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第一章2-1 はじめてのギルドでのお留守番 ◆

――――キルア――――



最初の村を出発して9日目。


このグラールに着いてから始めての朝がやってきた。




ユリアは、もうすでに、椅子に座り、俺があげた赤と白の服を着て剣の手入れをやってた。



「おはよう。ユリア」


「おはようございます。キルア様」




おきてからすぐに朝の挨拶をする。




ユリアは、俺が立ち上がると赤面してそっぽを向いた。毎回のことなのでもう気にしない。


とりあえず、いつもの黒い貴族服を着込みマントをまとう。


ユリアも着替え終わる頃にはもう準備し終えたようでマントをまとっていた。


ユリアによると、今着ている服には魔法が付与してあり、普通の人間は持っていないから、むやみに見せびらかすと襲ってくる人間が現れるということなのでマントを纏って服を隠す。


やっぱり、人間は強欲な生き物なんだと思った。




宿屋を出てギルドに入りる。




事前にユリアからギルドについての説明を受けているので平気だ。


とりあえず今日、我はギルドの酒場に居ればいいだけだから、なにも心配要らない。




まずはユリアに酒場に連れて行かれた。




「キルア様。今日はここでおとなしくお留守番していてくださいね」


「わかったよ。ちゃんと戻って来いよ」


「はい。今日中に終わる仕事を受けますからちゃんとここにいてくださいよ」


「わかったよ」


「では、いってきます」


「いってらっしゃい・・・」



ユリアはそう言うとギルドの店員に話しかけて奥へ消えていった。


どうしよう。ちょっと不安だ。



出会ってからいつも近くにいたユリアが今はいない。


人間社会のことはこれまでの旅で習ったが、それはまだ単なる知識だ。実際に使ったことはない。




ユリアがギルドから出て行った。


仕事を受けたのだろう。急ぎ足だ。




俺は、完全に一人になった。




どうしよう。銅貨は数枚貰っているから何か頼もうか?


人間がたくさんいる。人外の生物もいる。


こんなにたくさん見たのは初めてだ。


なにもないといいが・・・。


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