~第五十四話~ 提案
俺はどうするか考えていた。
いや。実のところ九割がた心は決まっていた。
俺は人のために冒険者になったのだから、大勢の人を救える今回の事には
喜んで協力したいと思っていた。
しかし、俺はスキルのおかげで二人の監視を見破れたとは言っても
冒険者としては周りの同期の人と同じくらいだろう。
そんな俺がゴールドランクの方々がいるメンバーに入り活躍できるのだろうか?
俺の経験不足で皆さんの足を引っ張ってしまうんじゃないだろうか。
という不安が残りの一割を占めている。
そのため俺はこの気持ちを正直に二人に打ち明けることにした。
俺は座りなおして態勢を整えて話し始めた。
「二人のお誘いはすごくうれしいですし、自分としても協力させていただきたいと
思っています。」
するとリリーさんがうれしそうな顔をして
「じゃあ」
と言ったため俺はすぐに
「でも、俺は皆さんと共に活躍できる確信が持てません。
もちろんお二人の監視を見破ることはできました。
しかし、俺は冒険者としてはまだ未熟者の新人です。
きっと戦闘経験などでは同期の人と同じくらいでしょう。
ですから、俺が皆さんの足を引っ張らないとは限らないです。
なので、今回は残念ですが...」
と言うとリリーさんは残念そうな顔をして
「そうですか。 タツヤさんは今回の討伐で力になれると思ったのですが。
本人がそう考えるのであればしょうがないですね...」
と言った。
俺も
「すいません」
と謝った。
「そうだ!」
そう言ってフェイバさんが立ち上がった。
俺とリリーさんは驚いて立ち上がったフェイバさんの自信満々の顔を
眺めていた。
「タツヤ! お前なら王国戦闘大会でできるはずだ!
そしたら自分に自信がつくんじゃないか?
大会の優勝者となればそれこそ相当の実力者だしな!
それにいろんな強い人との戦闘ができて成長できるだろうし」
と自信満々に言った。
俺は
「もちろん出るからには優勝を目指しますが...」
と言うとリリーさんも
「そうですね。優勝できるかどうかはタツヤさん次第だとしても
優勝できるなら相当な実力者という事になります」
と俺に向かっていった。
俺は
そんなことでいいものなのか
と考え、答えをなかなか出せないでいるとリリーさんが
「まずは大会で優勝を目指して、それから今後のことは考えましょう」
と言ってくれた。
続いてフェイバさんも
「数日で世界が滅ぶわけでもないし答えは焦らなくて大丈夫だ」
と言ってくれた。
俺はこの二人の言葉で決心がついた。
そして立ち上がり
「わかりました。
まずは王国戦闘大会に優勝することを考えて頑張ります!」
と言った。
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