第二幕「裂目へ」
《◇》= 場面転換
〈/ /〉= 通信会話
突如世界に巨大な裂目と呼ばれる亀裂が発生した、それは世界から魔力を消失させ、混沌を呼び起こした。
そして「レッド」の助言によりそれを仕掛けたのが「ゼノン」と名乗る人物である事が分かった、突如現れた神滅教のノフィアと名乗る剣士はなぜ魔力を使えたのか、バレラリィ達一行はこれからどのような選択をしていくのだろうか?
序章「中天の内部」第二幕・開幕
※ この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
シェリルン「何言ってるの!」
スラヤ「聞くだけ無駄だ、シェリルン。バレラリィ、お前のような奴は一回痛い目を見ないと気付かないらしい」
バレラリィ「言っただろ、手出しは無用だ。俺一人で──」
スラヤ「なら、俺と戦え」
バレラリィ「は?」
スラヤ「もし魔力の無い俺に勝てなかったら…魔力を使える者には到底敵わない、そうだろう?」
バレラリィ「良いぜ… ボコボコにしてやる…!」
バレラリィ「おりゃぁぁあ!」
拳を振りかざしながら、スラヤに接近する
スラヤ「ふっ…!」
速やかし攻撃をかわし、バレラリィを殴り飛ばす
バレラリィ「がはっ!くそっ…!」
スラヤ「これで分かったか?無謀だ」
バレラリィ「…っち…」
シェリルン「もう二人とも落ち着いて!」
バレラリィ・スラヤ「っ?!」
シェリルン「今争っても…何の意味も無いよ…!」
ノフィア「彼女の言う通りだ」
スラヤ「お前は…さっきの」
ノフィア「君達三人には来てもらいたい所がある、来てくれ」
スラヤ「…何故俺達なんだ」
ノフィア「理由は後で話す、今は時間が惜しいんだ。分かってくれ」
スラヤ「……分かった。お前ら、行くぞ」
バレラリィ「…だが」
シェリルン「皆を置いてくの?」
生徒D「心配すんな、俺達はやる時はやる奴らしかいねぇからな!」
生徒E「そう、それに私達は先生もついてるし」
ノフィア「彼らなら大丈夫だ…この辺りの造物は粗方倒した。近くに脅威は居ないはずだ」
バレラリィ「なら、大丈夫そうだな…なら…向かおうぜ」
《◇》
「聖都北部・通信センター前」
ノフィア「もうそろそろ着く、そうそう… 何か私に聞きたいことはあるか?」
スラヤ「正直、聞きたいことが山ほどあるんだが…構わないか?」
ノフィア「私の答えられる範囲なら何でも答えるよ。さぁ、聞いてくれ」
スラヤ「1つ目、なぜ同行者に俺達を選んだ」
ノフィア「あなた達には、なにか特別な力を感じた…ただそれだけ…」
スラヤ「………、そうか」
スラヤ「では2つ目、なぜお前はこの世界に来たんだ」
ノフィア「あの裂目を開通させた張本人、壊滅インベーダーという組織のゼノンを追って此処に来た」
スラヤ「壊滅…インベーダー?」
ノフィア「あぁ、壊滅インベーダーは私達の世界にいる世界的指名手配犯集団…数多の犯罪を犯し、数え切れない程の懸賞金を掛けられている」
バレラリィ「確かアンタは『神滅教』とかいう宗教の剣士だっけ?神滅教は俗に言う正義側の集団なのな?」
ノフィア「別に正義では無い、これは私個人的にやっている事に過ぎない…ゼノン、彼女は私の故郷を焼き尽くした。灰燼となる友人を目の前にして私はただ己の湧き立つ憎しみを感じる事しか出来なかった…」
ノフィア「だから私は必ず奴の首を討つ必要がある。だからこの世界に来た」
スラヤ「なるほど…それでは3つ…いや、4つ目をいいか?」
ノフィア「どうぞ」
スラヤ「なぜ俺達は魔力が使えず、お前たちは扱えるんだ?」
ノフィア「私の憶測に過ぎないが、この世界の魔力と、私のいた世界の魔力は性質が違う。ゼノンはこの世界の魔力を使用不能にしたのだろう」
スラヤ「5つ目、なぜゼノンはこの世界を襲撃し、魔力を消失させたんだ」
ノフィア「これも私の憶測に過ぎないが、彼女ら壊滅インベーダーは『賜物』と呼ばれる遺物を集めている。なぜ集めているかは分からないが、おそらくこの世界にも『賜物』があるんだろう。だから彼女はこの世界を襲撃しに来た、と言った所か」
スラヤ「なるほど、情報提供助かる」
ノフィア「別に良い、信頼を深めるのに一番手っ取り早い手段はコミュニケーション、だからな」
???: おやおや…そこの4人方、"観客"かい?
バレラリィ「誰だ!」
ノフィア「…!気をつけてください、彼は壊滅インベーダーの1人、規則の支配者…『フラグメント』です…」
フラグメント「君のようだね、裂目内部から来た3人の人間の内の1人は」
〚フラグメント、壊滅インベーダー〛
ノフィア「フラグメント…ここはまずいです!逃げましょう!」
フラグメント「待ちなよ」
ノフィア「私には待つ理由なんて無い…!」
フラグメント「そうか… "規則":」
ノフィア「っ?!」
フラグメント「"有言"」
ノフィア: あっぁ…!
次の瞬間、ノフィアの左腕が消し飛ぶ
フラグメント「君達は僕の話を聞く義務がある、そうだろう?」
バレラリィ「『コイツ…!』」
フラグメント「君の名前は?」
ノフィア「………ノフィア…」
フラグメント「聞いたことがあるよ、神滅教─ だろ?神殺しの堕天『グルス』を信仰している宗教団体。君達は僕達にちょっかいをかけてくる連中じゃないと思っていたんだけどな」
ノフィア「私はただ自分の意思で此処に来ただけ…神滅教を侮辱しないで…」
フラグメント「侮辱なんかしてないさ、ただ意外だなと思っただけだよ。さて…後ろの御三方、君達は何者かな?」
バレラリィ「お前に名乗るような名前は持ち合わせてねぇ…よくも彼女を!」
拳を振りかざしながら、フラグメントに接近する
フラグメント「全然状況が理解できていないようだね、"規則":」
バレラリィ: おらぁあぁあ!
フラグメント「"不動"」
バレラリィ: っ?!
バレラリィがその場に硬直する
フラグメント「君じゃ…僕には勝てないよ、少年」
スラヤ「ふっ!」
スラヤがフラグメントの背後に回るが、即座にフラグメントがスラヤを殴り飛ばす
スラヤ「ぐふっ!」
フラグメント「彼女を渡せば、このまま見逃してあげるよ。さぁ、どうする?」
シェリルン「か…勝てる気がしない…」
スラヤ「くそっ…『このまま戦っても全滅だ…、逃げるか?だが……』」
ノフィア「私の事はいいから…このまま先に進んで!」
フラグメント「だってさ、どうする?」
バレラリィ「…っ!…………スラヤ、シェリルン………………」
バレラリィ「………行くぞ」
スラヤ「だが…………………………分かった……」
ノフィア「私の夢を持って…………進んでくれ……私の"希望たち"……」
フラグメント「それじゃさよならだ、神滅教の偽正者」
《◇》
スラヤ「くそっ!これで本当に良かったのか?」
シェリルン「仕方ないよ…こうするしか無かった……」
バレラリィ「フラグメント…ゼノン…、壊滅インベーダー、絶対に許さない…!」
シェリルン「ねぇ、あれ見て!」
上空に開かれた裂目が徐々に縮んできている、そして裂目付近には2人の人影も見えた
バレラリィ「っ?!裂目が…縮んでいる!」
スラヤ「待て…誰かが飛んで、あの裂目に向かっているぞ…まさか、奴がゼノンか?」
バレラリィ「さっきのフラグメントとかいう奴もいるように見えるな…まさか、『賜物』を見つけたからこの世界からとんずらする気か?!」
バレラリィ「急げ!俺達もあの裂目に入り込むぞ!」
スラヤ「だが無茶だ、魔力無しであんな高さまで── ん?待て、魔力が!」
シェリルン「そっか!ゼノンがこの世界を去ったから、ゼノンの能力が終了したんだよ!だから魔力が戻ったのかも」
スラヤ「だがその理屈だと、魔力の消失の原因は裂目ではなくゼノン自身だったいう事か…まぁいい。今は裂目に入ることを最優先だ!」
《◇》
バレラリィたちは風魔法を駆使し、上空の裂目まで飛躍する
バレラリィ「よし!もうすぐだ!」
シェリルン「でも…入ったら戻ってこれないかも…」
スラヤ「ゼノンがやったように、この世界と裂目内部を開通させる手段は存在している。だからそこまで深刻に考える問題では無いはずだ」
バレラリィ「よし、飛び込め!」
三人は裂目の内部に入り込んだ、そして次の瞬間裂目は世界から姿を消した
《◇》
教師「無事だったか、皆」
生徒A「先生!よかった!それで、どうでしたか?」
教師「皆も気付いているとは思うが、魔物は裂目から来た人達が粗方倒してくれた、そして裂目が消失したことで魔法も復活を遂げた」
生徒G「取り敢えず、これで一件落着かな?」
生徒V「後は、バレラリィ君たちが戻ってくればいいんだけど…」
生徒A「アイツらなら大丈夫だろ、あのノフィアって人もいい人そうだったし」
生徒V「そう…だよね…」
『第二幕・完』
長期連載の予定なので気長に待っていてください。
是非とも評価お願いします!




