~第二十六話~ 出発
両親と約束を交わした後いろんな人に話しかけられた。
しばらくいろんな人と話をして疲れた俺は会場の奥の方で休んでいた。
すると奥からスイがやってきた。
「お疲れ様」
そう言ってくれたスイは、水色のドレスを着ておりすごくきれいだった。
俺は一瞬その綺麗さに見とれてしまったがすぐに我に返り
「ああ。 スイもお疲れ様」
と言った。
スイは俺の隣を座り
「私たち成人したんだね。 あっという間だったね」
と言った。
俺は
「そうだね。 選別の日から何日も経ってないみたい」
と答えた。
スイはすこし下を向き
「タツヤもカイルもすごいね。 剣も魔術もどんどんうまくなってさ」
と言ってきたため俺はすぐに
「そんなことないよ! 俺はカイルが毎日剣の練習をしていることも、
スイが魔術の勉強を毎日頑張っていることも知ってるから!」
と言った。
俺が少し感情的になって言ってしまったのか、スイは驚いていたが
「ありがとう」
と顔を上げて言ってくれた。
俺はスイが元気を取り戻してくれてよかった。
と思った。
スイは
「タツヤも毎日剣や魔術さぼらずに頑張ってるの知ってるよ」
と言ってくれた。
その言葉を聞いた俺は
今日いろんな人に同じことを言われたが、スイに言われると一番嬉しかった。
「ありがとう」
言った。
すこし沈黙が続いた後
スイが
「タツヤは王都に行ったら冒険者になるの?」
と言ってきた。
俺は
「うん。 冒険者になって自分の剣術や魔術にもっと磨きをかけて
困ってる人を助けるんだ!」
と言った。
するとスイはひざの上に置いていた俺の手を握ってきた。
その瞬間、ふわっといい香りがした。
そしてスイは俺を見上げて
「タツヤ! 無理はしないでね!
私、誰かのために頑張ってるあなたは好きだけど、そのせいで大きな怪我なんか
されたら、、、私耐えられないから。」
そう言うスイの目には涙が浮かんでいた。
俺は何も言わずにスイにキスをした。
そして
「うん。 わかった無理はしない。
その代わりスイも無理はしないでね。俺も元気に過ごしてるスイが好きだから」
と言ってスイを抱きしめた。
スイは
「うん」
と言って俺を抱きしめ返した。
俺とスイはしばらく抱きしめあっていた。
その後二人で会場に戻り宴を楽しんだ。
…翌朝…
「ふわぁぁ」
いつものようにまぶしい太陽の光で起きた俺は朝食をすまし、
母さんが作ってくれたマジックポーチを持ち、相棒のエファルトゥを腰から下げて
村の出口に止まっている馬車に向かった。
馬車にはカイルとスイがいた。
「おはよう」
俺が二人に言うと二人とも
「おはよう」
と返してくれた。
馬車が出発する準備が整い、俺たちはそれぞれ家族に別れを告げた。
「母さん父さん! 行ってきます!」
「行ってらっしゃい!」
と母さん父さんが言うと、見送りに来てくれた村のみんなが
「がんばれよー」
「行ってらっしゃい!」
「気を付けてなぁ」
と言ってくれた。
俺たちは村のみんなに手を振った。
ここから俺たちの新しい冒険が始まる。
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