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色々なものがいつもと違う

「はい、紅茶(くれさ)おまたせ~。夜ご飯できたよ~。別に、遠慮なく食べてもらって良いからね?」

私は、紅茶の分の食事を机に置きながら言った。

「ありがとう、それじゃあ、いただきます」

私も、自分の分の食事を持ってきて、紅茶の正面に座る。

ただ、待っていても、その先にあったのは、沈黙だけだった。

いつも、学校の昼食の時も、こうやって二人で食べている。

その時も…いや、今日だって、紅茶はうるさいくらいにおしゃべりである。

その時と、全く変わりないはずなのに、なぜか紅茶は、私を避けるように、喋りの口を開かなかった。

この沈黙が辛くて、必死に何か言葉を探したが、いつも紅茶が一方的に話していることもあり、何も思い付かなかった。


「………」

無言のまま、数分がたった。

それでも、言葉は見つかってきなかった。

…ふと、紅茶の方に目を向けると、それは…抜け殻、のようなものに見えた。

感情なんて最初からなかったみたいな、例えるなら死体より人形、そのように、私の目には映った。

こんなにも気まずい時は感じたことがないかもしれない。

もう、さすがに沈黙が辛くなってきた。

いつものように、一人で食べた方が良いって思えて…ようは、このまま黙っていたら、紅茶を嫌いになってしまいそうだった。

咄嗟に、考えるより先に口が動いた。

「…紅茶、さっきから黙ってて…何か変だよ。どうしたの?」

あぁ、紅茶に『変』だなんて言ったら、傷ついてしまうだろう。

言ってしまったことは取り消せないという事実がとても嫌になった。

ああ、そうか…何もかも、いつもと違うから、私までおかしくなったかも。

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