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¥PRICE¥  作者: 羽依音
入学篇
5/105

02

 何か……色々突っ込み所多い学校だな……。

 貰ったペットボトルの水を飲もうとしたけど、エナジー系ドリンク以上の効果がある、謎の水なのでやめておいた。

 サイコパス診断カウンセラーと入れ替わりで、また誰か入って来た。


「…………ッッ!?」


 ここは高校だよね……? 身長150㎝ぐらいの、小柄な可愛い系の男子……。

 金髪のマッシュウェーブ。黒のニットベストに、黒シャツの襟下に緑のリボン。

 緑のショートパンツに黒のハイソックス。

 茶色のローファーを履いた、お坊ちゃん風な人。


 その後に、身長170㎝ぐらいの、ツーブロックショートウルフの黒髪。

 緑のカーディガン、白シャツに黒ネクタイ。

 黒のクロップドデニムのハーフパンツに黒の編み上げブーツ。


 最後は、黒の中折れストローハット被った、175㎝ぐらいで黒ブチメガネしたモデル体系。

 銀髪で、長さ残しつつトップにレイヤー。

 ランダムなスパイラルパーマで、長め前髪で耳だし。耳には、ポディピアス有り。

 緑のジャケットの下は黒Tシャツ。黒のクロップドパンツにレザーサンダル。

 とりあえず、個性的な方々が来られました……。




 左から、お坊ちゃん、ツーブロック、ストローハットの順で座った。

 誰が、一番偉い人……? とりあえず、ショタではないだろうと俺は思った。

 今の所、お偉いさんは真ん中。

 ━━って事は、ツーブロックがお偉いさんだな。


 「喋れよ!! お前が、喋んねーと始まらねぇだろ」


 「ああ、そっか。そうだねー……。面倒くさ……。

 どうも、緑会です。はい、どーぞ」


 「えっ……?」


 青い紙袋が、テーブルを滑って俺の前にきた……。


 「おい……。ちゃんと、説明しろって!!」


 「ええー……。先月しまくったから、あんまり喋りたくないんだよね……。ダルいし」


 「あははっ!! ロアちゃん、マジウケるー!!」


 「…………」


 無気力なお坊ちゃんに、怒鳴るツーブロック……。クッソ笑ってるストローハット……。

 待って……。お前が喋らないと、始まらないって……。

 お坊ちゃんが、お偉いさんっ!?


 「どうも。緑会、会長の抹茶馬場炉亜(マッチャババロア)です」


 「副会長の宇治金時(ウジキントキ)です」


 「書記の抹茶烏龍(マッチャウーロン)でーす。ヨロシク~」


 だから、3人とも緑が入った服着てるのか……。

 緑会の意味が理解出来ました……。てゆうか、ネーミングセンスすげぇな……。


 「一応名刺。捨てても構わないから」


 「ありがとうございます……。……ッッ!?」


 抹茶ババロアは、全て漢字で鼻水が出そうになった。




 宇治金時さんと抹茶烏龍さんからも名刺をいただいた。

 抹茶馬場炉亜さん、けだるそうに頬杖ついてるけど……。

 本当に、やる気ないな……。この人……。


 「会長……。せ・つ・め・い!!」


 「んー……。ダメだ。モチベーション上がんないや……。

 察してよ、宇治金……」


 「俺だって上がんねぇよ……。辛いけど、仕方ねぇだろ……」


 「まあ、新入生の前だからさー。そのネタは、控えようよ。

 しゃーない。今日は、俺と宇治金で頑張ろっか~。

 ロアちゃん、明日ランチ奢ってね~」


 「喜んでー。ありがとう、烏龍……」


 「まあ、今日は、無気力だけど……。コイツが会長な。

 緑会は、生徒会みたいなもん。普通の生徒会と、ちょっと違う所はあるけどな。

 女子にも会があって、女子と男子じゃ若干ルールは違う」


 「まあ、安心して~。男子は、そんな厳しい規則ないから~」


「校則ですか……?」


 「一応学校だからね。全体的な規則が、男子と女子でちょいちょいあるって感じかな。

まあ、詳しい事は、ロアちゃんが渡した紙袋の中に入ってる分厚い説明書読んでね~。

 分かんない事は、クラスメートに聞けばいいよ~。

 あっ!! そうそう。はい、制服!! デザインは俺~♪

 カスタムは自由だけど、必ず学年が分かるようにしてね。

 例えば、シャツとネクタイは残してもらって、ジャケットとパンツのチェンジは有りって事。

━━後、男子は緑の服着るの禁止だからヨロシク」


 「えっ……? 何でですか……?」


 「ここはね、会カラー指定になってる色の服を着ちゃダメなの。

 早い話が、偉い人が誰かすぐ分かる為だよ。

 創立の時に、本部の方がそういうルール作ったみたいでさ。

 見て分かってると思うけど、緑会のカラーは緑。

 だから、緑の服は禁止。ちなみに、靴や装飾品はOKだから」




 抹茶烏龍さんは、校則について説明してくれた。

 かなり大ざっぱな説明だったけど……。


 女子は、美容会って方々がトップスリー。

 3人とすれ違う時は、礼をする事。


 美容会のカラーは赤。女子は、赤の服禁止。

 靴やネイル、装飾品も禁止。OKなのは、化粧のみ。

 ちなみに、私服は赤も緑もOK。禁止カラーは、学校内だけの話で安心した。


 「あっ、Sの件って本に載ってるっけ?」


 「載ってんじゃねーの? 後は……ロア、カードは?」


 「紙袋~」


 「何でも詰め込むなって……。青い紙袋の中に、カードが2枚入ってる。

1枚は、マンションのカードキー。もう1枚は、キャッシュカード……。

 クレジットカードって言った方がいいかな?

 これ、いつも迷うんだよな。どっちで説明するか」


 「適当でいいのに。真面目だね、宇治金……」


 「…………」


 俺も、どっちでもいいけどさ……。とりあえず、カードで金管理するって事だよね……?


 「ここは、毎月25日に小遣いもらえる。金は、全てキャッシュカードの中な。

 学¥のコンビニやレストランの支払い、ショッピングモールでの買い物、 娯楽施設の入場料、通販の支払いはカードで支払いだからなくすなよ。

 部屋にパソコンあるから。パソコンで、カードの暗証番号の設定しといて」


 「小遣いに関しては、細かい詳細があるから。それは、説明書で確認しといてー。

 新入生は、入学祝いで5万貰えるよ。よかったね♪」


 「やけに。待遇いいんですね……」


 「当たり前じゃん……。楽¥だからね、ここは……。

 殺されるかと思った? よかったね。今日から、セレブ気分が味わえるよ。

 人生のリセットなんて、普通に生活してたら味わえない。

 まあ、短いリセットだけどね……。

 新しい自分が、今日出来たんだからさ。割り切って楽しみなよ。

 今までの自分は、もう居ないんだから……」


『じゃあ、新生活楽しんでね』


 緑会の方々は、俺に笑って部屋から出て行った。

 抹茶馬場炉亜さんの笑顔は、感情のない冷めた笑顔だった。

俺はその時、無気力の小さな少年の、本当の顔を見た気がした……。

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