スケジュール戦争
◆最大の難敵
未投稿曲も整理され、公式サイトも立ち上がり、楽譜アーカイブも整備された。
ファンからの評価も「救世主」へと変わったマリ姐。
だが、半年が経過してほぼ全ての活動が整理された中、最大の難敵が残っていた。
「……光にスケジュールを守らせられない……」
マリ姐は深くため息を吐いた。
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◆守らない本人
光の配信は「だいたい毎日」。
しかし時間は完全に気分任せだった。
昼過ぎに突然始めることもあれば、深夜に突発。
朝・昼・夜と三回配信する日もあれば、「15分だけ」で終わることもある。
「光! スケジュールはファンとの約束なんですよ!」
この半年で、いつの間にかマリ姐の光の呼び方も変わっていた。
「でも、やりたいときにやるのが一番楽しいじゃん」
「ダメです!!」
にこにこと笑う光に、マリ姐の胃はまた縮んだ。
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◆ファンの悲鳴
SNSや掲示板には、切実な声が並んでいた。
『通知が鳴った瞬間に全力ダッシュするしかない』
『徹夜待機はもう無理w』
『授業や会議と被って泣いた』
実況ログ
•「今寝てたら突然始まってるんだがw」
•「15分で終わったんだが!?準備してたら終わってた」
•「逆に毎日やってるのはすごいんだけどな…」
•「マリ姐、スケジュールだけはなんとかしてくれ…」
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◆雪の提案
行き詰まったマリ姐を救ったのは、雪だった。
「……光、私から言ったら守る?」
「え?」
雪はスマホのカレンダーを見せながら囁いた。
「“今日は20時からだよ”って事前に伝えて、時間になったら『そろそろ』って声をかける。
放課後なら私、家にいるから。夜の配信も、一緒に準備できるし」
光は少し照れくさそうに笑った。
「……まぁ、雪が言うならやるかな」
そのやり取りを見て、マリ姐は目を細めた。
「雪が言ったら守るのね……やっぱり特別なのね、あなたたち」
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◆新しい仕組み
それ以来、光の部屋では夜になると雪が静かに声をかけるようになった。
「……そろそろ時間だよ」
その一言に光が頷き、笑って配信を始める。
放課後と夜だけではあったが、開始時間は目に見えて安定し、ファンの生活リズムは少しずつ整っていった。
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◆ファンの反応
『予定どおりに始まるだけで神!』
『安心して待機できるの幸せすぎる』
『やっと人間の生活ができる!』
実況ログ
•「お、今日は20時ちょうどに始まったぞ!」
•「放課後タイムだから雪ちゃん監督してる?」
•「あれ?夜配信が安定してきてない??」
•「雪ちゃんマジ救世主」
•「これはもう“雪タイム”って呼んでいい?」
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◆ナレーション
「――最大の難敵だったスケジュール問題。
マリ姐の努力と雪の小さな一言で、放課後と夜だけは秩序が訪れた。
だが、昼間や朝のカオスは依然として残されていた」
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