昔聞いた笑い話
平成十四年に成立した「身体障害者補助犬法」によって、今ではどこのお店でも盲導犬を連れて入ることができるようになりましたが、それ以前はまだ入店拒否がほとんどでした。そんな時代のこと。
とある高級中華屋での出来事です。
盲導犬を連れた人が入店しようとすると、店員がそれを阻止しようと立ち塞がりました。
「これは盲導犬と言って、目の見えない人のサポートをするために特別に訓練された犬です。絶対におとなしくしています」
「そういう問題ではないのです。食品衛生の観点から、全てのペットは入店をおことわりしているのです」
すると、厨房から庖丁を手にしたオーナーが血相を変えて飛び出してきて言いました。
「お前、非常識! 表から入ってはいけない! 食材は裏! 裏!」