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第一章2-8 決戦ベルゼリッター!! ◇

――――ユリアーナ――――



今、ベルゼリッターの住処という。洞窟までやってきました。



「ここにいるんですね?」


「はい、この洞窟の中がベルゼリッターの住みかです・・・」



ギルドから案内役に受付の女性を借りました。



「わかりました。では、離れていてください」


「あ、あの!」


「ん? どうされました?」


「あの、その・・・体は大丈夫なんですか?」


「はい。なんともありませんよ」


「本当に毒が効かないんですね・・・」



そう言えばこの受付の女性もきちんとマスクやマントを羽織り肌の出ている部分はありません。


それに対して私はマントを身にまとっただけで頭は丸出しですから。


やっぱり、毒が怖いでしょうね。私も、キルア様に毒の効かない体にされてなかったら、討伐しようとは思わなかったでしょうし。



「あなたはもう帰っていいですよ。今日中に終わらせますから」


「・・・わかりました。そうさせてもらいます」



受付の女性は早々と帰ってしまった。


薄情だな、とは思わない。


発病してしまえば終わりの病気の発生源に来ているのだ。すぐに離れたほうがいいだろう。




洞窟から魔物の大きな呼吸音が聞こえる。




ベルゼリッターがどういう魔物かは知りませんが恐怖はありません。


私は、死の谷を突破し、黒竜に単騎で勝負を挑んだことがあるんです。まあ、負けましたけど・・・。


そう言えばもうお昼ですキルア様はご飯を食べたんでしょうか?


うーん。きちんとお金と買い物に関してはみっちり教えたので大丈夫ですね。


それより、問題とかトラブルに巻き込まれてませんか心配です・・・。


この私でも、簡単に騙せるんですから・・・。




左手にたいまつ。右腕にロングソードを構えてから洞窟へ向かっていく。




洞窟の大きさは、民家ぐらいです。


魔物の特徴を聞くのを忘れました・・・。


どんな魔物なんでしょう? 毒を吐き出すとの事なんで昆虫でしょうか?


昆虫は勘弁して欲しいなぁ・・・。




五分ぐらい進んでいくと、闇の中に光る目を発見した。




戦いやすいように光の玉を魔法で設置する。


魔法のおかげで魔物の姿が見える。




牛のような大きな亀でした。




背中の甲羅には大きな突起が生えていて、紫色の煙が昇っています! おそらく毒。


この魔物がベルゼリッターなんでしょう・・・。


大きな顔には鋭そうな大きな牙が生えています。




「ギュラァァァァーーーーー!!」



ベルゼリッターは咆哮を放つと、ユリアーナに突進して行く。




避けられないスピードではないです。




落ち着いて体に魔力を流し身体強化の魔法をかける。




背中に壁を背負いぎりぎりまで惹きつけて避ける。




ユリアーナは、バックステップを使い、壁を背にし紙一重でかわす。




ドンっ!!という大きな音が鳴り洞窟が揺れた。




これは、まずいですね。あまり洞窟に衝撃をあたえると崩れる危険がありますっ! かといって攻撃を受けるのは危険すぎる。


早く倒してしまったほうがいいですね。




ベルゼリッターが振り向く前に、後ろ足を剣で斬りつける。


しかし、ロングソードは鱗で防がれ、刃は表面で止まっていた。




っ痛・・・! 硬いのは甲羅だけではないようだ。一振りで手が痺れてしまった。




くそっ! 剣がもう少しよければ・・・。




ベルゼリッターは、ほとんどダメージを受けておらず、すぐにまた突進してきた。




動き自体は遅いので簡単に避けれる。


ユリアーナは腕の身体強化を強めて、また足を斬りつける。




今度は少し深く刺さったようだ。紫の血が少し剣についている。


それでもかすり傷程度・・・。


魔力や体力的には問題ないけど、この武器で倒せるまで何時間かかるんでしょう?


想像したくないですね・・・。




ユリアーナが立ち止まっている隙をついて、ベルゼリッターは口から火吐き出した。


吐き出された火炎は、ユリアーナのマントを焦がし壁にあたり、火の粉をあたりに撒き散らす。




っと! うわっ!!


こ、この亀口から火炎弾を吐きましたよ! しかも、かなりの威力の!!!


なんとか避けれましたがこれは気を付けなければいけませんっ!


キルア様のもとへ帰るために! お金のために! 国で待っている王族たちのために!


ユリアは! ユリアーナ・セイールは! この命を賭けましょう!




ユリアーナは、覚悟を決めるとロングソードを構えなおし、ベルゼリッターに向って駆け出した。




つ、つかれ・・・疲れました・・・。


やっと戻ってこれました・・・。 もう深夜になっています。


キルア様に申し訳ないことをしました・・・。




ユリアーナがベルゼリッターを倒して村に戻った頃にはもう夜も更けていた。




うう、痛いです・・・。


ボロボロです。泥んこです・・・お風呂は入りたい・・・。


なんだか街中が騒がしいですね? どうしたんでしょう?


なにかのお祭りでしょうか? 


それよりも、キルア様でした・・・。早く迎えに行かないと・・・。




ギルドに近づくにつれて人の密度が高まってきています。何百人いるんでしょう?


広場にあふれんばかりの人だかりです。




なんとか、人だかりを潜り抜け、ギルドにたどり着きました・・・。


そうだ、先にヨーゼフさんのところで報酬を受け取りましょう!


そして、報酬で美味しいものを一緒に食べましょう! うん、それがいい。




店の奥でヨーゼフさんが待っていました。




「おおっ! やっと戻ってきたか!」


「はい。きちんと討伐してきましたよ。これが証拠です」



懐から、ベルゼリッターのキバを取り出し、見せる。



「おお・・・。今日はなんという日だ・・・これで、グラールは完全に救われるっ・・・」


「それで、あの報酬を貰いたいんですが・・・」



感動はあとにしてもらって、お金を貰いたい。



「ああっ、そうだな! ほら金貨30枚だ」


「金貨30枚・・・!? ・・・ありがたく使わせてもらいます」



ヨーゼフがユリアーナに金貨の入った小さな袋を渡しす。



ふふふっ・・・。金貨30枚! 金貨30枚も貰いました!!



次の街まで充分すぎる金額です!



さてっ、キルア様を見つけて宿屋で一番高い料理を食べさせてあげましょう。


やっと、お肉を食べさせてあげられます!




ユリアーナは鼻歌を歌いながら酒場を見渡す。




あれっ? キルア様がいません・・・! どこに行ってしまわれたんでしょう?


ま、まさか・・・。逃げてしまわれた・・・いや、そんなはずはありません! 逃げるなら、私が倒れたときに逃げていますし・・・。まさか誘拐・・・! どうしましょう・・・!!



「ねえ、あなた?」


「あっ、はいっ! なんですか?」



袖の無い大胆な若草色のドレスを着たスタイルのいいダークエルフが声をかけてきた。



「ここにいた。黒髪の坊やの保護者さん?」



黒髪っ・・・キルア様ですね!



「はいっ!そうです、どこにいるかご存知ではありませんか!?」


「ええ。知っているわよ。今、教会にいるから、この紙を渡しといてくれる?」



ダークエルフは長くてさらさらな銀髪を左手でかきあげながら右手で小さな紙を渡してきます。


うう、色っぽい大人の女性という感じです・・・。私の胸より一回り以上胸が大きいです・・・。



「教会・・・ですね。ありがとうございます」



そんなこと、いまは、どうでもよかったんでした!!




ユリアーナは紙を受け取り、教会へ急いだ。


ユリアーナは再び、人ごみを掻き分け、教会の中にはいった。




あっ! キルア様ですっ! よかったぁー。


何かを神父から受け取っています。かなり大きな袋です。


まったく、食料でもせびったんでしょうか?


きちんと怒らないといけませんね。


ああでも、まずは褒めて欲しいですっ。


なにせ、ベルゼリッターは、2体いて、洞窟の奥にたくさんの卵がありましたから・・・。


ベルゼリッターを2体も倒しておまけに卵の駆除までしたんですから褒めてくれますよね?


私が討伐していなかったら、この街は滅びていたでしょうし。


やっと、いいところを見せれます。


お金も手に入れましたし。


よし、キルア様に金貨を見せに行こうっと!


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