座った
さっきのお姫様はアシャーン国、第二姫サラサ皇女らしい
勇者さんと結婚が噂されている姫だ
その姫が私と勇者さんの関係を問に来たのだ
てか、拉致監禁されてますが私・・・・・
このまま、帰れなかったらお父さん心配するだろうな
ガチャ
ん?誰か入ってきた
・・・・・
「生意気な村娘、久しぶりだな」
げ、偉そうな戦士だ
村で遭った時とは違い、王子という立場の服装をしている
一部の人にはイケメン王子と人気があるようだけど
性格が残念なので私は全くイケメンと思えない
私が座っていたソファの横にドカッと座り脚を組む
私はすっと距離をあけた
「妹がさー、アキラと結婚したがってるに、アキラは心に決めた人がいるって言って結婚してくれないらしいんだよね」
私の後ろ、ソファの背もたれに腕を伸ばし距離を詰めてくる
『心に決めた人』
私?自惚れだろうか?
「あんたに出会ってからアキラ変わってさー鬼の様にダンジョン攻略していくし、無茶するし、俺らついて行く大変だったんだよね」
「へ、へー」
どんどん近づいてくるエル王子・・・・・
エル王子の両腕に囲まれる形でソファの角に追い込まれ私は逃げ場がなくなっていた
「あんた・・・・・アキラになにしたんだ?」
薄ら笑いながら、睨み付けられた
ひーーーー泣
なんだか、色んな意味で怖いです
「ちょ・・・・・近すぎです!!離れて下さい」
私は無駄にデカイ図体の王子(元戦士ですが)を力いっぱい両手で押し返した
まあ、対して動きませんが・・・・・
「そんなに知りたいなら、本人に聞けばいいじゃないですか!?」
王子はすーと悲しい目をした
そして、私から離れソファに座りなおした
「あいつ・・・・・何も話さないんだ。あんたと出会ってからな。必要最低限の事しか話さなくなった」
・・・・・国への不信感だろう
私だって、こんな国信用出来ないって思ってしまう
まして、彼はこの国の王子・・・・・
でも、数年間一緒に旅をした仲間
信頼関係もあっただろう
私がいなければ・・・・・
勇者さんは幸せだったのかな?
無意識に涙か流れた
「・・・・・あれ?」
なんで泣いてるのかな私
「ぉい・・・・・」
王子がギョっとした表情で私を見たあと、そっとハンカチ差し出した
「あ、ありがとう・・・・・」
ドン!
「ーー!!」
部屋の外が騒がしくなった
扉を激しく開ける音と言い争う声
段々、近づいてくる
「あのー」
「あーあ、思ったより早く来たな・・・・・」
王子はやれやれと言った表情でソファにふんぞり返る
バン!!!
扉が開くと血相を変えたエル王子が現れた
へ?王子?
エル王子が2人????
私はキョロキョロとふたりを見比べた