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~第十三話~ 魔術

俺はあの日から魔術の勉強をしていた。


簡単に言うと魔術は自分の中にある魔力を何らかの物質などに変化し、


放出する事でできるそうだ。


魔術の難しい点は魔力を何らかに変化させるという所らしい。


例えば火を出す魔術だとしよう。


火は普通吸気中の酸素を使って燃えている。


それを酸素ではなく魔力を使って燃焼をさせるのである。


そのため理論上では酸素のない宇宙でも火を起こすことが可能なのである。


この考え方を習得することが難しいらしい。


しかし、俺は魔術適正と前世での勉強のおかげで苦労することはなかった。


今日は座学ではなく、実技に移すらしい。


「それじゃあ、まずはファイアの魔術から使ってみましょう」


「はい! わかりました!」


俺はまず体の魔力を感じそれを手の平に集めた。


そして俺は火が燃えるイメージをした。


すると手の平に魔法陣が浮かび上がり、手のひらに火が起きた。


「できました!」


「はい。それじゃあそれを魔力切れを起こすまで出し続けて」


「え?」


母さんは時折すごく鬼畜なことを言う。


「それじゃあ母さんは家に入ってるから、がんばって!」


そう笑顔で言うと母さんは家に戻っていった。


「まじかよ……」


仕方がないので俺は魔術を使いながらステータスを確認することにした。


「ステータスオープン」


ステータスをよく見ると俺は筋力や体力は10万ほどあるが、


魔力に関しては1440ほどと他に比べると少ない印象だった。


そして一分ごとに魔力が2ずつ減っている。


なるほどファイアは一分で魔力を2消費をするんだな。


そう考えると俺の魔力では持つのは半日ほどだろう。


そして俺はあの日からレベルが一向に上がっていない。


その原因はわかっている。


俺はあの日から些細な手伝いなどで善行を積んでいたが、


子供を救うような善行はしていないからだろう。


「よし! 剣術も結構様になってきたし今度の休みに森に行ってみよう」


「最近は森で魔物に襲われる村民がいるみたいだし


 今の俺ならすこしは力になれるだろう」


俺はついに人を助けるために磨いてきた剣術が活かせると思った。


これは決してレベルアップが目的ではない。


俺は人のために努力し、人を助けるためである。


その結果レベルアップができたのであればそれはただのおまけに過ぎない。


そう俺は考えている。


であればなぜ、俺があの日から今まで大きな人助けをしてこなかったのか。


それはむやみに人助けをしてもまだ剣術など未熟だから自分が危険にさらされた時


自分自身を守る術を持っていなかったからだ。


しかし、今は違う。自分も他人も守る術を持っている。


そんなことを考えているとあたりはすっかり暗くなり、魔力が尽きた。


俺はその途端疲れが一気にこみ上げてきた。


「うっ!」


俺はその場に倒れそうになった。


その時母さんが俺の体を支えてくれた。


「お疲れ様。 タツヤ」


俺はその言葉を聞いてすぐに気絶するように眠った。


後で確認すると俺の魔力がすこし増えていた。




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