待つのは苦手?
ずっと更新していなくて申し訳ありません!!
おまけに今回はきりの良いところで切りたかったので量も少ないです。
どうか罵って下さい。
コツコツ
物音に反応したグレイスが目を向けると、家の窓のところに大きな鳥がとまり、嘴で音を立てていた。
「兄〈にい〉、なんかデカい鳥がいる」
「あー、分かった。ちょっと待ってて」
キッチンからヨシュカの声がして、暫くすると本人も出てきた。グレイスが指差した方を見ると、やっぱりといった感じの顔をした。
「こいつはほら、この前話した腐れ縁の使い魔だよ。多分グレイスの出した条件についての知らせに来たんじゃないかな」
そう言いながら窓を開けてやり、脚に括り付けられた袋を外した。中にはシンプルな封筒に包まれた手紙が一つ。内容はやはりヨシュカが学園に入れるかどうかについてだった。
「どうだった?」
「ん、大丈夫だってよ。これで一緒に行けるね」
その言葉にグレイスも嬉しそうにはにかんだ。
「そうと決まれば早速挨拶に行かないとね。何が必要なのかとかも聞かないと」
「分かった」
ヨシュカとグレイスは出掛ける用意をさっさと済ませると、家を後にした。二人の頭に事前連絡などという言葉は一切無い。
「大きい……」
「確かに、まぁそれだけ人数も多いよ。なんて言ったってこのリアン国唯一の国立魔法学園だからね〜」
二人はまるで城のようにも見える学園の、門の前に立っていた。ヨシュカは未だに門を見上げているグレイスの手を引き門の脇の立派な柱へ向かい、そこについているドアをノックした。
「はい、どなたかしら?」
ドアを開けて出てきたのは可愛いというよりも綺麗という言葉の似合いそうな女性だった。
「今度ここに編入する子とその保護者だよ。理事長に会いに来たんだ」
「あら、そんな連絡は来てなかった筈だけど」
「それはそうだよ、だって言ってないし」
平然と言い切ったヨシュカに門番の額に青筋が浮かぶ。美人も台無しな引き攣った笑みのまま理事長に連絡してくるから待つよう伝えるとさっさと奥に引っ込んでいった。
そのまま5分程経過した。まだ出てくる様子はない。
「来客を外に放置とは酷いなぁ。ねぇ?グレイス」
グレイスがこくりと頷くと、ヨシュカがにやりと笑った。
読了ありがとうございます。