ニュースと新規ファン
◆ニュースの報道
翌週。
音楽ニュース番組で、光の名前が取り上げられた。
『中学生ピアニスト、作曲ペースが速すぎて“AI疑惑”』
『1時間でデモ音源と譜面公開、これ人間業?』
テレビの字幕やネット記事は、面白半分と真剣半分でざわつきを広げた。
ファンは「いや本人だって知ってるから!」と憤慨したが、一般の人々は気になって検索を始める。
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◆アーカイブを漁る新規
そんな“新規勢”が、光のチャンネルのアーカイブを開いた。
そこに残っていたのは――先日の「リクエスト即興作曲ショー」の記録だった。
再生ボタンを押した新規視聴者たち。
数分後には、コメント欄と同じ表情になっていた。
「……いや、ここでやってるやん」
目の前で、光がリクエストを拾って数秒で曲を生み出している。
鼻歌をピアノに変え、歌詞までつける姿は、どう見ても生身の人間の所業だった。
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◆翻訳者サンドバッグ説
さらに映り込んでいた黒川 遥の姿。
後ろで鬼の形相でPCに向かい、汗をかきながら必死に採譜している。
新規視聴者たちは息を呑み、次の瞬間大笑いした。
「この人……完全にサンドバッグじゃんw」
「鬼の速さで新曲作る少年と、死にそうになって打ち込む翻訳者」
「最高のコンビすぎるww」
SNSには新たな切り抜きが投稿された。
『AI疑惑→アーカイブ確認→翻訳者サンドバッグで腹筋崩壊』
『これはAIじゃなくてブラック企業w』
『#翻訳者ありがとう』
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◆ファン化する新規
最初は疑念の目で訪れた新規視聴者たち。
だが、光の音楽と“翻訳者サンドバッグ劇場”を目の当たりにした彼らは、次々とファンに変わっていった。
『疑って見に来たけど、普通に天才すぎた』
『笑いすぎてファンになったw』
『このアーカイブ永久保存案件』
結果――ニュースによるAI疑惑報道は、逆に新たなファン層を呼び込むことになったのだった。
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ナレーション
「――世間に流れたAI疑惑のニュース。
だがそれを確かめに来た新規視聴者たちは、アーカイブで“証拠”を目撃した。
天才少年と翻訳者サンドバッグという奇跡の組み合わせは、疑念を笑いに変え、新たなファンを次々と取り込んでいった」
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