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グラディウスの野望

短めです

魔法使いゼロに連れられて、私とアキラと巫女様は魔術師グラディウスの部屋に入る


「こっちです」


私の記憶を戻す魔法陣があった部屋に隠し扉があった


更に奥に進むと小さな書斎の様な部屋

机の上にある漆黒の本が妙に存在感がある

魔法使いゼロはその本を手に取り真剣な目をしてアキラに渡す


「禁断の書物です。呪いなどは解除されています。おそらく師匠が解除したのでしょう・・・・・どこから手に入れたのかわかりませんが。内容は様々ですが、異世界から勇者を召喚する方法や記憶を消す方法、呪いの指輪を作る方法など書かれていました」


なるほど、いくら強い魔力があっても使い方がわからなければどうしようもない


「問題は最後の項目です・・・・・」


そういうと、魔法使いゼロは唇を噛み締めた

アキラはその様子をみて、禁断の書物を開き最後の項目に目を通し驚き固まった

その様子をみて私と巫女様は禁断の書物を覗き込む


『魔王を誕生させる方法』


「そんな・・・・・馬鹿な・・・・・魔王を誕生させる方法があるのか?」


アキラは小さく唇を震えさせた

巫女様がアキラの手から禁断の書物を奪い読む


「異世界の者とこの世界の者の混血により、魔王の子が生まれる・・・・・と書いていますね」


巫女様は私とアキラに目をやる

なんだか納得が出来た

私の記憶を消し、嫁にして子供を実験しようとした魔術師グラディウス

アキラとサラサ姫を結婚させようとした事も納得出来る


「魔王を誕生させようなんて・・・・・重大な禁忌です。直ぐにも王に報告をしなくては!グラディウスは今何処に?」


巫女様が魔法使いゼロに聞くとゼロは首を横に振り


「おそらく、もう城には居ません」


アキラは何か思い立った様に巫女様から禁断の書物を借りて読み出した


「ゼロ・・・・・異世界に戻る方法が書いてなかったか?」


そうだ!異世界から召喚する方法が書いているのなら、もしかして・・・・・

私は魔法使いゼロを見たがゼロは残念そうな顔で


「僕もそれを思って調べたのですが・・・・・この禁断の書物には載ってなかったです」


がっくし・・・・・

私とアキラが残念がっていると


「このって事は、まだ禁断の書物はあるって事?」


巫女様が鋭い突っ込みを入れた

魔法使いゼロは頷き


「はい。この禁断の書物に上と書いてます。恐らく、下が存在します」


私は少し希望が見えた気がした

アキラもそれを聞いて私と目を合わせゆっくりと頷いた



この重大事項はすぐさま王国会議の議題になり魔術師グラディウスは指名手配される事になり、禁断の書物は再び何処かに封印された



グラディウスやっぱり悪い奴って事で!

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