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第一章1-5 大変です幸運すぎます!! ◇

――――ユリアーナ――――



黒竜が契約をしてくれたことに喜んだ私は思わず、喜んでしまいました。




黒竜が変な者を見るような目で見てきます。




いけないとっ、と思ってすぐにひざまずきます。


契約の内容は王都にいく代わりに自分の身を差し出すということでした・・・。


殺されるっそう思って、あたまを下げて、黒竜の行動を待ちます。


なにせ黒竜です。生き物としての種類が違うのです。


身を差し出すという契約をしたのですから、殺されても文句は言えませんし、先ほどの自分は黒竜を脅していました。


腹いせに殺されるかと内心穏やかではありません。



「・・・」



なぜでしょう? 


黒竜は、なにもしてきません・・・。


てっきり、殺されると思ってました。そうでなくても、蹴られたり、殴られたり暴力を受けると思っていました。


顔をあげて黒竜の様子を伺ってみると、先ほどの怒っていた態度が柔らかくなっています。


許してくださった。


この私を許してくださったのだ。


ものすごい怒りを私に抱いていたはずなのに・・・。




私は、自分が卑しい生き物なのだと実感しました。




身を捧げる。殺しても構わないと言いましたが、本当が胸に恐怖があったからです。


そういう契約を持ち出したのは私なのに。


殺そうと、暴力を振るおうとしない黒竜のを見て、ホッとしてしまいました。


本当に自分が卑しいです。卑怯な自分が情けない・・・。




目の前の黒竜はこんなにも潔く、孤高なのに。


私もこの黒竜のようになりたい。


あなたのように・・・。




そう言えば、黒竜の名前はなんと言うのだろう?


黒竜様? でいいのでしょうか?




勇気を出して尋ねた。




ここでまた自分は失敗してしまった。


私は名乗りもせずに主に先に名前を尋ねてしまった。黒竜様に指摘されて初めて気づいた。


これが普通の主と奴隷だったら、鞭打むちうちにされている。




慌てて謝ってから名乗る。




お仕置きされるっと見まがえたが、黒竜様は気にしてないようだ。


心が広い。この方が黒竜で本当に良かった。


黒竜が私の名前を口に出して記憶してくれているようです。


ああ、黒竜様に名前を覚えられています。感動ですっ!



「・・・」




・・・・ふぇっ!?


名前はわかりました。キルア。覚えました。


ここまでは、別に名前ですからいいですが・・・。


その後ですっ! その後っ!


い、いま・・・この方は、なにをおっしゃったんでしょう・・・??


黒竜の後ろになにか付いてましたよ? 


黒竜の・・・王様の息子・・・ってことは? ・・・王子様?


私は、黒竜の王様の息子を連れ去り、騙し、契約を取り付けたんでしょうか?


ヤバイです。あまりのショックで顔が固まりました・・・。



黒竜の・・・王。ですか―――――



っと声に出ていたようですっ、幸い黒竜に気に止められなかったようです。迂闊うかつでした。



本当に、黒竜王の子供に――――つまり黒竜の王族に手を出してしまったんですね。



単なる庶民の騎士が、下等な人間風情が、伝説の生き物の・・・それも、その中でも王族にっ、私は手を出してしまったんですね。


人間のように、生き物のように扱ってもらえるだけでも、奇跡です。


個人として認識してくれているだけでも、奇跡です。


竜にとってみれば、人間など、石や虫と変わらないだろうに・・・。




竜に認識され、話を言葉を交わせています・・・。




あまりに幸運すぎます。


黒竜と契約でき、伝説の生き物に名前を覚えられました! 光栄です・・・私はこんなにも幸運でいいのですか?


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