プロローグ
初めてですが、よろしくお願いします
俺は石原仁 職業は外交官。省内の誰かさんは冷血漢だのタカ派だの果てには変人だのと変な噂を流しているが、俺には心当たりはない。
そんなことはどうでもいい。何で俺はこんな所に立っているんだ。そう確か俺は久しぶりに田舎に帰るために飛行機に乗っていた。そして隣に座っていた坊やとトランプをして、時差ボケ対策に睡眠をとって、そして眼が覚めたら機内が大騒ぎになっていて、そうだ。思い出した。事故で死んだのだ。
で、何で俺はこんな所に突っ立っているんだ。俺は無心論者だ。だがここが死後の世界だと解らぬバカではない。
「あなた、話を聞いているのですか」
今ごろ気がついた。俺はだだっ広くて冷たい石造りの広間の真ん中に立っていた。
「話を聞け」
どこかにいる女の子の叫びが耳に刺さってくる。
どうやら目の前の派手な椅子に座っている派手な少女の仕業らしい。随分とご立腹である。
「あたしが折角あんたを選んでやったのに、そんな態度でいいと思ってるの。あなたのせいで大勢の人が死んだのよ。感謝の一言位言いなさいよ。……」
俺、何かしたっけ
「あの落ち着いて下さい。状況を説明して頂けませんか。初めにどうして私はここにいるのですか」
油を注いでしまったらしい。顔を真っ赤にしながらなにやら喚いている。
要約すると多分彼女のして欲しい仕事に適当な人材を発見。早速飛行機を破壊し目標を殺害してここに召喚。仕事はこの世界の身分を弁えた平和で明るい所謂封建制度の建て直し。報酬としてその仕事に相応しい豊かな人生。要は自己負担。ただしスタートは保証してくれるらしい。
「あのぉ、私達の世界の平和はどうしてくれるのですか。」
人の世界を勝手に乱しておきながら、自分の世界の平和とはどういうことだ。
「何であたしがあなたの世界の事なんか気にする必要があるのよ。あたしの役割はこの世界の秩序と平和を守ることです。あなたと話すだけで無駄。さっさと仕事に取り掛かりなさい」「…あっあの、ちょっ」
こうして俺はラファール家の長男、ジン・ラファールとしてこの世界に生まれた。この時俺は誓った。俺はこの世界の事なんか気にする必要はない。平和で明るい封建制度なんかぶっ壊してやる。
これが彼の波乱に満ちた人生の始まりであった
ぼちぼち更新していきます