夫婦ですか?
誤字脱字ごめんなさい
「ただいまー!!お父さん?」
「おーおかえり・・・・・」
父が部屋の奥から現れ、勇者さんを見ると険しい顔をした
「お邪魔しています。アシャーン国の依頼を受け魔王討伐の旅をしているアキラと申します」
真剣な眼差しで父をみる勇者さん
「お父さん・・・・・」
父は私に目をやると、はぁーとため息をついた
「かけたまえ。カリン、お茶を入れてくれ」
「・・・・・はい」
私はお茶の準備をして、ダイニングテーブルに座った
「勇者殿、その様子だと前の世界の記憶がおありのようですな」
静かに話が始まった
「はい。カリンさんは・・・・・俺の妻です」
「・・・・・」
私は父を見た
私には記憶がない、今まで父が私に教えてくれた事を信じてきた
それなのに・・・・・泣きそう
父は優しい眼差しで私をみて
「カリン、すまなかったな・・・・・ある事情があって、今まで隠していた」
「ぅ・・・・・」
「勇者殿、心して聞いて欲しい。確かに3年前、貴方とカリンは召喚された。しかし魔王を倒す勇者はひとりで良かったのだ。そうなると、弱そうな女は・・・・・もしもの時、勇者が裏切らないように人質とする事になった」
人質・・・・・
「私は当日、王国近衛騎士団隊長でね・・・・・こちらの勝手で召喚したのにその考えが納得出来なくてね・・・・・カリンを連れ去ったのだ」
思ってもみなかった・・・・・私がこの世界の人ではないなんて
この勇者さんと夫婦だなんて・・・・・
「俺が目を覚ました時には、もうひとりでした。妻の事は誰からも聞かされていません・・・・・」
勇者さんは顔を歪めた
そうだろう
何を信じていいのか、分からなくなる
「勇者殿よ・・・・・カリンは記憶がない、この際カリンの事は諦めてくれないか?今更、この子の幸せな時間を奪わないでやって欲しい」
お父さん・・・・・
私の存在が公にでれば、また私の身に危険がおよぶと父は考えたのだ
勇者さんは俯き、返信をしない
私はどうしたらいいのか・・・・・
「では、妻に危険が無くなればいいのですね」
勇者さんがそう言うと席を立ち帰ろうとした
「あ、あの・・・・・」
私は少し戸惑って声をかけた
「・・・・・カリンさん、必ず迎えに来ます。」
勇者さんは決意をした瞳で私を一目見て帰って行った
父は私の肩に手を乗せ
「カリン、様子を見ようじゃないか・・・・・」
私はそっと頷いた
次の日には、勇者一行は街を出ていた
あれから3ヶ月後
私は相変わらずな生活をしていた
勇者一行が魔王を倒したと国中が大盛り上がりになった
噂では、姫様と勇者が結婚とかなんとか・・・・・
まあ、国を救った英雄と姫様がなんてよくある事だ
私が妻だったって事も前の世界だし、記憶もないままだし
このまま、のんびりといい人見つけて過すのも悪くない
そう思っていたのに・・・・・
何故か、買い物の途中王家の馬車に拉致られました