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二度目の面会

◆再びのカフェ


 数週間後。

 光と母、雪、黒川が並ぶ「男性安全認定マーク付きカフェ」の席に、再び村瀬真理が現れた。


 前回よりも凛とした表情で、姿勢を正し、真っ直ぐな声で言って、深々と頭を下げた。


「私はもう、退路を断ちました。すべての仕事を辞めてきました。

 光さんの活動に賭けさせてください」



◆覚悟の言葉


 真理は静かに、しかしはっきりと告げた。


「今のままでは活動は混乱して、いつか止まってしまいます。

 けれど整理すれば、光さんの音楽はもっと広く届く。

 活動の幅も、やれることも、今よりずっと多くなる。


 私は、それを信じています」


 その声はまっすぐで、揺らぎがなかった。

 雪も黒川も、その言葉に胸を打たれていた。



◆黒川の声


 黒川が口を開いた。


「今は……採譜と編曲だけでも全く追いついていない状態です。

 光くんの音楽をきちんと届けるためには、体制作りをする人が絶対に必要です」


 切実な声に、母も眉を寄せて聞き入った。



◆雪の訴え


 雪は俯きながらも、しっかりと頷いた。


「……こんな何度も来てくれて、熱意を持っていて、しかも仕事まで辞めて光に賭けてくれる。

 こんな人、探したってもう出てこないと思います」


 瞳には迷いもあった。

 それでも、光を前に進ませるためには受け入れるしかない――そう思っていた。



◆母の決断


 母は長く息を吐き、真理を見据えた。

 守りたい思いと、前に進ませたい思いの間で揺れ続けたが――雪と黒川の言葉が決断を後押しした。


「……わかったわ。あの子をお願いする」



◆雑な光


「え、そんな大げさに……でもよろしく!」

 光はあっけらかんと笑い、テーブル越しに手を差し出した。


 真理が戸惑う間もなく、その手を握る。


「光さん! そんなふうに男性から女性にみだりに触れてはいけません!」


 真理が顔を赤くして叱りつけ、周りの全員が同時に吹き出した。



ナレーション


「――こうして敏腕マネージャー“マリ姐”は、正式に即興王子のチームに加わった。

 笑いの中で交わされた非常識な握手こそが、嵐のような未来への第一歩だった」


9/4から"16日連続"で毎日更新中!


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一話抜けてて再投稿です、すでに読んじゃった方、申し訳ないです!

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