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担任の先生・後年インタビュー

♦︎小学校の担任の先生・後年インタビュー


「いま思い出しても不思議な子でした。休み時間になると、誰が呼ぶでもないのに音楽室へ人が吸い寄せられていく。


黒板の端には“次の休み時間リスト”が勝手にできて、光くんは『順番ね』とだけ言って、短いフレーズを軽々とつないでいく。


知らない曲でも『ちょっと歌って?』の一回で拾ってしまう。あれは“人気者”というより、星の引力のようなものでしたね——気づけば中心が生まれている。


 お昼の放送も忘れられません。最初はただ二、三曲だけ弾いてもらう話だったのに、ふたを開ければ二十曲以上のメドレーになっていて、一本の川みたいに流れが止まらない。


職員室で『止める?どうする?』と視線を交わしながら、結局『本人が楽しそうなら』で見守ったのを覚えています。


別の日には三曲目の途中でふっと歌い出して、校舎じゅうが一瞬で静まりました。進行は読めないのに、流れに乗っていきたくなるような自由さがあったんです。


 合唱の練習でも、説明できないことが起きるんです。光くんが伴奏をしていると、だれの合図もないのに歌い出しで息が揃い、フレーズの終わりも自然に同じ場所で降りる。


教師の私が『そんなこと、できるの?』と半信半疑で見守って、次の瞬間には『そんなことが、できるのね』と頷いている。


あとで理屈を探しても見つからない。ただ、そこに光くんの音があると、子どもたちの身体が勝手に同じリズムで動き出す——そういう瞬間が何度もありました。


 『男の子だから』なんてことではありません。あの子はとんでもないものを持って生まれてきたのだと、私は早くから感じていました。


だから世に出たときも『あ、やっと世間に見つかったんだな』と思ったくらいで驚くことはありませんでしたね。


面白いのは、規模が大きくなってもやっていることが変わらないように見えることです。


休み時間の音楽室でも、いまのあんなに大きな何万人も入るライブ会場でも——音で呼吸を合わせ、気づけばみんなが同じ方向を向いている。私には、あの頃の景色と全く同じに見えるのです。」

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