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勇者さんと私

「キミを逃がさない・・・・・」


甘く耳元で囁く

彼は魔王を倒し、この王国を救った勇者

そして、私は・・・・・




3ヶ月前

魔王を倒すため勇者一行が私の住む村に来た


「おい、娘!宿は何処だ?」

偉そうに戦士が聞いてきた


「・・・・・宿は2軒隣ですよ」

私は洗濯物を干していた

3日ぶりの晴天、溜まっていた洗濯物をとっとと片付けたい

ふっと、勇者と目が合う

勇者は目を見開いて、固まっていた

私は不思議に思ったが、洗濯物を干す続きをした

勇者一行は4人

優しく賢こそうな勇者

偉そうな戦士(たしか何処かの王子様)

美しすぎる賢者(こちらは何処かの巫女様)

黒いローブにつつまれた魔法使い

只の村娘の私には特に関係ない

まあ、魔王倒してもらえれば魔獣被害が減る分ありがたいけどね


私は父と2人暮らしで宿屋の食堂でバイトをしている

25歳、彼氏なし・・・・・

美人でもないし、特別な力もない只の村娘です

今日もせっせと働きます!


「A定食ひとつとラーメンですね」

宿屋の食堂のバイトはまかない付きだし、たまに残り物を頂けるのでとても助かる


「カリンちゃん~お冷おかわり頂戴~」

「はーい」

「嬢ちゃん、ビール!」

「はい、はい」


この村では食堂はココしか無いので結構忙しい


ガチャ


また、新しいお客さん


ざわ・・・勇者一行だ

さっきまでガヤガヤしていた食堂が少し静かになった


「いらっしゃいませ、お決まりになりましたら呼んで下さい」

私は勇者一行がついたテーブルにお冷を4つ置いた

勇者は私をみて、ニコッと微笑む

相変わらず戦士は偉そうだ


「はあーまた、不味い食事か・・・・・」


「おい!失礼だろ?」

勇者さんが戦士を睨む

「はいはい」

ドカッと席に座った


むっか・・・・・

食べてもないのに店を馬鹿にしている


「ここで一番美味しいモノを出せ」

ふんぞり返っている戦士が言った

美味しいモノ・・・・・


「他の方は?」

「また後で注文しますわ。」

賢者が言うと魔法使いも頷く

勇者はすまないっといった顔をしていた


私はひとまず下がり、一番美味しいモノを準備した

お待たせしましたと、戦士の前に置く


「・・・・・なんだこれは?」

「チョコバナナパフェです」

「ふ、ふざけているのか!!」

戦士が真っ赤になって立ち上がった


「私的に此処で一番美味しいモノはチョコバナナパフェです。ふんぞり返って、ろくにメニューも見ないで注文する態度悪すぎです」

戦士は怒り私に掴みかかろうとした

勇者が急いで止めに入る

周りの客も野次をとばし騒ぎ出す

ソレを聞いて奥の方から女将さんが出てきた

なんだかんだで、女将さんと勇者さんが丸く収めてくれた


「カリンちゃん、お店を馬鹿にされて怒ってくれたのは嬉しいけど・・・・・あんな事しちゃダメよ?」

「はい・・・・・」

女将さんに怒られました

仕事が終わって余った煮物をお土産にもらい帰ろうとお店の裏口から出た時


「すみません!」

後ろから話かけられた

振り向くと勇者さんがいる

「あの、カリン・・・・・さんでしたよね?」

「はい・・・・・」

「さっきはうちのエルが失礼な事をして、すみませんでした」

勇者さんがペコっと頭を下げる


勇者さん悪くないのになー

「こちらこそ、ごめんなさい。大人げなかったです」

深々と頭を下げた


「あの、カリンさん・・・・・俺の事・・・・・」

「?」

勇者さんと変な沈黙になった

「あの、失礼します」

帰ろうとすると

グイッっと手首を掴まれ引き寄せ抱き締められた


「ち、ちょっと!!」

独身女性をいきなり抱き締めるなんて、なんて奴だ!!

私はそういう仕事してませんから!!

力に一杯に突き放そうとするが、びくともしない・・・・・


「っ離して!なに「俺たち夫婦だったんだ・・・・・」


はぁ?


魔王討伐の為、魔獣と戦い過ぎて勇者さんが精神が壊れたのか??

私を抱きしめている勇者さんに顔を覗くと

ライトブラウンの瞳に涙を溜めて愛しく切ない表情をしていた


ドクン・・・・・


なんだろう・・・・・胸が苦しい


「あの、夫婦だったって・・・・・私ずっと独身ですが・・・・・」

勇者さんがそっと私を離してくれた


「俺は勇者として、この世界に召喚されたんだ。その、前いた世界で貴方と夫婦だったんた」


「・・・・・他人の空似とか?」

「それも考えた・・・・・でも、性格もそっくりだし。もしかしたら一緒に召喚されたのではと思って。噂では、過去の記憶がないとか」


・・・・・その通りです。

私は3年前以前の記憶がない

父にいわく、頭を打ったからだと。

この村に引っ越して来たのも3年前

周りに接する人達は皆初めましてだったのであまり気にしてなかった


「・・・・・あの、勇者さん。父に聞きに行きませんか?」


「あぁ、もちろん行く」

私達は父に会いに家に向った

ヘタです

趣味です

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