十二の詩《うた》 第十一回
十二の詩 第十一回
① イチジクと呼び覚ます火炎。
② 白と黒のファンタジー。
③ 現実に挫折する、生きている意味。
④ 豆腐の角に頭をぶつける、危うく三途の川を渡るとこだ。
⑤ 七面鳥が逃げ出す、牧場の詩。
⑥ クリスマスと盆と正月、結婚式と離婚式。
⑦ 海外へ飛ぶ飛行船にまたがる小さな巨人。
⑧ 散歩する犬と食いちぎられる首輪、逃げ出す犬に追う飼い主。
⑨ 獅子の谷、彼女の谷間に青い春。
⑩ 凝固と凝結、瞬間と逡巡、人は幸せに生りたい。
⑪ ジュースの自販機の内側に巣を張る蜘蛛。
⑫ ひがみとイヤミの両手バサミ、信じる心はやがて枯れる。
平成二十五年一月二十五日 記す