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しるし(詩集)

帰ります

作者: さゆみ



夕暮れの空からなんとなく雨が落ちてきました


しっとり地面に吸い込まれる弱い雨


傘はなかったので僕も雨を吸い込みました


憂うつな空色に流れ出しているのは


数十ぴきの鯉のぼりで


しっとり泳いでるわけですよ


地面から浮かぶ雨の匂いが僕から滲み出した雨の匂いとぶつかって


噎せるのがなんだか悔しい



真っ直ぐに導かれるのはなんですか


帰りなさいって


帰ります


帰ります




逃げられない鯉のぼりは暗い空の中でも泳ぎます


ずっと同じ場所で 風に溺れて星のかたちも気づかずに


そこが居場所なんですか


僕もここが居場所なんですか


わからないです


逃げ出さないならここが居場所なんでしょうね


居場所の中に逃げ場所を作っています



だからつまらないんですよ 僕は


与えられた玩具を大事にしすぎるんですよ


だからつまらないんですよ 僕は


居場所も逃げ場所も既製品なんですよ



まっすぐに導かれるのはなんですか


帰りなさいって


帰ります


帰ります







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― 新着の感想 ―
[一言] わたしも帰ります。 さようなら。 また明日(*^^*) 素敵な詩です。 心に響きました。 ☆蘭菊
2013/07/18 17:58 退会済み
管理
[良い点] 淡淡と冷ややかな世界観があって、静かな感じが好きです。詩の心というものが充満していると感じました。これからも様々な色の詩を読ませて下さい。
2013/05/01 20:39 退会済み
管理
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