表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
¥PRICE¥  作者: 羽依音
入学篇
8/105

05

 柏餅先輩は、担任の先生に俺を引き渡すと自分の教室に戻って行った。

 担任は、中条先生。見た目は、40歳ぐらいの人。にこにこして、物腰が柔らかい人だった。

 俺は、一年C組。クラスは、男子15人、女子15人の合計30人。 A組からE組までの5クラス。

 空きがあるクラスに、生徒を埋めてくらしい。

 教室は、白と茶色ベースで机と椅子はヨーロピアン風。

 モダンな茶色の机と上品な椅子で、エアコンも完備。


 ━━8時20分。チャイムの音と共に起立と礼の号令。

 声の主は、水色のショートヘアーの女子。左側に流した前髪を白いピンで留めている。

 女子の制服は、水色の2つボタンブレザー。

 ブレザーのボタンは、水色に白のドット柄。

 丸襟のブラウスに水色に白のドット柄リボン。

 スカートは、水色に白のドット柄のフレアーミニスカート。

 ブラウスの上に、カーディガンやパーカーを着た女子が5~6人ぐらい居た。


 簡単な自己紹介を終えると、クラス委員長を紹介された。

 クラス委員長は男子。名前は子元。

 暗めの茶髪で、前髪を右側に流したフェイスライン有りのポニーテール。

 シャツの上に、紺色のカーディガンを着てる。

 同じ三国志武将ネーム。仲間が居たのが嬉しくて、ニヤニヤしそうになったけど耐えた。

 号令していた子が副委員長。名前はラムネ。活発そうな感じの子だ。




 4月の頭に席替えをやったばかりらしく、俺の席は廊下側の一番後ろ。

 前の人は、小岩井って男子。

 茶髪で平巻きスパイラルのミックスパーマ。

 フロントにカール感出してリーゼント仕立て。

 茶色のパーカーを着た彼は、爽やかな笑顔でよろしくって言ってくれた。

 話し掛けやすそうなタイプでよかった……。


 前の人に安心していたら、出席開始。

 様々な名前が呼ばれてて、若干慣れた気でいたけれど……。

 とりあえずガン見したのは、窓側の一番前に座っている翠緑玉山(エメラルドマウンテン)

 黒いニット帽を被り、黒の丸型サングラス。

 白と黒のボーダーのパーカーを着て、足元は黒の厚底ブーツ。

 声が低くてイイ声だ。俺の中で、彼はオシャレな殺し屋になった。




 ホームルームが終了して、中条先生が教室から出ると校内放送が流れた。

 どうやら今日は、学園長による全校集会が行われる予定だったらしいけれど、学園長の都合により後日に変更。

 学園長と講堂見たかったのに残念。1限目は、自習になった。


 「子元君!! 私も一緒に行くよ」


 「いい。プリントは1人で持てる」


 「そう……。じゃあお願いします……」


 兄上は、クールだな。ちょっと、絡みずらそうな感じ?

 ああ、俺は子上じゃないから兄上って呼んだらダメか。


 「オース!! 俺は、微洲固(ビスコ)。どう? ここの感想は?」


 「出席の時、名前聞いて吹きそうになったし!!

 感想ねぇ……。急に、セレブになっちまったなぁ……」


 「だよなっ!! 儲かってるな、ここ。

 急に、名前決めろっつーじゃん? 好きな菓子でいいやって。

 スゲェよな、ここ……。俺、ぶっちゃけ殺されると思ったけどな」


 「それ、ワカルー!! 俺、メッチャ質問したもん。死にます? 俺、死にます?ってー」


 「俺も、それ言ったよー!!」


 微洲固は俺の隣。童顔で、背が低い。中坊でも通用しそうな感じ。

 奈之井ー(ナノイー)は、微洲固の前の奴。

 電化製品好きなのか聞いてみたら、違った。

 微洲固と同じ位の身長で、童顔具合は微洲固の勝ち。

 近い席なのもあって、俺はすんなり2人にとけ込めた。


 小岩井は、コーヒー牛乳が好きだから小岩井にしたらしい。

 言われてみれば、パーカーの色がコーヒー牛乳色だ。

 授業の合間の5分休みには、男子だけじゃなく近くの席の女子とも話せるようになった。

 何で売られたのトークがなくて、よかった……。


 ━━昼休み。


 カードの暗証番号を作ったら、レストランに来るように誘われた。

 メンバーは、小岩井、微洲固、奈之井ー。

 どうやら携帯もインフォメーションで受け取れるみたい。

 希望の暗証番号を5つ書いて確認してもらったら、第一希望どころかほぼ全滅だった。

 四桁の数字。これだけ人が集まっていれば仕方ないよね。

 受付の内川 静さんと、10分ぐらい番号決め相談をしてしまった。

 しかも、携帯はまだ届いてなかったし……。ちゃんと、仕事しろよ!!




 レストランの場所は10階だと内川さんに聞いたので、エスカレーターとエレベーターがある中央広場に向かおうとしたら、階段を上っているオシャレな殺し屋エメマンを発見。

 ランチに誘ってみようと思って、エメマンを尾行しようとすると、視界に赤髪の男子が入った。


 キノコっ!? トマトっ!? 鮮やかな赤髪の坊ちゃん刈り、赤のモモンガパーカーの下は、黒に骸骨プリントのTシャツ。

 私服かと思ったら、下は自分と同じサリエルパンツだった。

 真っ赤なキノコヘアー男子に目を奪われた俺。

 正面を向くと、エメマンとご対面していた。

 エメマンの髪は、綺麗なミント色。

 厚底ブーツのおかげで、180㎝を余裕で越えてるエメマンの迫力はハンパなかった。


 「……俺に用事?」


 ホットピンクのi pandaのイヤホンの右側を外して、笑ってくれてたと思う……。

 丸型サングラスで、目は見えないけど、口が笑っていたから……。


 「あのっ……。レストラン行くなら、いっ……一緒にどうかなって思いまして……」


 「ああ、そういう事ね。……ごめんね。今日の昼ご飯を食べる相手は、決まってるんだ」


 「そうなんだ!! ごめんね!! 変な意味で尾行したわけじゃないから……」


 よく見ると、エメマンの手にコンビニ袋。

 そんなにビビんないでよ~って言われたから、第一印象が、俺の中でオシャレな殺し屋だった事を伝えるとエメマンは爆笑してくれた。


 彼のニックネームは、エメ。

 オシャレな殺し屋がよっぽどツボったのか、仲良くなりたいから晩ご飯を一緒に食べようって誘ってくれた。

 殺し屋って呼ぶのは、あまりよろしくないので、俺もエメって呼ぶ事に。

 携帯を受け取ったら、番号とアドレスを交換する事を約束した。

 気さくな感じの奴でよかった……!! こんな腐った場所だけど、話せる友達が出来たのは嬉しいな……。

 やっぱり、話せる人が居るのと居ないのは違うと思う……。

 卒業まで、仲良く出来たらいいな……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ