表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/156

増え続ける曲と芽生える疑惑

◆最初の驚き


 ある日、光がSNSに上げた一つの動画。

 そこには、リクエストでも耳コピでもない――完全なオリジナルのピアノ曲があった。


『今日、めっちゃいい天気だったからそれをテーマに弾いてみた』


 軽いコメントと共に投稿されたその曲は、即座に話題になった。


『え!? この子、作曲できるの!?』

『即興だけじゃなくてオリジナルまで!?』

『天才の次元が違う……』


 “リクエストに応える天才少年”から、“作曲もする少年”へ。

 評価は一段と跳ね上がった。



◆次の驚き


 しかし驚きはそれだけで終わらなかった。


 ピアノ曲は、ほぼ毎日のように投稿された。

 多い日は一日に三曲。

 まるで呼吸のように音楽が生まれていく。


『投稿ペースおかしいwww』

『1日3曲とか人間やめてる』

『プロ作曲家でも無理だよこの速度』


 ファンは笑い混じりに驚愕していた。



◆さらに広がるジャンル


 やがて数日に一度は、ピアノではない新曲も投稿されるようになった。


 壮大なオーケストラ。

 ギターが唸るロックバンド風。

 スウィングのジャズトリオ。

 民族音楽や和楽器を思わせる旋律。


 演奏を聴いていた雪と母は、顔を見合わせて感嘆の息を漏らす。


「……ほんとに、光ひとりではできない音楽になったわね」

 母がつぶやく。


「うん。光の頭の中で鳴っている音を“翻訳してくれる人”がいるから、形になるんだね」

 雪も小さく微笑んだ。


 家族の目から見ても、それはもう子どもの遊びではなかった。

 確かに“誰かと共に作り上げる音楽”へと進化していた。



◆ファンの声


『ちょっと待って、ジャンル無限に増えてない?』

『この年齢でオーケストラもロックもジャズも民族音楽もやるの!?』

『#即興王子 ジャンルチート説』


 光の曲は日ごとに増え、世界が広がっていった。



◆その間の配信


 一方で、配信は相変わらず続いていた。

 コメントでリクエストされた曲を次々に弾き、知らない曲も一度聴いただけで弾きこなす。


『やっぱリクエスト配信神すぎる』

『知らない曲を即再現ってどういう脳みそしてんの』


 だが――作曲の姿を配信で見せることは一度もなかった。



◆芽生える疑問


 SNSや掲示板に、こんな声が増え始める。


『でも作曲してるとこ、配信では見ないよね』

『リクエスト配信は神なんだけど、オリジナルは裏で誰か作ってるんじゃ?』

『ほんとに本人がやってるの?』


 熱狂とともに、静かに“疑念”が芽生えはじめていた。



ナレーション


「――“作曲できるの!?”から始まった驚きは、“速すぎる投稿ペース”“ジャンルの広がり”へと続き、やがて一つの疑問を呼んだ。

 即興王子は、確かに演奏の天才だ。

 だが――作曲の現場は、誰も見ていない」

9/4から"8日連続"で毎日更新中!

モチベ維持のために、ぜひぜひお気に入り登録&評価ポイントをお願いします!!


(ランキングに載ってみたい…!)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ