表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/62

プロローグ1-4 大洞窟の黒竜への道のり ◇

――――ユリアーナ――――



夜が明けた。


私はこれから死の谷へ向う。


死の谷は、この村からでも遠めに見える。


まさに、死の谷。生命を感じない・・・。


死の谷は、太陽が昇っているのにも関わらず暗雲が差しかかっているように空が暗い。


遠目からでも、猛毒ガスであろう紫色のもやが浮かんでいる。


私はこれからあの猛毒の谷へ向かい。そして、伝説に記されるような黒竜を倒さなければいけないのだ。


それも、私一人で・・・。


自分で行くと飛び出しながらも、いざ目の前に死の谷が現れると、足がすくんだ・・・。


長年の戦闘経験が物語っている。


あそこへ行ったら、確実に死ぬと・・・。


国を出発する前にエレノア様から選別に貰った国宝級の真っ白なフード付きローブを羽織る。


羽織るだけでもローブに籠められた力が伝わってくる。


私には、戦う力しかない。私が役に立てるのなら本望だ。


退路は無い。ここで逃げたり死んでしまえば確実にレイティア様は後半年で死ぬ。


心で恐怖を討ち倒す。




さあ! 行こう!!


村の裏にある死の谷へ向う一本道を駆ける。


時間はかけられない!


馬車で行っても馬がすぐに毒で死んでしまうだろうし、帰りの足がなくなっては困る。馬車と馬は宿屋に預けた。


一本道を風のように駆け抜けて行く。


景色が絵のように通り過ぎて行く。


景色の変わり方は激しかった。村の周りは青々した森が広がっているが、3km進んだあたりから森の木々の色が目に見えて解るように変わっていく。


緑からどんどん色が抜け落ち、死の谷のふもとに来る頃には森はなくなり荒野が広がっていた。


生命など何一つ無い荒野だった。




もう目の前に死の谷がある・・・。


今はまだ昼前だというのに、空は暗い・・・。


気合を入れなおし・・・。というか気力をたて直し進む。




身体強化の魔法を足にかけ、一気に駆け上がる。




やっと、中腹まで来た・・・。


毒はどんどん強くなっている・・・。


ローブは白から黒に染まりつつある・・・。


たぶん全部真っ黒になったらローブの魔法が壊れるのだろう。


昼食を摂ろうと食料を出した途端、食料は紫に変色しヘドロになってしまった。


あわてて、手放すとジューーっと音を出しながら砂に消えていった・・・。


どうすればいいのだろう・・・。


食料も無く、生物もいない・・・。


たぶんローブは夜まで持たないだろう・・・。


まだあと半分残っている・・・。


やるしかない・・・。


黒竜を倒さないと・・・こんなところで死ぬわけにはいかない・・・!!


一か八かです!!


鎧を脱いで足に魔法をかける。


背中の大剣とローブだけになり、さっきよりも多く足に魔法をかける。




風になり駆け抜ける。




身を軽くするためにすべて脱いだ。


着ているのはローブだけだ・・・! 恥ずかしすぎる!!


はためくローブを抑えたくなる・・・。飛び上がって着地する際にローブがバサッとめくれ下半身が丸見えになる・・・。


しかし、赤面している場合ではない・・・女は鎧とともに捨てた・・・捨てたんだ!!


今は単なる狩人だ!! 女じゃない!!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ