表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/159

初めての配信

 準備を終えた光と雪は、机の前に並んで座っていた。

 真新しいマイクとカメラ。まだ段ボールの匂いが残る部屋。


「……ほんとに始めるの?」

 雪の声はかすかに震えていた。


「もちろん!始めるよ」

 光は迷わずマウスをクリックした。


 カメラの赤ランプが光る。

 だが画面の視聴者数は「0」。

 コメント欄は沈黙のまま。


「……誰も来ないね」

「まあ最初からは来ないって」


 光は肩をすくめ、ピアノに向かった。

 軽やかな旋律で「きらきら星」を弾きはじめる。

 横で雪が小さく歌声を添えた。


 その瞬間――視聴者数が「1」に変わり、コメントが流れた。


『男の子!?』『珍しすぎる!』


 やがて2、3、10……と数字が増えていく。


『男の子でピアノ!?』『歌もうまい!』


 そして、こんなコメントも混じった。


『わたしもこんな男の子と隣でピアノ配信したい人生だった』

『いったい前世でどんな徳を積んだら、あの席に座れるんだ……』


 雪は顔を赤くし、慌てて声を落とした。

 光は気づかず、楽しそうに弾き続けている。


 その切り抜きは瞬く間にSNSに拡散され、

『#男の子ピアノ配信』のタグが生まれ、予想外の速度で広がっていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ