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参百伍拾肆.お月見

 天照『嘘でしょ。今日、月食があるなんて聞いてない!』

 武甕槌「月詠さまが暦を捻じ曲げて月食を日付をずらしたのだ」

 雪「どうしてそんなことを?」

 俺「決まってるわ。天照を取り戻すためよ」


 月☆読は月の神だから、月が空にいる間は空で月の管理をしていなければならない。天照が太陽の神だから昼間地上に降りてこれないのと同じだ。


 だからこそ月が一晩中空にある満月の夜に儀式を行うことにしたのだが、異変に気づいた月☆読が満月であることを逆手にとって月食を強引に起こして空から月を消したのだ。


 これがもし儀式の日を1日でもずらしていたら、満月の日以外に月食は不可能なのだから月☆読にもどうすることもできなかったに違いない。いや、それでも強引に暦を捻じ曲げただろうか?


 大国主(天照さま、かぐや姫さん、雪さん、急いで)

 天照『大国主、もうちょっと待てないの』

 大国主(待てません。もう儀式は始まってます。中断したら、天照さまが消えてしまいます)


 空を見上げると、月☆読を先頭に無数の兵士たちがこちらに向かってきているのが見えた。


 武甕槌(神兵までかっ。……ここは私が食い止めます。天照さまは早く。天児屋)

 雨(ちょーっ。無理無理無理無理無理)


 武甕槌に呼ばれた雨は速攻でどこか遠くへ逃げて行った。


 墨「私も加勢します」

 俺「墨は無理しなくても」

 墨「大丈夫です、姫さま。しっぽが9本になったのは伊達じゃないということを見せて差し上げます!」


 そう言うと、墨は武甕槌を追って空へと飛んでいった。


 天照『やっぱり、あの2人だけじゃ、月☆読たちを止めるのは無理よ。あたしも行くわ』

 俺「だめだよ。天照はここに残らないと」

 天照『この儀式が失敗したら、姫ちゃんが現代に戻れなくなっちゃうんだよ』

 俺「天照を置いて現代に帰るなんてできないわ。それに、2人じゃないし」

 天照『え?』


 天照が再び空を見ると、3頭の龍が武甕槌と墨の周りを飛んでいた。


 天照『あの子たち』


 宗像三女神である市杵島姫、田心姫、湍津姫の3人だ。状況を察して駆けつけてくれたのだ。


 大国主(天照さま)


 ようやく納得した天照が所定の位置に着くと、大国主が儀式を再開した。


 大国主が行っているのは何やら高度すぎて俺には何をしているのかさっぱりわからないが、儀式魔法らしい。……見た目はただお月見で宴会をしているだけのようにしか見えないんだけど。


 っていうか、月が月食で隠れてるのにお月見してるって、事情を知らなかったら間抜けにしか見えないんじゃないか?

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