第八幕「ゼノンは深い海に沈み、二度と浮き上がることはできない by 。」
エノシガイオス都市部に帰還したバレラリィ一行とオーケアノスは、来たるゼノン戦に向けて準備を始めていた。
オーケアノス「だが、本当に『海底の呪い』は消えたのか…」
バレラリィ「確認しに行きましょう」
スラヤ「まだゼノンが来る時間まで遠いはずだ、時間はあるだろう」
オーケアノス「悪いが俺はここを離れられない…お前らが代わりに行ってきてくれ」
バレラリィ「分かった…行ってくる」
オーケアノス「あぁ、頼んだ」
バレラリィ一行はエルカーノの家に向かった
オーケアノス「さぁ、手はずは整えたぞ…フラグメント」
フラグメント「流石だね、エノシガイオスの傭兵…オーケアノス」
オーケアノス「……」
フラグメント「君の勇姿、見届けようじゃないか」
ゼノン「問答無用、私が滅す」
フラグメント「おや、もう来たのかい?」
オーケアノス「っな!ゼノン!」
《◇》
エルカーノ。「あっ…ゼノンが消えた… ふっ」
エルカーノ。「そう来るか… 卑劣だな」
《◇》
オーケアノス「どういうつもりだ」
フラグメント「君は数日前、ゼノンにティターン神殿に来るように言われた、そうだろう?」
オーケアノス「それで?」
フラグメント「その時言われただろう、海底神を倒せば『海底の呪い』が消滅すると」
オーケアノス「あぁ、そう言われた…だから俺達はティターン神殿に向かい、海底神を倒した」
フラグメント「その行動、実に愚かだね。君達は自らの手で、利敵行為をしてしまったんだよ…愚かな傭兵、オーケアノス」
オーケアノス「何が言いたい…」
フラグメント「実はね、ゼノンは『海底の呪い』にかかっていたんだよ…ゼノンの寿命は後2週間程度、僕達で倒すこともできたけど…彼女はそれをせず、君達に倒させるという決断をした。結果論に過ぎないけど、実に賢明な判断だと僕は感じたよ」
オーケアノス「…まさか」
フラグメント「ご覧してください、愚かな傭兵。ゼノン……いいえ、エルカーノの唯一の肉親の正体を!」
ゼノンと名乗るそれは顔を覆い隠すローブを脱ぎ捨て、素顔を見せた
オーケアノス「あり得ない… なぜそんな事を…」
フラグメント「はははははっ!これが…自らの手で海底神を倒せなかった…彼女なりの贖罪なんだ!ふふっ…はははははっ!」
オーケアノス「見損なったぞ…カリス・ガルシア」
カリス「オーケアノスさん、あなたには感謝しています。私達の代わりに…海底神を討伐していただいて…」
オーケアノス「お前がゼノンと名乗り、エノシガイオスを襲撃した理由を話せ」
カリス「私はとっくにフラグメント様から聞かされていた情報を、あなた達はいつまで経っても見つけられないんですから…私が教えて上げてあげたんだよ」
オーケアノス「お前は海底神を倒せば『海底の呪い』を治せるとフラグメントから聞かされていた、だが俺達はいつまで経ってもその方法を見つけられず、いらだちを覚えたお前はゼノンを名乗り、俺達に治癒方を伝授した。そう言いたいのか?」
カリス「だからさっきからそう言ってるじゃん…理解力足らなすぎじゃない?」
オーケアノス「正直疑問的は多々あるが、今はお前たちを倒すことに専念しよう。かかって来い」
???。「それは駄目だよ…オーケアノス。」
オーケアノス「っ…戻ったか、エルカーノ」
エルカーノ。「姉さんは…僕が殺す。そう決まっている。」
オーケアノス「そうか、ならば…盛大に別れを告げてくるといい!エノシガイオス騎士団長、エルカーノ・ガルシア。その剣先で、己の最後の肉親を討ち、エノシガイオスの贖罪となれ!」
オーケアノス「行ってくるといい…後のことは心配するな。諸々は俺が引き受け背負う」
エルカーノ。「ありがとう、オーケアノス。」
フラグメント「よく分からないけど、質問攻めにあいたくないから…僕はこの辺で撤退するよ」
そう言い残し、フラグメントは姿を晦ます
エルカーノ。「姉さん、君は病に苦しむのが嫌になり、破壊衝動が芽生えた…、君は身分を偽り、エノシガイオスを破壊し始め、終いには僕をも討った。」
カリス「フラグメント、昔は可愛かったのに…なんでこんな人に育っちゃったんだろうね…君は戦闘能力も高くなければ、索敵能力も高くない…私は騎士団長という肩書だけであなたを称え上げすぎたみたい」
エルカーノ。「僕は今の姉さんを姉さんだとは思わない、ゼノンとして、この世から狩り尽くす。」
カリス「やってみせてよ…私の自慢の弟!」
エルカーノ。はカリスに接近するが、カリスは刀で居合斬りをし反撃する
エルカーノ。「日中ずっと寝込んでた割には…中々やるようだね…。」
カリス「これが…アルケーミデン様の力よ!あなたなんか──」
次の瞬間、カリスの右腕が消し飛ぶ
カリス「なっ""!」
エルカーノ。「アルケーミデン…それが、壊滅インベーダーのボスの名か…。」
カリス「っち!この出来損ないが!」
カリスは左手で刀をエルカーノに向かい投げ飛ばす
エルカーノ。「ごめん、刀を捨てるってことは…。」
エルカーノ。「自殺に等しいよ…。」
「自殺に等しいよ…」それがカリス、ゼノンの生涯、最後に聞こえた言葉にかった。刹那の間、カリスの心臓を聖剣で突き刺した。
エルカーノ。「顔は傷つけないようにしたから…来世でもその美貌で生まれられるといいね…ゼノン。」
エルカーノ。「って…もう聞こえてないか。」
オーケアノス「終わったか…」
エルカーノ。「おや…僕の存在も、もう終わりを迎えようとしているようだ。」
オーケアノス「どういう意味だ…」
エルカーノ。「まぁ難しい話だから簡単に言うと、今から数分後には僕の記憶は今から君達が海底神討伐直後まで消える。だから…君には、記憶を失った僕に伝えないで欲しい…姉が、ゼノンであることを。」
オーケアノス「……良いだろう…、俺がこの結末を墓場まで持って行ってやる」
エルカーノ。「ありがとう、オーケアノス。じゃあ…最後に…僕もお別れをしよう………。」
エルカーノ「…っ、ここは…エノシガイオス…君は──」
心の中の自分「…全ては終わった、ゼノンは君の代わりに討った。」
エルカーノ「そうか、ありがとう。それで…姉さんは!」
心の中の自分「……病状は完治した…しかし後遺症が残っているため、しばらくは施設から出られないだろう」
エルカーノ「そうか…でも良かった。ありがとう、姉さんにオーケアノス、エノシガイオスの皆を救ってくれて」
心の中の自分「気にしなくていいよ…… 僕はもう消える…だからこれだけは言っておきたい、君は後悔だけはさせないでくれと言っていたが、もし…気に入らない事があったとしても…僕に愚痴を言う事はできない…。」
エルカーノ「別にいいよ、姉さんもオーケアノスも生きてくれているなら…それ以上は望まないよ」
心の中の自分「そうか…。」
オーケアノス「…………」
エルカーノ「最後に…言いたいことはあるかい?」
心の中の自分「僕は…やはり後悔が残るのは嫌だが、でも…仕方ない事だと思っている。だから── 素直に受け止めたことを伝える。」
心の中の自分「君は異郷から来た旅人、バレラリィ、スラヤ、シェリルンがいた。だからここまで辿り着けたんだと思う。彼らは僕には居なかったから……。」
心の中の自分「だから、君達が協力し合い…助け合う様を見て、僕はようやく気付けたのかもしれない──。」
心の中の自分「君達の微かな温もり、まさに──。」
心の中の自分「平和な大地を照らす、烈火のようだ」
エルカーノ。は沈みかける烈日に照らされながら永遠の眠りについた
エルカーノ「さようなら、僕」
エルカーノ「僕たちは、近いうちに…また大きくな旅路に出るだろう。そうしたら、見舞っておいてくれ。完全な平和が訪れる、その日まで」
オーケアノス「さぁ、バレラリィたちに、状況を伝えに行こう」
エルカーノ「あぁ、そうしよう。」
エノシガイオス編はこれにて終了です、第二章にて新しい物語が始まります。エノシガイオス編にて疑問点が多々あると思いますが、第二章にて補完する予定です 。




