~第十二話~ 文字
今日もいつもどうりに朝起きたが父さんの姿はもうなかった。
俺は毎日の日課である素振りを終え朝食を食べていた。
今日の朝食はバターロールだった。
我が家の朝食はパンが多い。
それも母さんが焼いてくれる絶品のパンだ。
「タツヤご飯終わったら魔術の勉強をするわね」
「はい! お願いします!」
そう、今日からしばらくは父さんが用事で剣術を教えてもらえない代わりに
母さんに魔術を教えてもらう約束をしたのだった。
俺は早々に朝食を食べ終えて片づけを済ませた。
「それじゃあリビングで待ってて」
そういわれ俺はリビングのソファーに座っていた。
きっとアニメで見たような魔法が使えるのだろうとワクワクしていた。
すると母さんは本の束を持ってきてリビングのテーブルに置いた。
「ドサッ」
一冊5センチ程ありそうな本が何冊も載っていた。
「はい。これ」
「今日からこれを使って勉強するわよ」
そんな母さんはすごく笑顔だった。
その顔は俺が今まで見た母さんの笑顔の中で一番怖いものだった。
俺は覚悟を決めて本を開いた。
「まずは魔術文字の勉強からね」
「魔術文字は普通の文字と違って読めないから、まずはその勉強ね」
そう言って母さんは俺に魔術文字なるものを俺に見せた。
「まずこれが…」
「ちょっと待って」
「魔術文字って何のこと?」
俺は母さんが見せた本にはいつも使っている言語しか使われていないように見えた。
「え? タツヤこれが読めるの?」
「うん」
そう言うと母さんは次の本を開いて俺に見せた。
「じゃあこれがなんて書いてあるか読める?」
俺はそこに書いてあることを普通に読んだ。
「人の魔力を少量出力しその魔力を火に変換するものである」
すると母さんはすごく驚いた様子だった。
「うそ。 完璧じゃない」
俺は母さんの様子を見てもしやと思いステータスを確認した。
やっぱり。
ステータスを確認すると言語理解のスキルが使用されていた。
なるほどそういう事か。
つまり俺は言語理解のスキルを使っていたいたため魔術文字が普通に読めたのだろう。
しかしこうなってしまってはどうしようもない。
するとようやく落ち着いた母さんが俺に
「タツヤすごいわね。母さんでも2ヵ月はかかったのに」
俺はなんか申し訳ない気持ちになり下を向くと。
「本当にすごいじゃない! さすがは私の自慢の息子ね!」
そう言って俺の方を持って大喜びしていた。
俺はそれを見て申し訳ない気持ちと
母さんに喜んでもらえてうれしい気持ちが交差していた。
「これならこの本は必要ないわね!」
そう言って母さんは最初に開いていた本を閉じて自分の部屋に片づけに行った。
俺は母さんと父さんがこんなにも優しく真剣に教えてくれるのに
隠し事をしてすごく悪いことをしているんじゃないかと悩んでいた。
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