~第三十六話~ 回復
俺は一通り店を見た。
そこで回復ポーションなるものが売っていた。
俺にはヒール系の魔術が使えるからポーションは特にいらないのだが
もし、二人の魔力がなくなった時用にいくつか買った。
買い物を終えると太陽が真上に上っていた。
「もうこんな時間か。 やっぱり買い物をしていると時間の流れが
速く感じるな」
そう呟き、俺は何かいい店がないか探しながら歩いていた。
ふと小道を見ると老婆が大荷物を持ってゆっくりと歩いていた。
俺は老婆に近づき
「大丈夫ですか? 荷物持ちますよ」
と言った。
老婆はか細い声で
「ありがとう」
と言った。
俺は老婆が持っていた荷物をすべて持った。
荷物からは土のにおいがした袋があった。
きっと野菜が入っており買いだめをしたのだろう。
そして俺は老婆に
「どこまで行くんですか?」
と聞くと
「東の門の近くの家まで。 道案内するから付いてきてくれるかの?」
と答えた。
俺はもちろん
「ええ! 一緒に行きましょう!」
と言って歩きだした。
老婆は少し歩いては息切れをしていた。
その都度俺は老婆と一緒に休憩をした。
そのため、30分ほどの距離を一時間かけてゆっくり歩いた。
その間老婆は歩くのに必死で世間話をする余裕もないようだった。
そして老婆の家についた。
家の中に入ると老婆がダイニングの机に指をさしたため、そこに袋を置いた。
老婆は椅子に座って休んでいた。
そして老婆の息づかいが穏やかになると
「本当にありがとう。 あなたにお礼をしたいけど体がわるくてねぇ」
と言っていた。
俺はすぐに
「そんなことないですよ! 俺がしたくてしたことなんで気にしないでください!」
と言った。
そして
「おばあさんはお医者さんに行ったんですか?」
と聞くと、
「えぇ、行ったんだけど腰の骨をやってたみたいでね」
と言っていた。
俺はもしかしたらと思い、自分のカバンからさっき買ったポーションを出した。
「おばあさん、これ飲んでみてください」
と言って渡した。
老婆は私を信じてくれているのだろう。
躊躇なくポーションを飲んでくれた。
なぜ、ヒールをかけなかったかと言うと。ヒール系の魔術は人体の構造を
理解していなければいけない。しかし、俺は老人の体の構造までは理解
していなかったから使えなかったのだ。
すると、
おばあさんのすこし荒れた息づかいがなくなった。
そしておばあさんは立ち上がり
「わぁ、さっきまで腰が痛かったのがウソみたい...」
と驚いていた。
「本当にありがとう!」
と言われたので俺は
「いえいえ、腰が良くなって良かったです」
と言った。
俺は自然と笑みを浮かべていた。
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