第二章1-7 客間で密談のはずでしたが・・・ ▼
――――ナターシャ――――
ユリアーナが私たちを客間へ届けて、少し時間が経ちましたが戻ってくる気配はありません。
お茶を用意したメイドも今は、客間から退出して、キルア様と2人きり・・・。
2人きり・・・。
・・・。
・・・・。
・・・・・。
いけませんっ! 今はそれよりも大事な話をしないと。
ユリアーナは信用できるのかを。
ユリアーナの言うことは無茶苦茶で話を聞く限りでは、鬼畜のようですし・・・。
「キっ、キルア様?」
「ん? どうしたお菓子食べないのか?」
考え事をしていたら、キルア様が、クッキーを1枚掴んで私に差し出してきたっ。
「あっ、あの!?」
「ほら、美味いぞ?」
「あっ、はい。いただきます・・・」
口をあけて食べさせてもらう。
「美味いだろう?」
「はいっ、美味しいです!」
正直味なんて分かりません!
もうキルア様に見つめられるだけで私は・・・私はっ。
「キルア様~!」
ああっ! 勝手に体がキルア様を求めて抱きしめてしまいます・・・。
「どっ、どうしたナターシャ!?」
「ああっキルア様~」
「コっコラっ! 胸を押し付けすぎだ息が出来んっ!」
「すみませんっ」
いけない、いけない理性をしっかりと持たないと。
「いきなりどうしたのだ?」
「いえ、キルア様が好きすぎ・・・人間の城にいることが不安で・・・」
「なにか言いかけなかったか?」
「人間の城にいるのが不安なんです」
「なにか言い・・・」
「人間の城にいるのが不安なんです!」
「そっそうか・・・」
なんとか誤魔化せましたね。
「キルア様。私はダークエルフなので怖いのです・・・」
流し目でキルア様の心を揺さぶる。
「それがどうしたのだ?」
うっ、ちょっとショックですね・・・。
キルア様に心配をかけるのも嫌ですが、心配をまったくされないのも嫌ですね・・・。
それでも、私の忠誠心は変わりませんけどね。
それよりもユリアーナのことを聞かないと・・・。
「よく聞けナターシャ。お前は、我の僕だ。人間などに手出しさせるか、いざとなったら我が戦う」
「キルア様・・・」
最高! 最高です! もう最高すぎて!
ああっ! 頭がおかしくなりそうです!
「キルア様・・・」
「なっ、なんだ? 顔が近い・・・というか体が近いっ!?」
「キルア様・・・」
「どっどうした・・・?」
「キルア様・・・抱いてください!」
「なっ、なにを言って!? ちょっ、ちょっと、待て・・・」
待てません! 待てません! 待てません!
キルア様! キルア様! キルア様!
ああっ! 心の底から・・・女の本能からキルア様が欲しくなってしまいました!
まったく、このマントは邪魔ですねっ!
「なにを脱がそうと・・・脱ごうとしている!?」
「大丈夫です! ご安心ください! キルア様はそのまま私を感じてくれさえばいいんですよ」
「おい! ナターシャ!?」
「大丈夫! 痛いのは私だけでキルア様は気持いいですから!」
「ナターシャ!?」
「お互い初めて同士・・・ゆっくりお互いを感じましょう・・・」
「ナターシャ・・・」
ああっ、可愛いです! 体を緊張で固めたキルア様っ!
さてと、大人しくなってくれたところで、まずは唇から・・・。
顔をゆっくりと・・・ゆっくりと近づけて・・・さあ! 逝きますか!
部屋のドアが、開いた音がしましたが関係ないですよね! どうせメイドでしょうし、私たちの愛を見せ付けてやりましょう。
「キルア様、ナターシャお待たせしました。今から謁見を・・・」
「「・・・・」」
またしても・・・またしても邪魔をしますかっ、ユリアーナ・セイール・・・!
・・・ん? そういえばユリアーナの事でキルア様に聞かないといけないことがあったような・・・?
「あなっ! あなた方はっ! なっ、なにを・・・なにをやっているんですか!!??」
ナターシャ大暴走!!
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