私の名は
私の名前は「華華」種族は..化猫さ。
私は他の化猫仲間と違って特殊でね、生まれは普通の猫だったんだよ。
ただ普通と言っても、生まれた環境は最悪だったもんさ。
私は廃墟と化した神社の屋城の下で生まれたんだ。
私を産んだ母猫は、私を産んだ後どっかに行っちまった。
そんな環境だ。私の命が尽きるのは、時間の問題だった...その時に私の主様と出会ったのさ。
私の主様は、陰陽師の家系だったらしく、廃墟になった神社を偶に巡る事をしてたらしい。
主様は、最初の頃は、里親を探そうとしたらしいが、毎日私に会いに病院に通い詰めてから心境が変わったらしい。
そして、私は晴れて主様の猫となった。
普通は主様の家系的に私のような猫は、実験動物として飼われるのだが、主様は私を一家族として受け入れてくれた。
だが生まれた場所と主様の家の影響なのか知らないが、徐々に私の中で妖力と陰陽力が高まり、私は知らず知らず化け猫になってしまった。
化け猫になったと言っても私は別に人間を恨んでる事はない為、普段は普通の猫と暮らしている。
だけど偶にだが...
「華華、ただい..」
この様に主人が仕事で疲れたり、酔っぱらって帰ってきた時は、力を使って、人の姿に変化し、主を部屋に運び、寝かせ...軽いご飯を作ったりしている。
主人は最初私が化け猫になっていた事に驚いていたが、特に何も言わず変わらず私を家族として受け入れてくれてる。
親の愛情を受けなかった私にとって、主人は母なのだ。
だから力を手に入れた私は今日も、主人が帰る家を守る。
<終>