移動
転入が決まり俺達はAクラスへと足を運んだ。試験に携わっていたあの女性教員がAクラスの担任だという。なので横一列に並んで教員の後ろから付いていく。
案内されて校舎内に入ると、周りの生徒がちらちらとこちらを見てくるのが雰囲気でわかる…
実はこの校舎、試験に使った練習場より少し坂の上に建てられているので試験結果を多くの生徒に見られていたのであった。刺さる視線がとてもむずがゆい。
「何だ、主殿?人目が気になるのなら私が首を...もがっ!?」「はいストープッ!!!」
物騒なことを言い出した刀少女を口を押さえ止めにかかる。
「~~っ!ぷはっ何をするのですか?むずがゆいのなら斬ってしまえば良いではないですか!」
「何でそんなに物騒なのかなぁ!?」
「だって主殿がご命令を下さらないから思考を読み取って考えなきゃ私の役立つところを見せられないんだもん!」
刀少女、かなりの涙目である。ぽんこつ可愛い。
えぇーというか思考読み取れるの?
「それはもちろん!私は主殿から具象化されたのですからっ!」
あーうん、なるほど。読み取られまくりじゃん。わぁい。
「ところで先程からちらちら覗いている不届き者を成敗したら誉めてくれますか?」
「覗き?」
「はい、物陰からこちらを覗いている方がこっそりついてきています」
疑問に対し、左斜め後ろにトコトコくっついて歩いている女の子(杖)が答えてくれた。
「主殿~っ捕まえました!」「あうー…」
さすが刀少女、仕事が早い。世間一般的にはせっかちとも言うが。
「お、降ろして下さい~」
刀少女に首根っこを掴まれた少女は手足をパタパタさせている。よく片手で持てるな...
「あら?あなたはAクラスの子じゃない?」
教員が俺の肩からひょっこり顔を出した。
「まじかよ、てことは俺達と行く所が一緒だけど並んで歩いてるから通りづらくて困っている…とか?」「><(こくこく)」
そっかー、じゃあさ?
「刀少女くんの早とちりで成敗されたのか~(ちらっ)」「申し訳ありませんでしたぁぁあっ!」
刀少女はその場で土下座をキメた