~第八話~ 試遊
俺とカイルは闘技場に来ていた。
闘技場にはほかにも訓練をやりに来ている人たちがいた。
「よっしゃ! それじゃあ始めようぜ!」
「おう!」
俺とカイルは試合を始めた。
俺もカイルも剣なんか使うのが初めてだったから剣をうまく振るえるわけがなく。
30分ほどすると
「はぁ はぁ あのさぁタツヤ」
「ん?」
「これさあただ単に剣で遊んでるだけじゃね?」
たしかに、俺は剣術適正のスキルを持っているが、
剣士のように剣を振るっている感じがしなかった。
「たしかに、ジョブが与えられただけじゃ剣は使えないんだな」
てっきり俺はスキルのおかげで剣が振るえるようになると思っていたが
剣術適正とは俺が思っていたのと違うようだ。
そんなことを考えていると、
「っていうかさぁ!」
カイルが少し声を荒げて
「お前こんだけ戦ってんのに汗ひとつ掻かないとかバケモンかよ?!」
そう言えば、善行のおかげでステータスが底上げされてるんだった。
「あっ。 ああ。 たまに走ったりしてたから体力がついたのかも」
「そうか、なら仕方ないか。。。」
我ながらひどいごまかしようだがカイルにはばれなかったようだ。
「さぁ、そろそろ帰ろうか。」
いつの間にか周りで訓練をしていた人たちはみんな帰ってしまい
訓練場には僕たちだけだった。
「ああ、帰るか」
俺はヘトヘトになったカイルに肩を貸した。
「家まで送るよ」
「ありがとう。 もうヘトヘトだぜ」
俺はカイルを家まで送り自分の家に帰った。
「ただいまー」
俺が家に帰るとローストチキンがテーブルにあった。
「うわぁ! すごいね!」
するとキッチンから母さんがでてきた。
「おかえりタツヤ。 お父さん呼んできてくれる?
家の裏で薪割をしてるはずだから」
「はーい」
俺は裏口から出て父さんを呼びに行った。
カーン、、、カーン。
父さんは綺麗なフォームで薪割をしていた。
俺はそれを見た瞬間、頭の中に父さんが斧を振り下ろすシーンがスローモーションで
何度も再生された。
「おぉ、タツヤおかえり」
父さんの声のおかげで俺の脳内再生は止まった。
「あぁ、ただいま。 母さんがご飯できたって」
「おおわかった。 すぐいくわ」
俺は結局今の脳内再生が何だったかはわからなかった。
俺は家に戻り母さんに父さんがすぐ来ることを伝え夕飯の準備を手伝った。
夕飯の準備が整い家族全員が席に着いた。
「よし、それじゃあいただきます」
「いただきます」
食前のあいさつを済ませると母さんがチキンにナイフを入れた。
チキンにはナイフがスルスルと入っていく。
まるでゼリーを切っているかのようだった。
ナイフをチキンから離すとチキンの中から金色の肉汁が出てきた。
その汁がキラキラと光りローストチキンをより一層美味そうに見せる。
母さんの料理技術はすごいと思う。
母さんの滑らかなナイフ捌きを見ていると。
また、脳内で母さんのナイフの動きが何度も再生された。
今度は自分の意志で再生を停止させることができた。
「なんなんだろ。。。」
「ん? どうかしたかタツヤ?」
しまった! 心の声を口に出していたようだ。
「ううん! 母さんの料理はすごいなっておもって」
「ふふっ。 ほめても何も出ないわよ」
どうにかうまくごまかせたようだ。
今後は気をつけなきゃ。
「ところでタツヤ明日暇か?」
「うん。暇だけどどうして?」
「よし。 暇なら明日父さんと剣術の訓練するか」
「ええっ! いいの!」
父さんに剣術を教えてもらえるなんて思ってもなかった。
スキルで剣術が使えるようになるわけではないのだから
いつかは教えを乞う事にはなるだろうと思っていたが。
「それは、いいわね。 父さんは剣がすごく上手だから」
「教えてもらいなさい」
「うん! ありがとう父さん!」
剣を教えてもらえればスキルのことも何かわかるかもしれない。
「それじゃあ明日は早起きするんだぞ!」
「うん!」
食事を済ませた後、俺は明日に備えてすぐに寝た。
明日の訓練にワクワクしながら。
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